CData SyncによるOracle→CSVファイル 差分エクスポート
Oracle ACE Proの渡部です。
本記事では、CData Sync を用いて、Oracle DatabaseのデータをCSVファイルとしてニアリアルタイムで差分エクスポートする構成をセットアップする手順について、ご説明します。

なお、弊社コーソルはCData パートナーであり、CData Syncの販売および導入、運用やトライアルの支援が可能です。
CData Syncとは
CData Syncは、非常に多くのデータベース製品、SaaS、アプリケーション、APIに対応したデータ連携ツールです。
以下の特徴を持ちます。
- 同期元として400種以上の製品およびサービスに、同期先として30種程度のデータベース製品に対応
- データベースからのChange Data Captureと、異種データベース間のロジカルレプリケーションに対応した製品としては、とても低価格
- オンプレミス環境およびクラウド環境に対応
- WebベースのGUI管理コンソールを用いて、お客様自身でデータレプリケーションを簡単に構成可能
- 差分レプリケーション機能を持ち、サイズが非常に大きいデータでもデータレプリケーション可能。
- Oracle Database、Microsoft Snowflake、MySQL、MySQL、MariaDB、IBM Db2、IBM InformixからのChange Data Captureに対応
- エージェントレス構成であるため、既存システムへ最小限の影響で導入可能
- 方式がロジカルレプリケーションであるため、レプリケーション中にデータを変換したり特定のSQLを伝搬対象から除外したりすることが可能
- 組込みスケジュール機能によるレプリケーションの自動化が可能
対象ソフトウェアおよび環境
- CData Sync
- v25.1 (25.1.9242.0)
- クロスプラットフォーム版(Java版、オンプレミス / セルフホスティング)
- 稼働ホスト: Oracle Linux 8
- systemdサービスとしてCData Syncを起動・運用
- ソース データベース(同期元データベース)
- Oracle Database 19c Standard Edition 2 (19.22)
- データベース: 非CDB構成 / サービス名: n1922a
- 稼働ホスト: Oracle Linux 8
- CData Syncコネクタ: Oracle Connector 24.0.9210.0
- ターゲット(同期先)
- Local File Storage
- 出力ファイル形式: CSV
- 差分レプリケーション方式: 従来型CDC (Oracle LogMiner)
CData Syncのインストール
以下の記事でご紹介しているため、こちらをご覧ください(CData Syncのバージョンは違いますが、おおむね同等です)。
ソースOracle関連の作業
ソースOracleについて、以下の作業を実行する必要があります。
- CData SyncのOracle Connectorを導入
- 導入したOracle Connectorをcdatasyncサービスがロードするように設定
- ソースOracleの設定
- CData SyncでソースOracleへの接続を構成
- ソースOracleのユーザー/データの準備
上記作業の詳細については、以下の記事をご覧ください(CData Syncのバージョンは違いますが、おおむね同等です)。
ターゲットCSVファイル出力先ディレクトリの準備
CData Syncが稼働しているホストで、CSVファイルの出力先となるディレクトリを作成します。
上記作業の詳細については、以下の記事をご覧ください。
CData SyncでLocal File Storageターゲットへの接続を構成
CData Syncの管理コンソールで、Local File Storageターゲットへの接続「dst_lfs」を構成します。
上記作業の詳細については、以下の記事をご覧ください。
CData Syncでジョブ(レプリケーションジョブ)とタスクを作成
CData Syncの管理コンソールで、でジョブ(レプリケーションジョブ)とタスクを作成します。
- 「ジョブ」画面で、「ジョブを追加」→ 「新しいジョブを追加」をクリック

- 「名前」にジョブ名「ora2lfs_csv2」を入力し、データソースにソースOracleに対応する接続「src_ora」を選択


- 「変更データキャプチャ」を選択し、同期先にLocal File Storageターゲットに対応する接続「dst_lfs」を選択


- 「ジョブを追加」をクリック。ジョブが作成されました。

- 「タスク」をクリック

- 「タスクを追加」をクリック

- 検索欄に「t1」を入力してテーブルを絞り込み、表示された「[U1].[T1]」をターゲット表として選択し、「タスクを追加」をクリックします。


ジョブの初回実行
作成したジョブを実行します。
- ジョブ「ora2lfs_csv2」の画面で「実行」をクリックします。


Local File StorageターゲットのURIで指定したディレクトリ以下に、ソースOracleの全件データを含むCSVファイルが作成されます(レプリケーションされます)。
$ find /home/cdatasync/out -type f
/home/cdatasync/out/T1/20250602133726907_1.csv
$ cat /home/cdatasync/out/T1/20250602133726907_1.csv
N,S,_cdatasync_deleted
"1","AAA","false"
"2","BBB","false"
"3","CCC","false"
"4","DDD","false"
"5","EEE","false"
ソースOracleのデータを変更
ソースOracleのデータを変更します。
SQL> SELECT * FROM t1;
N S
---------- ----------------
1 AAA
2 BBB
3 CCC
4 DDD
5 EEE
SQL> INSERT INTO t1 VALUES( 6, 'FFF');
1 row created.
SQL> UPDATE t1 SET s = 'XXX' WHERE n = 2;
1 row updated.
SQL> DELETE t1 WHERE n = 3;
1 row deleted.
SQL> COMMIT;
Commit complete.
SQL> SELECT * FROM t1;
N S
---------- ----------------
1 AAA
2 XXX
4 DDD
5 EEE
6 FFF
SQL>
ジョブの2回目実行
ジョブを実行します(2回目)。ジョブの実行手順は初回実行と同じです。


Local File StorageターゲットのURIで指定したディレクトリ以下に、ソースOracleの差分データを含むCSVファイルが作成されます(レプリケーションされます)。
ジョブの種類に「変更データキャプチャ」を選択したため、差分のみがデータ連携(レプリケーション)されます。
$ find /home/cdatasync/out -type f
/home/cdatasync/out/T1/20250602133726907_1.csv
/home/cdatasync/out/T1/20250602133809918_1.csv
$ cat /home/cdatasync/out/T1/20250602133809918_1.csv
_cdatasync_deleted,N,S
"false","6","FFF"
"false","2","XXX"
"true","3","CCC"
$
差分CSVファイルの特徴とマージ処理
「変更データキャプチャ」で伝搬される差分CSVファイルの特徴について説明します。
ソースで実行された操作との対応関係は以下の通りです。
- a) ソースOracleでINSERTを実行 → INSERTされた行データが差分CSVファイルに含まれる
- b) ソースOracleでUPDATEを実行 → UPDATE後の行データが差分CSVファイルに含まれる
- c) ソースOracleでDELETEを実行 → _cdatasync_deleted=trueである行データが差分CSVファイルに含まれる
このため、最新の全件データを得たい場合は、全件CSVファイルと差分CSVファイルをマージする必要があります。
具体的には、以下の処理を実行する必要があります。
- 全件CSVファイルと差分CSVファイルをUNION(結合)する
- 同じキー値を持つ行が複数存在した場合、新しい行を残し、古い行を削除する
- _cdatasync_deleted=trueである行がある場合は、その行と同じキー値を持つ行を削除する
ジョブ実行の自動化
スケジュールを設定して、ジョブ実行を自動化することも可能です。
作業の詳細については、以下の記事をご覧ください。
なぜコーソルからCData Syncを購入すべきなのか
弊社コーソルはCData パートナーであり、CData Syncの製品販売を行います。加えて、コーソルが得意とするデータベース技術領域を含めたCData Syncの導入、技術支援、サポートを行います。

CData Syncを用いたデータ連携をご検討されている場合は、ぜひコーソルへご相談いただければとと思います。
- 製品販売 : CData Syncの販売
- 製品導入 : CData Syncの設計および導入
- 製品サポート: CData Syncの製品サポート
- 技術支援 : トライアル支援、運用支援
コーソルからCData Syncを購入いただくと
データベースのレプリケーションにおいては、データベース製品およびレプリケーション製品の両方の知識が必要です。このような知識を持つエンジニアの確保は一般に困難です。弊社のサービスがこの問題のお役に立てると考えております。
また、弊社からCData Syncを見積/購入いただくと、以下のサービスを無償でご提供いたします。
- お客様構成にあわせた簡易導入手順書の提供
- CData Sync 30日間トライアルライセンスを使用したトライアルの支援
- トライアル実施時に参考となるチェックリストの提供
- CData Sync導入後の運用支援(各種Q&A、Web会議、設定変更作業など)
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