マテリアライズド ビュー- Oracle,MySQL,PostgreSQLの比較
Oracle ACE Proの渡部です。
主要なRDBMS製品を比較します。
- 大枠を整理することが最大の目的です。細かい例外事項は適宜記載を割愛しています。
- この記事の対象製品およびバージョンは以下のとおりですが、バージョン依存性は比較的少ないはずです。
- Oracle 19c (19.22以降)
- MySQL 8.0.37以降
- PostgreSQL 16以降
- 諸所の事情により、2023年以前の記事とは異なり、一旦SQL Serverを記載対象外としました。
- 時間ができた時に随時追記予定です。
- もし誤りを見つけた場合は、優しく教えていただけると嬉しいです。→ https://x.com/wrcsus4 or ryota.watabe at cosol dot jp
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- コーソルはデータベース関連製品の販売およびプロフェッショナルサービス提供を行っている営利企業です。
- https://cosol.jp にある全てのコンテンツは、情報提供に加えて、コーソルの認知度向上、コーソルの営利活動の促進を目的としています。
著者について
マテリアライズド ビュー
マテリアライズド ビューは、「実体化」("Materialized") されたデータを持つビューです。
いわゆる「通常の」ビューはデータを持ちませんが、マテリアライズド ビューはデータを持ちます。
よってデータを得るには、マテリアライズド ビューにアクセスできればよく、元表(マスタ表)にアクセスする必要がないため、大幅な性能向上を実現できる場合があります。
元表(マスタ表)のデータ件数が大きく、元表への問合せ負荷が大きい場合に有効です。
OracleとPostgreSQLはマテリアライズド ビュー機能を持っていますが、MySQLはマテリアライズド ビュー機能を持っていません。
また、マテリアライズド ビューを実環境で使用するために非常に有用な機能として、高速リフレッシュ、クエリ―リライトがありますが、
PostgreSQLはこれらに対応していません。
リフレッシュと高速リフレッシュ
マテリアライズド ビューでは、リフレッシュと呼ばれる管理操作が必要不可欠です。
リフレッシュとは、元表(マスタ表)に加えられた変更をマテリアライズド ビューに反映(同期、メンテナンス)するものです。
Oracleには、高速リフレッシュと呼ばれる差分同期(差分メンテナンス)の仕組みがあり、リフレッシュ処理を高速かつ低負荷で実行できます。
一般に、高速リフレッシュでない通常のリフレッシュは低速かつ高負荷になりがちです。
というのも、そもそも、通常のリフレッシュで実行される操作の実体は、いわゆる低速かつ高負荷のクエリであるためです。
視点を変えると、そのクエリの負荷を軽減したいので、マテリアライズド ビューを作成したわけですから。
よって、高速リフレッシュは、マテリアライズド ビューを実環境で使用するために非常に有用です。
クエリ リライト
クエリ リライトは、元表に対するクエリをマテリアライズド ビューに対するクエリに変換する機能です。
クエリの変換処理は透過的かつ自動的に実行されため、アプリケーション側のクエリ(SQL)を修正する必要がありません。
クエリ リライト機能があると、以下のような運用が可能になります。
- 元表(マスタ表)に対するクエリが遅いため、チューニングしたい
- マテリアライズド ビューを新規に作成する
- アプリケーション側のクエリ(SQL)を修正することなく、クエリのアクセス先をマテリアライズド ビューに変更でき、大幅な性能向上を実現できる
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