• Oracle Database
• Zabbix
• データベース運用
• 2022.08.25
• 渡部 亮太

ZabbixのOracle監視方式 全5種類

Oracle ACE Proの渡部です。 Zabbixを用いたOracleデータベースの監視方法について説明します。 弊社では、多くのお客様にZabbixを用いたOracleデータベース監視を導入しています。

ZabbixによるOracle監視方式

以下の理由から、どの方式を用いてOracleが監視可能なのかがわかりにくいと感じています。

• Zabbixが様々な監視方式に対応している
• Zabbixが様々な監視方式の拡張方法を用意している
• Zabbixのバージョンによって、Oracle監視に標準で対応している／していないが異なる

以下に、Oracleの監視をするために使用できる主なZabbix監視方式をまとめます。

関連記事：Oracle Databaseを無償で使う方法いろいろ

上記以外にOrabbixがありますが、ここ数年メンテナンスされていないようなので、考慮外とします。

Orabbixについて少し調べてみた

UserParameter+カスタムスクリプト

UserParameter (ユーザーパラメータ)は、エージェントに監視用のコマンドを登録することで、監視処理を拡張する仕組みです。 登録した監視用のコマンドとして、Oracle監視処理を実装したカスタムスクリプトを使用すると、ZabbixでOracleデータベースの監視ができるようになります。

• カスタムスクリプトを エージェントのUserParameter に設定します。
• エージェントに EnableRemoteCommands=1 を設定する必要があります。
• https://www.zabbix.com/documentation/6.0/jp/manual/config/items/userparameters

関連記事：環境構築が不要なORACLE MASTERのSQL学習方法（Oracle Live SQL）

外部チェック(External checks)+カスタムスクリプト

外部チェック(External checks)は、Zabbixサーバ上で実行される監視用のコマンドを登録することで、監視処理を拡張する仕組みです。 登録した監視用のコマンドとして、Oracle監視処理を実装したカスタムスクリプトを使用すると、ZabbixでOracleデータベースの監視ができるようになります。

• scriptキー文字列に、コマンド名およびパラメータを指定します。
• Zabbixサーバ上のカスタムスクリプトが、DBサーバ上のOracleデータベースにリモート接続する形になります。
• https://www.zabbix.com/documentation/6.0/jp/manual/config/items/itemtypes/external

Zabbixトラッパー+カスタムスクリプト

外部（大抵の場合、監視対象のサーバ）上のコマンドから、Zabbixサーバに監視データを送りつけることで、監視処理を拡張する仕組みです。 コマンドとして、Oracle監視処理を実装したカスタムスクリプトを使用すると、ZabbixでOracleデータベースの監視ができるようになります。

• 多くの場合、zabbix_senderコマンドを使用してZabbixサーバに監視データを送信します。
• Itemタイプは"Zabbix trapper"です。
• https://www.zabbix.com/documentation/6.0/jp/manual/config/items/itemtypes/trapper

oracle_odbc (データベースモニター方式)

ZabbixサーバからODBC経由でOracleにリモート接続し、監視データを収集します。データベースモニター方式とも呼ばれます。 主要な監視項目が構成済みであるため、この範囲ではOracle監視処理を実装する必要はありません。

• 主要な監視項目が構成済みですが、指定したSQLに基づく監視項目の追加も可能です。
• itemタイプは"Database monitor"です。
• https://www.zabbix.com/documentation/6.0/jp/manual/config/items/itemtypes/odbc_checks
• https://git.zabbix.com/projects/ZBX/repos/zabbix/browse/templates/db/oracle_odbc?at=release%2F6.0
• https://blog.zabbix.com/agentless-oracle-database-monitoring-with-odbc/15589/

Oracle by Zabbix agent 2 (oracle_agent2)

Zabbix Agent 2のOralce監視用GO拡張を用いて、監視データを収集します。 主要な監視項目が構成済みであるため、この範囲ではOracle監視処理を実装する必要はありません。

• 主要な監視項目が構成済みですが、指定したSQLに基づく監視項目の追加も可能です。
• 私が調べた限り、バージョン5.0.5から使用可能なようです。
• https://www.zabbix.com/documentation/6.0/en/manual/appendix/config/zabbix_agent2_plugins/oracle_plugin
• https://git.zabbix.com/projects/ZBX/repos/zabbix/browse/templates/db/oracle_agent2
• https://git.zabbix.com/projects/ZBX/repos/zabbix/browse/src/go/plugins/oracle

Oracle by Zabbix agent 2の導入手順については、以下でまとめています。

Oracle by Zabbix agent 2 (oracle_agent2)の概要と導入方法

コーソルのZabbixを用いたOracle監視の実績

コーソルは、多くのお客様にZabbixを用いたOracleデータベース監視を導入しています。コーソルで対応させていただいたOracle監視案件では要件に応じて以下の方式を使用しています。

• Zabbixトラッパー+カスタムスクリプト
• 外部チェック(External checks)+カスタムスクリプト
• UserParameter+カスタムスクリプト

oracle_odbcおよびoracle_agent2の使用実績は基本的にありません（oracle_agent2の一部機能のみ限定使用はあります）。この理由は、Zabbixのバージョンが合わない、お客様要望および要件を満たすことが難しいためなどです。

私見になりますが、oracle_odbcおよびoracle_agent2は機能面で「痒い所に手が届かない…」気がします。

コーソルのデータベース運用関連製品とサービス

コーソルでは、データベース運用を製品とサービスでご支援します。

Database Performance Analyzer （DPA）

Database Performance Analyzer （DPA）は、オンプレミスとクラウド上の多くのデータベース製品に対応したデータベース性能管理製品です。低価格であるため、非常に導入しやすいです。

Zabbixの苦手なデータベース性能監視を補うことができます。

• https://cosol.jp/license/dpa/

Database Performance Analyzer （DPA）

リモートDBAサービス

リモートDBAサービスはDB・運用の専門家がお客様のデータベースに対して 必要な時に必要な対応を行うリモート接続型運用保守サービスです。

• https://cosol.jp/service/service008/

データベース運用・保守なら常駐しないリモートDBA

時間制コンサルティングサービス

時間制コンサルティングサービスは”必要な時に” ”必要な時間だけ”契約できる 時間契約型のコンサルティングサービスです。

• https://cosol.jp/service/service013/

データベース コンサルティングなら時間制コンサルティング