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Oracle DB Tips

TNS-12542: TNS: アドレスがすでに使用中です。(ORA-12542)

01.TNS-12542 / ORA-12542エラーとはどのようなエラーか?

TCP/IPを用いてクライアントアプリケーションからOracle Databaseに対してリモート接続する場合、TCPコネクションを設定します。TCPコネクションを設定するには、TCPポートの割り当てが必要ですが、何らかの理由でTCPポートの割り当てに失敗した場合、ORA-12542エラーが発生します。

02.ORA-12542エラーのエラー出力例(リスナー起動時)

TNSLSNR for 32-bit Windows: Version 11.2.0.2.0 - Production
システム・パラメータ・ファイルはC:¥app¥oracle¥product¥11.2.0¥dbhome_1¥network¥admin¥listener.oraです。
ログ・メッセージをC:¥app¥oracle¥diag¥tnslsnr¥test¥listener¥alert¥log.xmlに書き込みました。
リスニングしています: (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=test.com)(PORT=1521)))
リスニング・エラーです: (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=test.com)(PORT=1521)))
TNS-12542: TNS: アドレスがすでに使用中です。
TNS-12560: TNS: プロトコル・アダプタ・エラー
TNS-00512: そのアドレスはすでに使用中です。
32-bit Windows Error: 48: Unknown error

エラーの数値、引数の意味は以下のとおりです。

リスニングしています       リスナーが起動する際に使うPortを意味しています。
リスニング・エラーです     リスナーが使用できないPortとHOSTを意味しています。
TNS-12542                  ORA-12542 と同じ意味となります。
TNS-12560                  一般的なプロトコル・アダプタ・エラーを意味しています。
TNS-00512                  そのアドレスはすでに使用中という意味になります。
32-bit Windows Error       OS側のエラー(WINSOCK エラー)となります。

03.ORA-12542の一般的な発生要因と対処

ORA-12542は一般に以下の要因で発生します。

  • リスナーのリスニングポートが既に使用されている
  • listener.ora で同じPortが重複して設定されている
  • TCPコネクションの設定時に割り当て可能なポート番号がなかった

 

リスナーのリスニングポートが既に使用されている

エラーが発生したマシンにおいて、リスナーのリスニング用に指定したポート番号が、他のプロセスによって使用されている場合、ORA-12542エラーでリスナーの起動に失敗します。ポートを使用しているプロセスを特定し、終了してください。
ポートを使用しているプロセスを特定するためには以下のコマンドを使用します。

  • Linux/UNIX : lsof
  • Windows : Sysinternals(http://www.sysinternals.com)で配布されている TCP View など

 

listener.ora で同じポートが重複して設定されている

下記のように、同一のポートをリスニングするような設定がされている場合、ORA-12542エラーでリスナーの起動に失敗します。

LISTENER =
(DESCRIPTION_LIST =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS_LIST =
(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = <ホスト名もしくはIPアドレス>)(PORT = 1521))
(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = <ホスト名もしくはIPアドレス>)(PORT = 1521))
)
(ADDRESS_LIST =
(ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = EXTPROCtest))
)
)
)

同一のポートをリスニングしないように、listener.oraの設定を変更してください。

TCPコネクションの設定時に割り当て可能なポート番号がなかった

TCPコネクションを設定するとき、クライアント側ではOSがポート番号を動的に割り当てます。コネクション数が非常に多い場合や、頻繁にコネクションの設定、解放が行われる状況では、割り当て可能なポートが枯渇し、ポートの割り当てができない場合があります。ポートの割り当てができない場合、ORA-12542エラーが発生し、リモート接続に失敗します。
このような場合、以下のような対処が考えられます。

  • OSの設定を変更して、動的割り当て用のポート範囲を増やす。
  • OSの設定を変更して、TCPコネクションの解放後にTIME_WAITステータスで待機する時間を短くする。
  • (可能であれば)同時コネクション接続数や、コネクションの設定回数を減らす。

     

  • (可能であれば)リモート接続の代わりに、ローカル接続で接続する

04.ORA-12542に関するFAQ

ローカル接続ではORA-12542は発生しますか?

ローカル接続ではORA-12542は発生しません。ORA-12542はTCPコネクション設定時のポート割り当てに起因して発生するエラーであるためです。

サーバ側で割り当て可能なポート番号がないために、ORA-12542が発生する可能性はありますか?

Oracle Database 10.2以降では基本的にありません。例外的に、ポートリダイレクションと呼ばれるTCPコネクションのの再設定を伴う動作をする場合は発生する可能性があります。
ポートリダイレクションが発生する状況は以下のとおりです。

  • Oracle DatabaseサーバーのOSがWindowsで、専用サーバー接続を行っており、レジストリパラメータUSE_SHARED_SOCKETがFALSEである場合 (Oracle Database 10.2以降ではデフォルトTRUE)
  • ダイレクトハンドオフが無効(listener.ora に DIRECT_HANDOFF_TTC_[listener_name]=OFF / 9.0以降デフォルトON) である場合の共有サーバ接続

05.キーワード

ORA-12542 TNS-12542