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OEM Expressの機能とOEM Datatabase Controlの機能を比較する

Oracle Database 12cよりWebベースのデータベース管理ツールとして Oracle Enterprise Manager Database Express が導入され、Oracle Databsase 10g以降で使用されていた Oracle Enterprise Manager Datatabase Controlは廃止されました。

しかし、Oracle Enterprise Manager Database Express は Oracle Enterprise Manager Datatabase Controlの 完全な代替となりうるものではなく、大幅に機能が削減されています。

OEM Express で提供されている具体的な機能は、マニュアルの以下の箇所に記載されています。

Configuration:

  • Initialization parameters (init.ora) management

  • Memory management

  • Database Feature Usage

  • Database Properties

Storage:

  • Tablespace management

  • Undo management

  • Redo management

  • Archive log management

  • Control files management

Performance:

  • Performance Hub, which includes these features:

    • Real-time performance monitoring and tuning

    • Historical performance and tuning

    • SQL monitoring (real-time and historical)

    • Database operations monitoring

    • ADDM, including Real-Time ADDM

    • Active Session History (ASH) Analytics

  • Automatic and manual SQL Tuning Advisor

一方、OEM Datatabase Controlの機能はマニュアルの以下の箇所に記載されています。 (Oracle Database 10g, 11gでは、10.1または10.2のOEMコアが使用されています)

  • 13. データベースの管理
    • データベース管理の概要
      • Database ControlおよびGrid Control
      • 管理ハブとしてのデータベースのホームページ
    • データベースの監視
      • データベース・パフォーマンスの評価
      • 対話方式による問題の診断
        • 待機クラスの調査
        • トップ・アクティビティの表示
      • 自動的な問題の診断
      • その他の診断ページの使用
        • 上位コンシューマ
        • インスタンス・アクティビティ
        • 履歴SQL(AWR)
      • その他のパフォーマンス・ツールの使用
        • トポロジ・ビューア
        • メトリック・ベースライン
        • メモリー・アクセス・モード
        • ハング分析
    • データベースの管理
      • 記憶域オブジェクトの管理
      • データベース構成機能の使用
      • 自動記憶域管理の使用
      • 単一インスタンスのOracle Real Application Clustersへの変換
      • ローカル管理表領域への変換
      • リソース・マネージャでのリソースの制御
      • データベース・パフォーマンスの改善を目的とした統計の追跡
      • Oracle Schedulerの使用
      • データベース・スキーマの処理
      • データベース・オブジェクトの管理
      • Oracle Enterprise ManagerのXMLデータベース機能
      • ユーザーおよび権限の管理
      • マテリアライズド・ビューの管理
      • 変更の管理について
      • Oracle Enterprise Managerのアドバイザの使用
      • 機密データを本番環境以外で使用するためのマスキング
        • セキュリティおよび法規制に対するコンプライアンス
        • データのマスキング
        • データ・マスキング・ユーザーのロール
        • データ・マスキングで推奨されるワークフロー
        • ユースケース
        • Oracleのセキュリティ関連の製品
    • データベースのメンテナンス
      • バックアップの使用
      • リカバリ
      • フラッシュバック・リカバリ
      • バックアップおよびリカバリの設定
      • リストア・ポイントの管理
      • Data Guardの概要
    • 追加メンテナンス機能
      • エクスポート機能およびインポート機能
      • データベースのクローニングまたは表領域のトランスポート
      • Oracle Streamsの概要
      • ソフトウェア構成の処理
      • データベース・ソフトウェアのパッチの使用
    • Oracle Real Application Clustersの監視
      • クラスタ・キャッシュ一貫性
      • クラスタ・インターコネクト
      • クラスタ管理データベース・サービス
      • Oracleクラスタウェアおよび高可用性

OEM ExpressとOEM Database Controlの機能の違いは一目瞭然ですね。 持っている機能が違いすぎて、1つ1つ比較する気にもならないのが正直なところですね。(記事タイトルに偽りあり・・・)

OEM Database Control を積極的に活用しているユーザーは、OEM Could Control(またはOEM Grid Control) への移行を考えるべきかもしれません。

OEM Database Control を積極的に活用しているわけではなくても、いくつかの機能で OEM Database Control を使っていたというユーザーもいるかもしれません。 自分の想定ですが、以下のような機能を使っているユーザーは比較的多いのではないでしょうか。

  • OEMジョブを用いた定期的なデータベースバックアップ : 標準機能で定期的なバックアップが取得できるため、使用していたユーザーもある程度いたと考えています。
  • 各種アドバイザの実行と結果の確認(SQLチューニングアドバイザ、メモリアドバイザ、ADDMについてはOEM Expressでも実行および結果の確認ができるようです): 組み込みのPL/SQLパッケージでもアドバイザの実行と結果の確認ができましたが、インタフェースが貧弱だったため、OEM Database Controlを活用するのが一般的でした。
  • スキーマオブジェクトの管理(新規作成、既存オブジェクトの定義確認、再編成、領域見積もり)
  • アラート、メトリックの管理(表領域使用率メトリックなど各種メトリックの閾値設定など)
  • リソースマネージャやOracle Streamsなどセットアップが面倒な機能のウィザード的なもの: 設定項目や関連するオブジェクトが多岐にわたり、設定が面倒な機能については、OEM Database Controlの設定画面は便利でした。

Oracle Database 11g以前でこれらの機能を使用していた場合、何らかの代替手段を考える必要があります。 特にデータベースバックアップについては、注意が必要です。

プロフィール

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渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

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