Linux用Oracle Database 21c Express Editionがリリースされました
Oracle ACEの渡部 です。先日オンプレミスLinux版のOracle 21cがリリースされたばかりですが、早くも21c版のOracle Database Express Editionがリリースされました。Express Editionは、ビジネス利用を含めて「完全に無償で使用可能」です。
Oracle Database 21c Express Edition (XE) とは?
ビジネス利用を含めて「完全に無償で使用可能」なOracle Databaseです。
ただし、以下の点に注意してください。
Oracle Databaseが提供する多くの機能を使用できますが、使用できない機能もあります。
11g R2以前のOracle Database Express Editionにくらべて、機能制限が大幅に緩和されています。
使用できない主な機能には、複数ノードを連携させる機能、エンジニアドシステム(Exadata)、クラウド限定の機能などがあります。
構成面(性能面)で以下の制約があります。
Oracleで使用可能なCPUコア数: 最大2
Oracleで使用可能なメモリ領域: 最大2GB
アプリケーション用途に使用可能なデータ領域: 最大12GB
1つの論理環境に複数個のOracleをインストール不可(1つのOracleのみインストール可能)
パッチは提供されません。
テクニカルサポート(問合せ対応)は受けられません。
Oracle XEの機能面での制約
Oracle Database 21c Express Edition (XE) では、
複数ノードを連携させる機能、エンジニアドシステム(Exadata)、クラウド限定の機能をのぞく、ほぼすべての機能を使用できます。
詳細は、ライセンス情報マニュアルを参考にしてください。
なお、11g R2以前のOracle Database Express Editionでは、上記以外に機能面での制約があり、使えない機能がかなりありました。たとえば、Oracle Database 11g R2 Express Editionでは、 パーティション、分析系、空間系の機能などを使用できませんでした。
しかし、Oracle Database 21c Express Editionでは、Oracle Databaseが提供するほぼすべての機能を使用できます 。すなわち、Oracle Database 21c Express Editionでは、Oracle Database 21c Standard Editionでは使用できない以下の機能を使用できます。
Oracle Database 21c Enterprise Edition限定の機能
一部の有償オプション限定の機能
マルチテナント構成におけるPDB数の制約が緩和された点(最大PDB数252、EE同等)も重要です。
ただし、複数ノードを連携させる機能、エンジニアドシステム(Exadata)、クラウド限定の機能を中心とした一部の高度な機能は使用できません。主な使用できない機能を以下に記載します。
Autonomous系機能: Automatic Materialized Views, Automatic Temporary Tablespace Shrink, Automatic Undo Tablespace Shrink, Automatic Zone Maps, Cache Fusion Hardening
Consolidation系機能の一部: CDB Fleet Management, PDB Snapshot Carousel, Refreshable PDB switchover
High Availability系機能の一部: Application Continuity, Oracle Sharding, Oracle Fail Safe, Oracle RAC One Node, Standard Edition High Availability, Oracle Data Guard -- Redo Apply, など
Integration系機能の一部: Database Gateways, Messaging Gateway
Manageability系機能の一部
など
とはいえ、以下のような主要な機能には対応しています。
Multitenant
パーティション
Spatial and Graph
Advanced Analytics
セキュリティ系機能の大部分
圧縮系機能の大部分
Windows版Oracle Database 21c Express Editionは?
今回リリースされたOracle Database 21c Express Editionは、Linux版のみです。
Windows版は2021年9月時点で未リリースで、今年中にリリース予定とのことです。
Oracleを無償で使用できるその他の方法との棲み分け
Oracle Databaseを無償で使用できる方法はいくつかあります。
Oracle Databaseを無償で使う方法いろいろ
では、以下について紹介しています。
a) OTNライセンスの下でOracle Databaseを使う
b) OPN契約の下で使用する
c) Oracle Database Express Editionを使用する
d) Live SQL
e) Oracle Cloudの無料トライアルでOracle Database Cloud Service(DBCS)を使う
f) Oracle CloudのAlways Free枠を使う
Oracle Database Express Editionは以下のようなケースで使用すべきと考えています。
ビジネス利用: 典型的には、社内システムでAPEXを使用したい場合など
バージョン依存性が少ない分野における、Oracleコア機能の学習
19c固有の動作を調べるなどに用途には不向きです。
Oracle Database XE非対応機能の学習には使用できません。
関連記事:Oracle Databaseを無償で使う方法いろいろ
2021/10/11追記
Windows版のOracle Database 21c XEがリリースされています。
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