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Oracle DB Tips

TABLE ACCESS FULL – Oracle SQL実行計画

Oracle SQLチューニングの基本は実行計画を理解することです。実行計画はツリー構造を持ち、様々な種類のオペレーションから構成されます。

この記事では、TABLE ACCESS FULLオペレーションについて説明します。

TABLE ACCESS FULLオペレーションとはどのようなオペレーションか?

テーブル全体を読み出すオペレーションです。
テーブルから読み出すデータが少量の場合、TABLE ACCESS FULLオペレーションを含む実行計画は、非効率な可能性があります。そのような場合はSQLチューニングの余地があります。

実行計画の例と処理イメージ図

select * from tab0 where col_noix = 'A'

--------------------------------------------------------------------------
| Id  | Operation         | Name | Rows  | Bytes | Cost (%CPU)| Time     |
--------------------------------------------------------------------------
|   0 | SELECT STATEMENT  |      |       |       |     9 (100)|          |
|*  1 |  TABLE ACCESS FULL| TAB0 |    16 | 32160 |     9   (0)| 00:00:01 |
--------------------------------------------------------------------------

   1 - filter("COL_NOIX"='A')
TABLE ACCESS FULL

TABLE ACCESS FULLオペレーションに関するFAQ

TABLE ACCESS FULLオペレーションを使う実行計画は望ましくないですか?

一般に、テーブルに格納されたデータの件数が多く、そのテーブルから読み出すデータが少量の場合は、TABLE ACCESS FULLオペレーションを使う実行計画は望ましくありません。

検索列を含む索引を作成し、INDEX RANGE SCANオペレーションなどの索引を用いたアクセスを行う実行計画になるように、SQLチューニングを行いましょう。

ただし、テーブルに格納されたデータの件数が少量の場合や、テーブルから読み出すデータが大量の場合は、TABLE ACCESS FULLオペレーションを使う実行計画が適切な場合があります。

TABLE ACCESS FULLオペレーションを使う実行計画に誘導するヒントは何ですか?

FULLヒントです。
以下にFULLヒントを指定したSELECT文の例を示します。

-- FROM句に表の別名を指定していない場合
SELECT  /*+ FULL tab1 */ FROM tab1 WHERE id > 1000;
-- FROM句に表の別名を指定している場合
SELECT  /*+ FULL t */ FROM tab1 t WHERE id > 1000;

TABLE ACCESS FULLオペレーションの実行時、ブロックは1ブロックずつよみだされますか?

いいえ。原則的に、マルチブロックリードと呼ばれる連接した複数ブロックのまとめ読み処理が実行されます。

マルチブロックリードを使うと、連接した複数ブロックをまとめ読みできるため、シングルブロックリードを使う場合に比べて、I/O回数を数分の一に減らすことができます。

参考情報

キーワード

テーブルフルスキャン テーブルスキャン 全件総なめ 全表スキャン 表フルスキャン

この記事の監修者

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舛井 智行 (ますい ともゆき)

営業本部 企画&マーケティング部 次長

《資格》

Oracle Master Gold、Oracle RAC Expert、Linux Expert、LPIC Level1、Dbvisit Standby Certified Associate、基本情報技術者

《略歴》

2004年コーソル入社。2019年まで一貫してOracle Databaseの設計・構築・運用のサービス提供に従事。リモートDBAやリモート監視のサービス化、働き方改革プロジェクトで人事制度改革を手掛ける。2019年からライセンス販売強化のため企画&マーケティング部に異動。DbvisitやToad、DPAの取扱開始、販売促進活動を推し進め、ライセンス販売事業の売上拡大に注力中。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL
Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで
プロとしてのOracle入門
Oracle Database 10g Oracle Enterprise Manager 逆引きクイックリファレンス

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Databaseの技術力において日本有数の知見を有すると自負しています。Oracle Masterの最高峰資格である『Oracle Master Platinum』の取得者数も日本No.1です。Oracle Databaseのことはもちろん、それ以外のDBについてもリモートDBAサービスを始めとした様々なサービス、製品を駆使してお客様のお困りごとを解消いたします。お困りごとがあればコーソルまでご相談ください。

監修者の写真

峯岸 隆一 (みねぎし りゅういち)

インフラソリューション部 市ヶ谷クラウドサービスチーム シニアエキスパート

《資格》

Oracle Master Gold、ORACLE MASTER Platinum、Oracle RAC Expert、
Oracle Database Cloud Service Oracle Infrastructure as a Service Cloud 2017 Implementation Essentials、
Oracle Cloud Infrastructure 2018 Architect Associate、
Oracle Cloud Infrastructure 2019 Architect Professional、
AWS Certified Solutions Architect – Associate、OSS-DB Silver、
MySQL 5.6 Database Administrator、基本情報技術者、テクニカルエンジニア(データベース)

《略歴》

2006年コーソル入社。2021年までOracle Databaseを中心にMySQLやGoldenGateなど、多岐にわたる製品のサポート業務に従事。2021年から企画&マーケティング部に異動し、Nutanix NDBサービス化、Qlik Replicateサービス化、AWS、OCIなど様々な製品のサービス化、クラウド環境上の製品検証、ブログ執筆を手掛ける。2023年からOCI技術に磨きをかけるべくOCI基盤の設計・構築業務を遂行中 。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL  Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Database製品および周辺製品において特化した技術力を有している会社です。また、育成にも力を入れており、新卒などOracle Databaseの知識がないエンジニアでも数年でOracle Master Platinumを取得するほどのエンジニアに育て上げることに成功しています。クラウド分野(AWS、Oracle Cloud)にも積極的に進出しておりますので、Oracle Databaseに関するサービスをご要望であればプラットフォーム問わず対応できるコーソルにご連絡下さい。