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Oracle DB Tips

ORA-01536: 表領域???に対する領域割当て制限を使い果たしました

01.ORA-01536エラーとはどのようなエラーか?

ORA-01536エラーは、表領域に対してユーザーに割当てられた領域を使い果たしたことを示すエラーです。
Oracle Databaseは、テーブルなどオブジェクトの作成やデータ追加・更新時に表領域にセグメントを確保し、エクステントを割当てます。
ユーザーが割当て可能な領域サイズの制限を、表領域ごとに指定できます。
このサイズ制限を超えてエクステント割当てを実行しようとしたときに、ORA-01536が発生します。

02.ORA-01536エラーのエラー出力例

ORA-01536: 表領域USERSに対する領域割当て制限を使い果たしました。

03.ORA-01536の一般的な発生要因と対処

ORA-01536は一般に以下の要因で発生します。

  • 1. 領域割当て制限が設定されていない
  • 2. QUOTAの設定値を超過した領域割当て
  • 3. ロールを通じたUNLIMITED TABLESPACE権限の取消し
  • 4. インポート実行ユーザーの領域割当て制限の不足

 

領域割当て制限が設定されていない

CREATE USER時にQUOTA句を省略した場合、表領域への領域割当て制限は0となり、表、索引などのエクステント割当が必要なオブジェクトの作成ができません。ユーザー作成直後にORA-01536が発生する場合には、領域割当て制限の設定を行っているかどうかを確認してください。
領域割当制限は表領域ごとに設定することに注意してください。このため、テーブルと索引を異なる表領域に格納している場合には、テーブル用の表領域と索引用の表領域の両方に領域割当ての設定が必要です。
領域割当て制限を設定するには、以下の2つの方法があります。

  • a. 表領域ごとにQUOTA句で領域割当て制限を指定する
  • b. UNLIMITED TABLESPACE権限で全ての表領域への領域割当て制限を無制限とする

 

a. 表領域ごとにQUOTA句で領域割当て制限を指定する

CREATE USER文およびALTER USER文のQUOTA句で表領域ごとの領域割当て制限の指定が可能です。

SQL> CREATE USER [ユーザー名] IDENTIFIED BY [パスワード] QUOTA [値|UNLIMITED] ON [表領域名];
SQL> ALTER USER [ユーザー名] QUOTA [値|UNLIMITED] ON [表領域名];
b. UNLIMITED TABLESPACE権限で全ての表領域への領域割当て制限を無制限とする

UNLIMITED TABLESPACEシステム権限を付与することで、データベース内の全表領域に対して無制限に領域割当てが可能となります。UNLIMITED TABLESPACE権限はDBAロールおよびRESOURCEロールに含まれているため、DBAロールおよびRESOURCEロールを付与すると全表領域に対して無制限に領域割当てが可能となります。
UNLIMITED TABLESPACEシステム権限を直接付与する場合

SQL> GRANT UNLIMITED TABLESPACE TO [ユーザー名];

RESOURCEロールを通じてUNLIMITED TABLESPACEシステム権限を付与する場合

SQL> GRANT RESOURCE TO [ユーザー名];
QUOTAの設定値を超過した領域割当て

QUOTAに数値を指定し、ユーザへの領域割当て制限を行っている表領域に対して、制限を超過したエクステント割当てを試みた場合に発生します。
次の対処が有効です。

  • 表領域内の不要オブジェクトを削除する
  • QUOTAに指定したサイズを拡張する、またはUNLIMITEDを設定する(前述 a.)
  • UNLIMITED TABLESPACEシステム権限を付与する(前述 b.)

 

ロールを通じたUNLIMITED TABLESPACE権限の取消し

DBAロールおよびRESOURCEロールにはUNLIMITED TABLESPACE権限が含まれています。これらのロールを取り消した後の操作でORA-01536が発生した場合には、ロール取消しが原因でエラーが発生していることが考えられます。
DBAロールまたはRESOURCEロールを取り消す必要がある場合には、QUOTAの設定またはUNLIMITED TABLESPACE権限の付与を行ってください。

インポート実行ユーザーの領域割当て制限の不足

オリジナルのインポート・ユーティリティおよびDataPumpインポート・ユーティリティを使用する際には、インポート実行ユーザーにインポートを行う表領域に対する領域割当て制限が設定されている必要があります。
例えば、SCOTTユーザーでUSERS表領域へのインポートを行う為には、SCOTTユーザーにUSERS表領域への十分な領域割当て制限を与えられていなければなりません。
インポート実行時にORA-01536が発生した際には、エラーとなった表領域に対してインポート実行ユーザーに十分QUOTAの設定またはUNLIMITED TABLESPACE権限の付与による領域割当て制限を実施します。

04.ORA-01536に関するFAQ

ユーザーに設定されたQUOTAの値の確認方法は?

ユーザーに設定された表領域ごとの割当て領域制限は USER_TS_QUOTAビューのMAX_BYTES列から確認できます。QUOTAにUNLIMITEDを指定した場合にはMAX_BYTES列には-1と表示されます。
また、USER_TS_QUOTAにはCREATE USER、ALTER USERで指定したQUOTAの値が表示されます。その為、UNLIMITED TABLESPACE権限を付与してもUSER_TS_QUOTAは変わりません。
UNLIMITED TABLESPACE権限はUSER_SYS_PRIVSにて、DBAロールおよびRESOURCEロールの確認はUSER_ROLE_PRIVSで可能です。

明示的なQUOTA指定とUNLIMITED TABLESPACE権限を両方指定した場合はどちらが有効ですか?

UNLIMITED TABLESPACE権限が有効となります。UNLIMITED TABLESPACE権限を付与すると、QUOTAの設定によらず、データベース内の全表領域に対して無制限に領域割当てが可能となります。

05.キーワード

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