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Oracle DB ベストプラクティス

定期的なパフォーマンス情報収集の必要性とその方法

Oracle Databaseの管理作業において、パフォーマンス管理は重要な位置づけにあります。
パフォーマンス観点からの監視は、Oracle DatabaseとOSの双方の観点から監視することが求められます。それぞれの観点で有用な情報取得機能、コマンドをご紹介します。

01.Statspackレポート

ほぼすべてのバージョン、Standard Editionを含むすべてのエディションのOracle Databaseで使用できるパフォーマンス監視機能です。定期的に取得したパフォーマンス関連のV$ビューの情報をもとにStatspackレポートと呼ばれるパフォーマンス診断レポートを出力できます。
環境を問わず使用できる点が利点ですが、事前に2つの作業が必要なことに注意してください。

  • 1. Statspackのインストール : @?/rdbms/admin/spcreate.sql
  • 2. スナップショットの自動取得設定 : @?/rdbms/admin/spauto.sql

 

StatspackはPL/SQLのモジュールと表などのオブジェクトから構成されます。これらは、SYSユーザーで @?/rdbms/admin/spcreate.sql を実行することで作成できます。
このとき、オブジェクトの所有者となるユーザー(デフォルトPERFSTAT)、オブジェクトを格納する表領域(デフォルト SYSAUXまたはTOOLS)を指定します。
ここで作成した表には、定期的に取得したパフォーマンス関連のV$ビューの情報を格納します。取得したデータをスナップショットと呼びますが、スナップショットを定期的に取得するジョブを作成しておく必要があります。このジョブは、Statspack関連オブジェクトの所有ユーザーで @?/rdbms/admin/spauto.sql を実行して、作成できます。

02.AWRレポート

Oracle Database 10.1以降のバージョンで Enterprise Editionの追加オプションであるDiagnostic Packを導入済みの場合、AWRレポート (Automatic Workload Repositoryレポート) を使用できます。
AWRレポートは Statspackレポートの拡張版という位置づけとなり、以下の点でStatspackレポートより優れているため、AWRレポートが使用できる場合はStatspackレポートではなくAWRレポートを使用してください。

  • 事前のインストール、スナップショットの自動取得設定が不要です。
  • Statspackではレポートはテキスト形式のみですが、AWRレポートではHTMLも選択できます。高負荷SQLの全文など一部の情報についてはHTML版でのみ出力されます。
  • Statspackよりも多くの統計情報を出力できます。

03.OS観点でのパフォーマンス統計

Oracle DatabaseもOSから見ればアプリケーションにすぎません。このため、Oracle Databaseの観点(アプリケーションの観点)からだけではなく、OSの観点からパフォーマンス監視を行う必要があります。
UNIX/Linuxではsar, vmstat, iostatなどをパフォーマンス監視コマンドが用意されていますが、定期的なデータ取得、取得データの保管という点で使いにくい部分がありました。(sarを除く)
このため、定期的なデータ取得、取得データの保管の機能をもつ、パフォーマンス監視ツールの導入をお勧めします。
サポート契約をお持ちの方は Oracleが提供する OSWatcher Black Boxの使用も検討してください。以下のドキュメントは Oracle Linux 6用のドキュメントですが、OSWatcher Black BoxはUNIX/Linux一般で使用できるツールです。
Oracle Linux 管理者ソリューション・ガイド リリース6 → 12. 診断ツールのサポート → 12.3. OSWatcher Black Boxについて

この記事の監修者

監修者の写真

舛井 智行 (ますい ともゆき)

営業本部 企画&マーケティング部 次長

《資格》

Oracle Master Gold、Oracle RAC Expert、Linux Expert、LPIC Level1、Dbvisit Standby Certified Associate、基本情報技術者

《略歴》

2004年コーソル入社。2019年まで一貫してOracle Databaseの設計・構築・運用のサービス提供に従事。リモートDBAやリモート監視のサービス化、働き方改革プロジェクトで人事制度改革を手掛ける。2019年からライセンス販売強化のため企画&マーケティング部に異動。DbvisitやToad、DPAの取扱開始、販売促進活動を推し進め、ライセンス販売事業の売上拡大に注力中。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL
Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで
プロとしてのOracle入門
Oracle Database 10g Oracle Enterprise Manager 逆引きクイックリファレンス

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Databaseの技術力において日本有数の知見を有すると自負しています。Oracle Masterの最高峰資格である『Oracle Master Platinum』の取得者数も日本No.1です。Oracle Databaseのことはもちろん、それ以外のDBについてもリモートDBAサービスを始めとした様々なサービス、製品を駆使してお客様のお困りごとを解消いたします。お困りごとがあればコーソルまでご相談ください。

監修者の写真

峯岸 隆一 (みねぎし りゅういち)

インフラソリューション部 市ヶ谷クラウドサービスチーム シニアエキスパート

《資格》

Oracle Master Gold、ORACLE MASTER Platinum、Oracle RAC Expert、
Oracle Database Cloud Service Oracle Infrastructure as a Service Cloud 2017 Implementation Essentials、
Oracle Cloud Infrastructure 2018 Architect Associate、
Oracle Cloud Infrastructure 2019 Architect Professional、
AWS Certified Solutions Architect – Associate、OSS-DB Silver、
MySQL 5.6 Database Administrator、基本情報技術者、テクニカルエンジニア(データベース)

《略歴》

2006年コーソル入社。2021年までOracle Databaseを中心にMySQLやGoldenGateなど、多岐にわたる製品のサポート業務に従事。2021年から企画&マーケティング部に異動し、Nutanix NDBサービス化、Qlik Replicateサービス化、AWS、OCIなど様々な製品のサービス化、クラウド環境上の製品検証、ブログ執筆を手掛ける。2023年からOCI技術に磨きをかけるべくOCI基盤の設計・構築業務を遂行中 。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL  Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Database製品および周辺製品において特化した技術力を有している会社です。また、育成にも力を入れており、新卒などOracle Databaseの知識がないエンジニアでも数年でOracle Master Platinumを取得するほどのエンジニアに育て上げることに成功しています。クラウド分野(AWS、Oracle Cloud)にも積極的に進出しておりますので、Oracle Databaseに関するサービスをご要望であればプラットフォーム問わず対応できるコーソルにご連絡下さい。