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Oracle OpenWorld 2012レポート – 出発 + Day 1 User Group Forum

0/4 の 5日間にわたり、US San Francisco で開催されたOracle OpenWorld 2012に 弊社から私(渡部)含め2名が行ってまいりました。

Oracle OpenWorldの渡航については、某大手旅行代理店様からツアー(飛行機+ホテル+各種サポート)とパスを申し込むことで 手配が完了します。弊社では、日本からの参加者の多くが購入する構成、OPNパートナーツアー+OPNパートナーパスに加えて、OpenWorldパスをアドオンしました。(パスの位置づけについては詳細は後述します)

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日本時間の9/29(土) 15:40から飛行機にのり、現地時間の9/29朝にSan Fransiscoに到着します。 今回はホテルに荷物を預けた後、フィッシャーマンズワーフで昼食時間の後、一旦ホテルに帰ります。しばらく自由時間の後、夜に日本から出席したOracleパートナー向けの懇親会がありました。これで、Oracle OpenWorldの第0日目にあたる日程は終了です。時差の関係もあり非常に長い一日です。(逆に帰国日は一気に2日が過ぎるのですが・・・)

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さて、Oracle OpenWorldは、次の日の9/30(日)から始まります。しかしDay 1(9/30)は原則的に技術セッションは開催されていません。 現場運営のリハーサルがわりなのでしょうか、IOUG をはじめとする User Group主導のUser Group Forumが行われています。

渡部が参加したセッションは以下の通りです。

UGF4301 - Look Inside the Locking Mechanism

"Inside"という言葉に惹かれて本セッションを聴講しましたが・・・残念ながら、内容はLockの実装などに葉触れるものではなく、 単にTXエンキューの動作に関する説明でした。タイトルに偽りあり!です。

Agenda

  • The basics of the locking mechanism
  • Lock types and modes
  • Locks during basic DML and DDL operations
  • Advanced locking scenarios, including deadlocks, locking and constraints, and more

これ以外にもいくつかのセッションを受講しましたが、少なからずタイトルと内容が合っていないセッションは多々ありました。 私と同じようなフラストレーションを感じている人は多いようです。

OOW: Is It Worth It? - ORAganism OOW: Is It Worth It?より

There are often two or more sessions in the same slot that I want to attend and what made this even more frustrating in my first year were the “marketing trap” sessions. The ones that sound great, but as I recall saying at the time, “I don’t come here to listen to someone give me an overview of functionality or recite the data sheets.” I want the “war stories”, internals and undocumented stuff.
乱暴な訳: 同じ枠に聴講したいセッションが2つ以上あることは、よくあることだ。初めてOOWに参加したときにフラストレーションを感じさせられたことは、"マーケティング・トラップ"セッションの存在だ。(内容が)凄そうに聞こえるが、「誰かに機能の概要説明をしてもらいにきたのではないし、データシートの朗読を聴きにきたのではない」と後で言うことになる。私は、"war story (たぶん、現場の話ぐらいの意味のはず)"や内部や非公開の内容が聞きたいのだ。

UGF6886 - The Answers to Free Memory, Swap, Oracle Database, and Everything

Agenda

  • Types of Physical Memory
  • Virtual Memory
    • Types of memory
  • How to monitor memory usage
    • Oracle specifics
  • HugePages effect
  • Oracle Views

主にOSの観点からみたメモリの話で、ときおりOracle Databaseに関連する内容が説明されました。 メモリ階層、仮想メモリ、メモリ使用量の監視について、主にLinuxを想定して説明がありました。 (一部Solarisに関する説明あり)

気になった点の抜粋

  • SolarisではHugepagesは自動的に使用、調整される
  • Solarisではスワップまたはディスクへの書き込みを確認する方法がない。vmstat sr, po, pi などから推測する
  • Linux /proc/meminfo Cachedにはファイルシステムキャッシュ、実行バイナリが含まれる。hugepages未使用時のSGAも含まれる
  • cat 大きいファイル > newfile; rm newfileしたときのcacheの増減(rmでcacheが減る)

UGF3373 - Are You a Member Yet? Oracle User Group Advantages and Value for Oracle Customers

Oracle User Groupの活動内容や意義についての説明です。

現在のJPOUGの活動は、イベントの主催や、イベントへのセッション参加にとどまっていますが、規模の大きい海外のUser Groupは雑誌の出版やオラクルへの働きかけ(製品改善要望、ベータ版の試用など)を行っているようです。 日本との違いに驚くと同時に、JPOUGもいつかはそのようにならなければならないと感じました。

このセッションとは直接の関係はありませんが、IOUGブースの方に話しかけたときにIOUGが出版している雑誌をいただきました。かなり充実した内容です。

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ユーザーグループの区分について、わかりやすい説明がありました。ユーザーグループは以下の種類に分類できるとのこと。

  • Umbrella : いくつかのユーザーグループの集合体
  • Geo : 特定の地域で活動するユーザーグループ
  • Technology : 特定の技術に関するユーザーグループ

名称が似ており混同しやすいユーザーグループに、IOUCとIOUG がありますが、上記の概念を用いると明確に理解することができます。 IOUCは全世界のユーザーグループを包括するUmbrella型のユーザーグループです。IOUGはUSで活動するGeo型のユーザーグループです。

UGF7700 - Oracle on Oracle VM: Expert Panel

Xenベースのいわゆる"Oracle VM"だけでなく、"Oracle VM VirtualBox"や"Oracle VM Server for SPARC"などを含めたオラクルのVM製品群に関する説明でした。大規模環境におけるストレージ構成に関する議論がありましたが、英語なのでちょっとついてゆけず・・・残念。

UGF10405 - Truss, pstack, pmap, and more

発表資料はOOWのサイトにはアップロードされていませんが、おそらくpstack, truss, etcを用いて説明されたと思います。

Agenda

  • Truss with few examples.
  • Demos of truss (hopefully)
  • Proc tools intro: pmap, pfiles etc.
  • pstack

サーバープロセスのファイルI/Oやエンキュー待機など処理実行におけるシステムコールの実行状況をtrussで覗いてみたり、pmapやpstackで覗いてみたり、といった内容でした。Oracle Databaseの動作に興味がある人であれば、一度はやったことがあることでしょう。個人的にはあまり目新しい内容はありませんでしたね。

プロフィール

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渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

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