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Oracle DB Tips

ORA-30036: UNDO表領域内でセグメントを拡張できません

01.ORA-30036エラーとはどのようなエラーか?

Oracle Database は読み取り一貫性を実現するために、更新前のデータをUNDO表領域内に存在するUNDOセグメントに保管しています。
大量にデータを更新したなどの理由で、UNDOセグメントに格納すべきデータ量が増え、UNDOセグメントの拡張が必要となった状況で拡張に失敗した場合、ORA-30036エラーが発生します。

02.ORA-30036エラーのエラー出力例

ERROR at line 1:
ORA-30036: unable to extend segment by 8 in undo tablespace 'UNDOTBS1'

03.ORA-30036の一般的な発生要因と対処

ORA-30036は一般に以下の要因で発生します。

  • UNDO表領域のサイズが小さい
  • UNDO保存の保証が有効になっている
  • そのほかの原因

 

UNDO表領域のサイズが小さい

UNDO表領域の自動拡張がOFFであり、かつ、UNDO表領域のサイズが小さい場合は、大量の更新処理が同時に発生すると、ORA-30036が発生する可能性があります。これは、実行中のトランザクションが生成したUNDOデータを保管するために必要なUNDOセグメントのサイズが確保できないためです。
この場合は、UNDO表領域のサイズ拡張や、自動拡張設定の有効化(ON)を検討してください。

UNDO保存の保証が有効になっている

UNDO表領域の自動拡張がOFFであり、かつ、UNDO保存の保証(RETENTION GUARANTEE)が有効になっている場合は、ORA-30036が発生する可能性があります。
UNDO保存の保証を有効にすると、終了したトランザクションが生成したUNDOデータを、UNDO_RETENTION パラメータで指定された期間保持しようとします。このため、実行中のトランザクションが生成したUNDOデータを格納するために、UNDOセグメントの拡張が必要となった場合にサイズの確保に失敗する場合があります。
この場合は、以下の対処を検討してください。

  • UNDO表領域のサイズを拡張する
  • UNDO表領域の自動拡張設定を有効化(ON)する
  • UNDO保存の保証(RETENTION GUARANTEE)を無効化する
  • UNDO_RETENTION パラメータをより小さい値に設定する

 

そのほかの原因

上記に該当しない状況で、ORA-30036 のエラーが発生してしまうケースには、Oracle Database のサポート窓口へ問い合わせることを検討してください。

04.ORA-30036に関するFAQ

アラートログにORA-30036は出力されますか?

一つのトランザクションを実行していてUNDOセグメントの拡張に失敗し、再度拡張を行おうとした段階でアラートログに出力されますので、必ず出力されるというものではありません。

手動UNDO管理でもORA-30036は発生しますか?

手動UNDO管理(UNDO_MANAGEMENT=FALSE)では、ORA-30036ではなくORA-01650が発生します。ただし、発生までのメカニズムは異なるので注意してください。

05.キーワード

ORA-30036 ORA-01650 ORA-1650 ORA-01562 ORA-1562 UNDO ROLLBACK

この記事の監修者

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舛井 智行 (ますい ともゆき)

営業本部 企画&マーケティング部 次長

《資格》

Oracle Master Gold、Oracle RAC Expert、Linux Expert、LPIC Level1、Dbvisit Standby Certified Associate、基本情報技術者

《略歴》

2004年コーソル入社。2019年まで一貫してOracle Databaseの設計・構築・運用のサービス提供に従事。リモートDBAやリモート監視のサービス化、働き方改革プロジェクトで人事制度改革を手掛ける。2019年からライセンス販売強化のため企画&マーケティング部に異動。DbvisitやToad、DPAの取扱開始、販売促進活動を推し進め、ライセンス販売事業の売上拡大に注力中。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL
Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで
プロとしてのOracle入門
Oracle Database 10g Oracle Enterprise Manager 逆引きクイックリファレンス

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Databaseの技術力において日本有数の知見を有すると自負しています。Oracle Masterの最高峰資格である『Oracle Master Platinum』の取得者数も日本No.1です。Oracle Databaseのことはもちろん、それ以外のDBについてもリモートDBAサービスを始めとした様々なサービス、製品を駆使してお客様のお困りごとを解消いたします。お困りごとがあればコーソルまでご相談ください。

監修者の写真

峯岸 隆一 (みねぎし りゅういち)

インフラソリューション部 市ヶ谷クラウドサービスチーム シニアエキスパート

《資格》

Oracle Master Gold、ORACLE MASTER Platinum、Oracle RAC Expert、
Oracle Database Cloud Service Oracle Infrastructure as a Service Cloud 2017 Implementation Essentials、
Oracle Cloud Infrastructure 2018 Architect Associate、
Oracle Cloud Infrastructure 2019 Architect Professional、
AWS Certified Solutions Architect – Associate、OSS-DB Silver、
MySQL 5.6 Database Administrator、基本情報技術者、テクニカルエンジニア(データベース)

《略歴》

2006年コーソル入社。2021年までOracle Databaseを中心にMySQLやGoldenGateなど、多岐にわたる製品のサポート業務に従事。2021年から企画&マーケティング部に異動し、Nutanix NDBサービス化、Qlik Replicateサービス化、AWS、OCIなど様々な製品のサービス化、クラウド環境上の製品検証、ブログ執筆を手掛ける。2023年からOCI技術に磨きをかけるべくOCI基盤の設計・構築業務を遂行中 。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL  Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Database製品および周辺製品において特化した技術力を有している会社です。また、育成にも力を入れており、新卒などOracle Databaseの知識がないエンジニアでも数年でOracle Master Platinumを取得するほどのエンジニアに育て上げることに成功しています。クラウド分野(AWS、Oracle Cloud)にも積極的に進出しておりますので、Oracle Databaseに関するサービスをご要望であればプラットフォーム問わず対応できるコーソルにご連絡下さい。