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Oracle DB Tips

ORA-01031: 権限が不足しています。

01.ORA-01031エラーとはどのようなエラーか?

一般に、実行しようといる処理に対する権限がない場合に出力されます。
通常の使用形態では、OS認証でSYSDBA接続を試みて失敗した場合に発生することが多いため、本ドキュメントでもこの状況に限定して発生要因、対処などを記載します。

02.ORA-01031エラーの出力例

SQL*Plusで接続する場合:
SQL> connect /as sysdba
ERROR:
ORA-01031: 権限が不足しています。

03.ORA-01031の一般的な発生要因と対処

OS認証のSYSDBA接続(以下、単にSYSDBA接続と記載)で ORA-01031が発生する原因は、OS認証が適切に構成されていないことである可能性が高いです。

UNIX環境の場合

OS認証が適切に構成されているか、以下の2点を確認してください。

  • SQL*Plus を起動したOSユーザーが、Oracle Datatabaseのインストール時に指定したOSDBAグループに属していること
  • $ORACLE_HOME/network/admin/sqlnet.ora ファイルに「SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES=(NONE)」と記載されていないこと

 

Oracle Datatabaseのインストールする時、OSDBAグループとして扱うOSグループ名を指定します。(一般的に”dba”を使用)
SYSDBA接続を実行したいOSユーザーがOSDBAグループに所属していない場合、usermodコマンドなどを使用して、そのユーザーをOSDBAグループに追加します。

対応例:
-- 所属グループの確認 (SYSDBA接続させたいOSユーザーで実行)
$ id -a
uid=11211(test1) gid=11211(test1) 所属グループ=11211(test1)
-- 上記ユーザーをDBAグループへ追加 (rootユーザーで実行)
# usermod -G dba test1
-- 接続確認 (SYSDBA接続させたいOSユーザーで実行)
$ id -a
uid=11211(test1) gid=11211(test1) 所属グループ=1001(dba),11211(test1)
$ sqlplus /nolog
SQL*Plus: Release 11.2.0.3.0 Production on 金 1月 27 19:12:48 2012
Copyright (c) 1982, 2011, Oracle.  All rights reserved.
SQL> connect /as sysdba
接続されました。
SQL>

該当のOSユーザーがDBAグループに所属しているにも関わらずORA-01031が発生する場合は、SQLNET.ORAファイルに「SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES=(NONE)」と記載されていないか確認します。記載がある場合はOS認証が無効化されているため、削除するか先頭に#を追記してコメントアウトして、OS認証を有効にします。

Windows環境の場合

OS認証が適切に構成されているか、以下の2点を確認してください。

  • ログオンしているOSユーザーが、ORA_DBAグループ(またはORA_[ORACLE_SID]_DBAグループ)に所属しているかどうか
  • %ORACLE_HOME%¥network¥admin¥sqlnet.oraファイルに「SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES=(NTS)」と記載されているかどうか

 

Windows環境において、OS認証のSYSDBA接続でORA-01031が発生した場合、まずは、ログオンしているOSユーザーがORA_DBAグループ(またはORA_[ORACLE_SID]_DBAグループ) に所属していることを確認します。
該当のOSユーザーが含まれていない場合は、ORA_DBAグループ(またはORA_[ORACLE_SID]_DBAグループ)に追加します。

対応例:
  • [管理ツール]-[コンピュータの管理]-[ローカルユーザーとグループ]の[グループ]を選択します。
  • グループの一覧からORA_DBAグループ(またはORA_[ORACLE_SID]_DBAグループ)を選択し、該当のOSユーザーが含まれない場合は追加します。

 

Oracle Databaseをインストールした時に、自動的にORA_DBAグループが作成され、かつ、インストールを実行したOSユーザーはORA_DBAグループに追加されます。
何らかの理由でORA_DBAグループが存在ない場合は、新規に作成する必要があります。
OSユーザーがORA_DBAグループ(またはORA_[ORACLE_SID]_DBAグループ)に所属しているにも関わらずORA-01031が発生する場合は、SQLNET.ORAファイルに「SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES= (NTS)」の記載があるかを確認します。記載がない場合はOS認証が無効化されているため、追加してOS認証を有効にします。

SQLNET.ORA
SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES = (NTS)

%ORACLE_HOME%は、Oracle Database製品をインストールしたディレクトリを示します。
SQLNET.ORAファイルが存在しない場合は、新規に作成します。

04.ORA-01031に関するFAQ

rootユーザーにてOS認証でのSYSDBAでの接続時にORA-01031が発生する

rootユーザーは、一般ユーザーと異なり、OS認証でSYSDBA接続できません。

Windows RAC環境で配布先ノードにてOS認証でのSYSDBAでの接続時にORA-01031が発生する

インストールするOracle Database製品のバージョンによっては、配布形式インストールの際に、配布先のノードでORA_DBAグループに対してインストールユーザーが追加されない問題が報告されています。
手動で配布先ノードのORA_DBA グループに、インストールユーザーを追加し、sqlnet.oraにSQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES=(NTS)の記載があることを確認します。

Active Directory使用時にOS認証でのSYSDBAでの接続時にORA-01031が発生する

セキュリティグループ-グローバルとして作成したORA_DBAグループではOS認証を行うことができません。Active Directoryの管理画面においてORA_DBAグループを作成する際には、ドメインローカルのセキュリティグループにする必要があります。
ORA_DBAグループ作成時は「グループの範囲」にグローバルではなく、ドメインローカルを選択してください。

05.キーワード

ORA-01031 ORA-01031 SYSDBA OS認証 ORA_DBA OSDBA DBA NTS

この記事の監修者

監修者の写真

舛井 智行 (ますい ともゆき)

営業本部 企画&マーケティング部 次長

《資格》

Oracle Master Gold、Oracle RAC Expert、Linux Expert、LPIC Level1、Dbvisit Standby Certified Associate、基本情報技術者

《略歴》

2004年コーソル入社。2019年まで一貫してOracle Databaseの設計・構築・運用のサービス提供に従事。リモートDBAやリモート監視のサービス化、働き方改革プロジェクトで人事制度改革を手掛ける。2019年からライセンス販売強化のため企画&マーケティング部に異動。DbvisitやToad、DPAの取扱開始、販売促進活動を推し進め、ライセンス販売事業の売上拡大に注力中。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL
Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで
プロとしてのOracle入門
Oracle Database 10g Oracle Enterprise Manager 逆引きクイックリファレンス

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Databaseの技術力において日本有数の知見を有すると自負しています。Oracle Masterの最高峰資格である『Oracle Master Platinum』の取得者数も日本No.1です。Oracle Databaseのことはもちろん、それ以外のDBについてもリモートDBAサービスを始めとした様々なサービス、製品を駆使してお客様のお困りごとを解消いたします。お困りごとがあればコーソルまでご相談ください。

監修者の写真

峯岸 隆一 (みねぎし りゅういち)

インフラソリューション部 市ヶ谷クラウドサービスチーム シニアエキスパート

《資格》

Oracle Master Gold、ORACLE MASTER Platinum、Oracle RAC Expert、
Oracle Database Cloud Service Oracle Infrastructure as a Service Cloud 2017 Implementation Essentials、
Oracle Cloud Infrastructure 2018 Architect Associate、
Oracle Cloud Infrastructure 2019 Architect Professional、
AWS Certified Solutions Architect – Associate、OSS-DB Silver、
MySQL 5.6 Database Administrator、基本情報技術者、テクニカルエンジニア(データベース)

《略歴》

2006年コーソル入社。2021年までOracle Databaseを中心にMySQLやGoldenGateなど、多岐にわたる製品のサポート業務に従事。2021年から企画&マーケティング部に異動し、Nutanix NDBサービス化、Qlik Replicateサービス化、AWS、OCIなど様々な製品のサービス化、クラウド環境上の製品検証、ブログ執筆を手掛ける。2023年からOCI技術に磨きをかけるべくOCI基盤の設計・構築業務を遂行中 。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL  Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Database製品および周辺製品において特化した技術力を有している会社です。また、育成にも力を入れており、新卒などOracle Databaseの知識がないエンジニアでも数年でOracle Master Platinumを取得するほどのエンジニアに育て上げることに成功しています。クラウド分野(AWS、Oracle Cloud)にも積極的に進出しておりますので、Oracle Databaseに関するサービスをご要望であればプラットフォーム問わず対応できるコーソルにご連絡下さい。