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INDEX FAST FULL SCAN – Oracle SQL実行計画

Oracle SQLチューニングの基本は実行計画を理解することです。実行計画はツリー構造で、様々なオペレーションから構成されます。

この記事では、INDEX FAST FULL SCANオペレーションについて説明します。

INDEX FAST FULL SCANオペレーションとはどのようなオペレーションか?

クエリで参照する列がすべて索引に含まれる場合、索引だけを読取る実行計画が選択されたとき、索引へのアクセスに使用されるオペレーションです。

クエリで参照する列がすべて索引に含まれる場合、すなわち、クエリで参照する列が、その索引の索引列すべて含まれる場合、必要なデータを索引だけから得ることができます。一般に、索引は表よりもサイズは大幅に小さいですから、索引にだけアクセスすることで性能を大幅に向上できます。

また、INDEX FAST FULL SCANオペレーションでは、表のフルスキャン(TABLE ACCESS FULL)と同様にマルチブロックリードでブロックを読み出しますので、この点からも性能の向上を見込めます。

実行計画の例と処理イメージ図

INDEX FAST FULL SCAN - Oracle SQL実行計画
SELECT c1 FROM tab0 WHERE c1 > 1000;

--------------------------------------------------------------------------------
| Id  | Operation            | Name    | Rows  | Bytes | Cost (%CPU)| Time     |
--------------------------------------------------------------------------------
|   0 | SELECT STATEMENT     |         |  9001 | 36004 |    10   (0)| 00:00:01 |
|*  1 |  INDEX FAST FULL SCAN| T0_IDX2 |  9001 | 36004 |    10   (0)| 00:00:01 |
--------------------------------------------------------------------------------

   1 - filter("C1">1000)

INDEX FAST FULL SCANオペレーションに関するFAQ

INDEX FAST FULL SCANオペレーションが使われる条件には何がありますか?

以下の条件を満たす必要があります。

  1. 問合せで参照している全ての列が、対象索引の索引列に含まれること
  2. 索引列の少なくとも一つの列にNOT NULL制約が設定されていること

条件の2.について補足します。

索引列の値がNULLである行は、索引には含まれません。索引列が複数列である場合を含めて、より正確に表現すると、索引列である、すべての列について、値がNULLである行は索引に含まれません。

索引に含まれない行があるということは、索引から行のデータを得られないということになりますから、INDEX FAST FULL SCANオペレーションを使う実行計画の目的である、「索引のみからデータを得る」ことができなくなります。

このため、条件の2.が満たされていない場合、すなわち、索引列のすべての列にNOT NULL制約が設定されていない場合、INDEX FAST FULL SCANオペレーションを使う実行計画は選択されません。

INDEX FAST FULL SCANオペレーションを使う実行計画は望ましくないですか?

一般に、INDEX FAST FULL SCANオペレーションを用いた全行データの読み出しは、表のフルスキャン(TABLE ACCESS FULLオペレーション)を用いた全行データの読出しよりも処理が高速です。よって、INDEX FAST FULL SCANオペレーションを使う実行計画は通常、最適です。

INDEX FAST FULL SCANオペレーションを使う実行計画に誘導するヒントは何ですか?

INDEX_FFSヒントです。以下にINDEX_FFSヒントを指定したSELECT文の例を示します。

-- 特定の索引を使用したINDEX FAST FULL SCANを指示する場合
SELECT /*+ INDEX_FFS(<TABLE_NAME> <INDEX_NAME>) */ FROM ...
-- 索引を使用したINDEX FAST FULL SCANを指示し、どの索引を使用するかは指示しない場合
SELECT /*+ INDEX_FFS(<TABLE_NAME>) */ FROM ...
INDEX_FFSヒントを指定してもINDEX FAST FULL SCANオペレーションが使用されません

先に説明した、INDEX FAST FULL SCANオペレーションが使われる条件を満たしていない場合があります。特に索引列へのNOT NULL制約については気づきにくいため注意が必要です。

以下の例では、索引列のNOT NULL制約を外しています。INDEX FAST FULL SCANオペレーションではなく、TABLE ACCESS FULLオペレーションが使用されていることが分かります。

SQL> ALTER TABLE tab0 MODIFY c1 NULL;

  : 

SQL> SELECT * FROM TABLE(DBMS_XPLAN.DISPLAY);

--------------------------------------------------------------------------
| Id  | Operation         | Name | Rows  | Bytes | Cost (%CPU)| Time     |
--------------------------------------------------------------------------
|   0 | SELECT STATEMENT  |      | 10000 | 40000 |   907   (1)| 00:00:01 |
|   1 |  TABLE ACCESS FULL| TAB0 | 10000 | 40000 |   907   (1)| 00:00:01 |
--------------------------------------------------------------------------
INDEX FAST FULL SCANオペレーションの実行時、ブロックは1ブロックずつよみだされますか?

いいえ。索引のブロックは複数ブロックまとめて読みだされます(マルチブロックリード)。これにより、大量のブロックの読み出し処理の高速化を図っています。

参考情報

キーワード

索引アクセス INDEX UNIQUE SCAN INDEX FAST FULL SCAN 索引レンジ・スキャン

この記事の監修者

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舛井 智行 (ますい ともゆき)

営業本部 企画&マーケティング部 次長

《資格》

Oracle Master Gold、Oracle RAC Expert、Linux Expert、LPIC Level1、Dbvisit Standby Certified Associate、基本情報技術者

《略歴》

2004年コーソル入社。2019年まで一貫してOracle Databaseの設計・構築・運用のサービス提供に従事。リモートDBAやリモート監視のサービス化、働き方改革プロジェクトで人事制度改革を手掛ける。2019年からライセンス販売強化のため企画&マーケティング部に異動。DbvisitやToad、DPAの取扱開始、販売促進活動を推し進め、ライセンス販売事業の売上拡大に注力中。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL
Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで
プロとしてのOracle入門
Oracle Database 10g Oracle Enterprise Manager 逆引きクイックリファレンス

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Databaseの技術力において日本有数の知見を有すると自負しています。Oracle Masterの最高峰資格である『Oracle Master Platinum』の取得者数も日本No.1です。Oracle Databaseのことはもちろん、それ以外のDBについてもリモートDBAサービスを始めとした様々なサービス、製品を駆使してお客様のお困りごとを解消いたします。お困りごとがあればコーソルまでご相談ください。

監修者の写真

峯岸 隆一 (みねぎし りゅういち)

インフラソリューション部 市ヶ谷クラウドサービスチーム シニアエキスパート

《資格》

Oracle Master Gold、ORACLE MASTER Platinum、Oracle RAC Expert、
Oracle Database Cloud Service Oracle Infrastructure as a Service Cloud 2017 Implementation Essentials、
Oracle Cloud Infrastructure 2018 Architect Associate、
Oracle Cloud Infrastructure 2019 Architect Professional、
AWS Certified Solutions Architect – Associate、OSS-DB Silver、
MySQL 5.6 Database Administrator、基本情報技術者、テクニカルエンジニア(データベース)

《略歴》

2006年コーソル入社。2021年までOracle Databaseを中心にMySQLやGoldenGateなど、多岐にわたる製品のサポート業務に従事。2021年から企画&マーケティング部に異動し、Nutanix NDBサービス化、Qlik Replicateサービス化、AWS、OCIなど様々な製品のサービス化、クラウド環境上の製品検証、ブログ執筆を手掛ける。2023年からOCI技術に磨きをかけるべくOCI基盤の設計・構築業務を遂行中 。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL  Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Database製品および周辺製品において特化した技術力を有している会社です。また、育成にも力を入れており、新卒などOracle Databaseの知識がないエンジニアでも数年でOracle Master Platinumを取得するほどのエンジニアに育て上げることに成功しています。クラウド分野(AWS、Oracle Cloud)にも積極的に進出しておりますので、Oracle Databaseに関するサービスをご要望であればプラットフォーム問わず対応できるコーソルにご連絡下さい。