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Oracle Cloud Infrastructure Archive Storage

渡部です。これは、(全部俺) Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2018 の15日目のエントリです。

Oracle Cloud Infrastructure Archive Storageは、アーカイブデータに適した安価なオブジェクトストレージです。AWS Glacierに相当するサービスです。

https://cloud.oracle.com/ja_JP/storage/archive-storage/faq より

Oracle Cloud Infrastructure Archive Storageとは何ですか。

Oracle Cloud Infrastructure Archive Storageは、アクセス頻度の低い長期保存データを格納するのに最適なストレージ層です。Oracle Archive Storageに格納されたデータには、Oracle Object Storageと同じインタフェース(API、SDK、CLI)を使用してアクセスできます。ただし、Oracle Object Storageとは異なり、即時のデータ取得はできません。データを読み取るには、まずアーカイブ・ストレージからデータをリストアする必要があります。リストア・リクエストを発行してからデータの読取りが可能になるまでに、最大4時間のラグを見込んでください。取得時間メトリックは、Time To First Byte (TTFB)で計測されます。適切なIdentity and Access Managementポリシーを活用してデータ・アクセスを管理することにより、Oracle Archive StorageでWORMコンプライアンスを達成できます。

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主な特徴は以下の通りです。

  • 圧倒的に低価格(オブジェクトストレージの約1/10、業界最安値)
  • ダウンロード前にリストア操作を行う必要があり、データ復元まで時間を要する

OCI Archive Storageの価格は、0.31円/月GBです。AWS Glacierの0.55円/GB (@110円/ドル)よりも圧倒的に安価です。 (上記以外に通信量など関連料金もかかりますが、OCIはこのような関連料金の無料枠が大きく、かつ、安価です。逆にAWSはこれらの関連料金が意外とバカにならない・・・)

なお、OCI Object Storage(いわゆる通常のオブジェクトストレージ)は3.06円/月GBです。

OCI Archive Storageでは、アップロードしたオブジェクトをダウンロードする前にリストア操作を行う必要があります。

# NAMESPACE=XXXX
# BUCKET=XXXX
# OBJECT_NAME=TEST_ol7__20170316-152453.tgz
# oci os object restore -ns ${NAMESPACE} -bn ${BUCKET} --name ${OBJECT_NAME}
# oci os object restore-status -ns ${NAMESPACE} -bn ${BUCKET} --name ${OBJECT_NAME}
Restoring, this object is being restored and will be available for download in about 4 hours from the time you issued the restore command.
  (4時間ほど経過)
# oci os object restore-status -ns ${NAMESPACE} -bn ${BUCKET} --name ${OBJECT_NAME}
Restored. You have 22 hrs 37 mins to download the restored object before it is once again archived.
# LOCAL_FILEPATH=TEST_ol7__20170316-152453.tgz
# oci os object get -ns ${NAMESPACE} -bn ${BUCKET} --name ${OBJECT_NAME} --file ${LOCAL_FILEPATH}
Downloading object  [####################################]  100%

参考のため、リストア前後の管理コンソールの表示の違いを以下に示します。

archive_restore1.png

archive_restore2.png

大きなサイズのデータの長期間バックアップのコスト削減に役立つOCI Archive Storageですが、いくつかの注意点があります。

  • バケット単位でArchive Storage指定: 同一のバケットをArchive Storageと通常のObject Storageで同時に使用不可
  • ストレージ階層プロパティの変更不可 : Archive Storageのバケットを作成後にObject Storageに変更できない
  • 90日以内にデータを削除すると、90日分の料金がとられる
  • ダウンロード前にリストア操作を行う必要がある(説明済み)
  • リストア中(デフォルト24時間)にダウンロードを実行する必要がある
  • リストア中(デフォルト24時間)は通常のObject Storageの料金が適用される

大きなサイズのデータのバックアップは、以下の理由で比較的クラウドと相性が良いです。

  • キャパシティ管理が不要 : 領域の空き状況監視や、容量拡張計画の設計、ストレージの追加などの管理作業になやまされる必要がない!)
  • 必要に応じた課金 : 確保した領域に対して課金されたり、(たいてい多めに)購入した機器に課金されるのでなく、純粋に使用した分に課金される(従量課金)

その一方で、以下の注意点がありますので、うまく使う必要があります。

  • 純粋なキャッシュアウトという意味では、一般にオンプレミスよりが大きくなりがち。ただし、人的コストは大幅に削減できるのは事実。さらに、OCI Archive Storageを使えば、さほどキャッシュアウトも大きくならない。
  • バックアップ、リストアに時間を要する。二次バックアップに使うのが最適。

プロフィール

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渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

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