株式会社コーソル

KNOWLEDGE

コーソルの技術情報

コーソルでは経験豊かなエンジニアが、Oracle Databaseに関するお役立ち情報を発信しています。
データベースのチューニングや設定にお役立ていただけます。

KNOWLEDGE検索人気のキーワード

Oracle DB ベストプラクティス

論理バックアップの注意点と物理バックアップの薦め

Oracle Databaseのバックアップ方法は論理バックアップと物理バックアップに大別されます。
論理バックアップとはDataPump expdpやexpコマンドを使用して、データベースに格納されたデータをエクスポートする方法です。復旧時はエクスポートしたデータをインポートします。
一方、物理バックアップは、データベースを構成するファイルをコピーするバックアップ方法です。復旧時はコピーしておいたファイルを元の場所に戻し、リカバリ処理を実行します。

01.論理バックアップの注意点

論理バックアップでは、DataPump expdpやexpコマンドでデータをエクスポートしてバックアップデータを取得します。大量のデータをエクスポートする場合、データ間の一貫性を確保することは難しい場合があります。
また、論理バックアップを用いた復旧は、エクスポートしたデータをインポートすることで実現されるため、データベースに格納されたデータの状態はエクスポートした時点にしか復旧できません。論理バックアップ(=エクスポート)してから障害が発生するまでにデータベースに対して実行された更新は失われ、復旧させることができません。更新を反映させる必要がある場合は、アプリケーション側で何らかの対処を講じる必要があります。

02.物理バックアップの勧め

物理バックアップでは、適切な方法でバックアップを取得すれば、バックアップ取得時のデータ一貫性の問題を考慮する必要はありません。
また、アーカイブログモードで運用することで、データベースを障害発生直前の状態まで復旧することができます。この利点とアーカイブログモードの概要については、以下の技術情報をご確認ください。

アーカイブログモードの重要性とアーカイブログモード運用のすすめ

上記の理由から、特に理由がない限り物理バックアップを基本としたバックアップ設計をお勧めします。物理バックアップを行う方法として、オラクル社はRMANの使用を勧めています。
RMANは非常に簡単な使用方法でバックアップを取得できるツールですが、さまざまな状況に対応できるために、多くの機能をもっており、全貌を把握するために学習時間が必要となる場合があります。最低限設定していただきたい項目については、以下をご覧ください。

最低限実施すべきRMAN設定

なお、論理バックアップは、人為的なデータ削除への対処方法としては有効です。したがって、論理バックアップは物理バックアップの補助手段として位置付けることをお勧めします。

この記事の監修者

監修者の写真

舛井 智行 (ますい ともゆき)

営業本部 企画&マーケティング部 次長

《資格》

Oracle Master Gold、Oracle RAC Expert、Linux Expert、LPIC Level1、Dbvisit Standby Certified Associate、基本情報技術者

《略歴》

2004年コーソル入社。2019年まで一貫してOracle Databaseの設計・構築・運用のサービス提供に従事。リモートDBAやリモート監視のサービス化、働き方改革プロジェクトで人事制度改革を手掛ける。2019年からライセンス販売強化のため企画&マーケティング部に異動。DbvisitやToad、DPAの取扱開始、販売促進活動を推し進め、ライセンス販売事業の売上拡大に注力中。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL
Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで
プロとしてのOracle入門
Oracle Database 10g Oracle Enterprise Manager 逆引きクイックリファレンス

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Databaseの技術力において日本有数の知見を有すると自負しています。Oracle Masterの最高峰資格である『Oracle Master Platinum』の取得者数も日本No.1です。Oracle Databaseのことはもちろん、それ以外のDBについてもリモートDBAサービスを始めとした様々なサービス、製品を駆使してお客様のお困りごとを解消いたします。お困りごとがあればコーソルまでご相談ください。

監修者の写真

峯岸 隆一 (みねぎし りゅういち)

インフラソリューション部 市ヶ谷クラウドサービスチーム シニアエキスパート

《資格》

Oracle Master Gold、ORACLE MASTER Platinum、Oracle RAC Expert、
Oracle Database Cloud Service Oracle Infrastructure as a Service Cloud 2017 Implementation Essentials、
Oracle Cloud Infrastructure 2018 Architect Associate、
Oracle Cloud Infrastructure 2019 Architect Professional、
AWS Certified Solutions Architect – Associate、OSS-DB Silver、
MySQL 5.6 Database Administrator、基本情報技術者、テクニカルエンジニア(データベース)

《略歴》

2006年コーソル入社。2021年までOracle Databaseを中心にMySQLやGoldenGateなど、多岐にわたる製品のサポート業務に従事。2021年から企画&マーケティング部に異動し、Nutanix NDBサービス化、Qlik Replicateサービス化、AWS、OCIなど様々な製品のサービス化、クラウド環境上の製品検証、ブログ執筆を手掛ける。2023年からOCI技術に磨きをかけるべくOCI基盤の設計・構築業務を遂行中 。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL  Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Database製品および周辺製品において特化した技術力を有している会社です。また、育成にも力を入れており、新卒などOracle Databaseの知識がないエンジニアでも数年でOracle Master Platinumを取得するほどのエンジニアに育て上げることに成功しています。クラウド分野(AWS、Oracle Cloud)にも積極的に進出しておりますので、Oracle Databaseに関するサービスをご要望であればプラットフォーム問わず対応できるコーソルにご連絡下さい。