Oracle DB ベストプラクティス
Oracle Database 11gから導入されたADR ( 自動診断リポジトリ )
Oracle Database 11gから、ログファイルなどのデータベースの状況確認や診断に使用するデータ(診断データ)は、ADR(Automatic Diagnostic Repository: 自動診断リポジトリ)で一括管理されるようになりました。
ADRは製品やデータベースなどの分類に応じたディレクトリ構造を持つ、整理されたファイルベースのリポジトリです。ADRを使用することで、ログファイルを集中監視し、ログの自動削除などのさまざまな管理コスト削減のための付加機能を活用できます。
01.ADRの構成
ADRでは、ログファイルを含むすべての診断データを「ADR_BASE」と呼ばれる単一のディレクトリの配下に保管します。ADR_BASE内には製品やインスタンス、リスナーに対応したADR_HOMEが複数あります。ADR_HOMEには、ログファイルの種類に応じたディレクトリがあって、そこにログファイルを格納しています。
02.ADR_BASEの設定
インスタンスのADR_BASEの設定方法は複数あり、優先度が高い方法が優先して使用されます。
- 1. 初期化パラメータ DIAGNOSTIC_DEST
- 2. <ORACLE_BASE>
- 3. <ORACLE_HOME>¥log
03.ADR_HOMEの設定
Oracle Databaseインスタンスの場合、ADR_HOMEは以下のように規定されます。
[ADR_BASE]diag/rdbms/[データベース名]/[ORACLE_SID]
04.ADR_BASEとADR_HOMEの確認
インスタンスのADR_BASEとADR_HOMEの場所は、V$DIAG_INFOビューで確認できます。
SQL> SELECT * FROM V$DIAG_INFO;
INST_ID NAME VALUE
-------- ------------------- ---------------------------------
1 Diag Enabled TRUE
1 ADR Base c:¥oracle
1 ADR Home c:¥oracle¥diag¥rdbms¥orcl¥orcl
1 Diag Trace c:¥oracle¥diag¥rdbms¥orcl¥orcl¥trace
1 Diag Alert c:¥oracle¥diag¥rdbms¥orcl¥orcl¥alert
(省略)
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