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Oracle DB Tips

HASH JOIN – Oracle SQL実行計画

Oracle SQLチューニングの基本は実行計画を理解することです。実行計画はツリー構造で、様々なオペレーションから構成されます。

この記事では、HASH JOIN オペレーションについて説明します。

HASH JOIN オペレーションとはどのようなオペレーションか?

比較的大量のデータを結合する結合処理である、ハッシュ結合(ハッシュジョイン、HASH JOIN)の実行時に使用されるオペレーションです。

結合対象の表のうち、結合対象のデータ件数が小さい方をbuild inputとして、結合列の値にハッシュ演算を適用して、メモリ上に展開します。

もう1つの表をprobe inputとして、各行を読み込みながら結合列の値にハッシュ演算を適用して、ハッシュ値をキーにしてメモリ上に展開したbuild inputと突き合わせて結合処理を行います。

結合をハッシュ値を元に行う関係上、結合条件が等価条件(‘=’)である必要があります(等価結合)。

実行計画の例と処理イメージ図

SELECT cid, cname, pa.pid, pname
   FROM ch, pa WHERE ch.pid = pa.pid;

---------------------------------------------------------------------------
| Id  | Operation          | Name | Rows  | Bytes | Cost (%CPU)| Time     |
---------------------------------------------------------------------------
|   0 | SELECT STATEMENT   |      |    80 |   188K|     6   (0)| 00:00:01 |
|*  1 |  HASH JOIN         |      |    80 |   188K|     6   (0)| 00:00:01 |
|   2 |   TABLE ACCESS FULL| PA   |     8 | 16032 |     3   (0)| 00:00:01 |
|   3 |   TABLE ACCESS FULL| CH   |    80 | 32560 |     3   (0)| 00:00:01 |
---------------------------------------------------------------------------

   1 - access("CH"."PID"="PA"."PID")

HASH JOIN オペレーションに関するFAQ

HASH JOIN オペレーションが使われる条件には何がありますか?

実行するSQLの結合条件が等価条件であり、CBOがハッシュ結合が最適な結合アルゴリズムであると判断した場合に使われます。

Oracle Databaseの結合アルゴリズムには、ネステッドループ結合、ハッシュ結合、ソートマージ結合の3種類があります。
CBOは、アクセス対象のデータ量などを勘案して最適な結合アルゴリズムを選択しますが、比較的アクセス対象のデータ量が多い場合、ハッシュ結合が選択されやすい傾向にあります。

なお、実行するSQLの結合条件が等価条件で無い場合、ハッシュ結合は使用されません。

HASH JOIN オペレーションを使う実行計画は望ましくないですか?

アクセス対象のデータ量が多い場合、CBOはハッシュ結合を選択するようになります。

アクセス対象のデータ量が少ない場合は、CBOの判断が不適切な場合があります。CBOの判断ミスが疑われる場合は、以下の対処を試みてください。

  • オプティマイザ統計情報を収集し、CBOが適切な判断を行えるようにする
  • ヒントなどを用いて、ネステッドループ結合、ソートマージ結合に誘導する
HASH JOIN オペレーションを使う実行計画に誘導するヒントは何ですか?

USE_HASHヒントを指定します。ただし、USE_HASHヒントを使う場合は、原則的に結合順序を指定する LEADINGヒントや ORDEREDヒントと共に使うことに注意してください。

/*+ USE_HASH(<prove input>) LEADING(<build input>) */

なぜならば、USE_HASHヒントはprove inputとして指定した表が、実際にprove inputとして選択されない限り、ハッシュ結合に誘導出来ないためです。このため、LEADINGヒントやORDEREDヒントで結合順序を指定して、USE_HASHヒントでprove inputとして指定した表が、実際にprove inputとして選択されるようにします。

このため、LEADINGヒントやORDEREDヒントで結合順序を指定して、USE_HASHヒントでprove inputとして指定した表が、実際にprove inputとして選択されるようにします。

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