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Oracle DB Tips

ORA-03136: インバウンド接続がタイムアウトになりました。

01.ORA-03136エラーとはどのようなエラーか?

専用サーバー接続構成で新規接続を試みた状況で、SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUTの時間内にユーザー認証が完了せず、サーバープロセスにより新規接続がタイムアウトされた場合にORA-03136エラーが発生します。

ORA-03136エラーのエラー出力例(Oracle Database 10.2以前)

アラートログに、以下のようなエラーが出力されます。

Fri Mar 03 03:03:03 2012
WARNING: inbound connection timed out (ORA-3136)
ORA-03136エラーのエラー出力例(Oracle Database 11.1 以降)

アラートログに、以下のようなエラーが出力されます。Oracle Database 11.1 以降では、Oracle Database 10.2以前ではsqlnet.logに出力されていた情報も、アラートログに出力されます。

Fri Mar 16 17:09:59 2012
***********************************************************************
Fatal NI connect error 12170.
VERSION INFORMATION:
TNS for Linux: Version 11.2.0.1.0 - Production
Oracle Bequeath NT Protocol Adapter for Linux: Version 11.2.0.1.0 - Production
TCP/IP NT Protocol Adapter for Linux: Version 11.2.0.1.0 - Production
Time: 16-3月 -2012 17:09:59
Tracing not turned on.
Tns error struct:
ns main err code: 12535
TNS-12535: TNS: 操作はタイム・アウトしました。
ns secondary err code: 12606
nt main err code: 0
nt secondary err code: 0
nt OS err code: 0
Client address: (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=192.168.15.40)(PORT=11162))
WARNING: inbound connection timed out (ORA-3136)

02.ORA-03136の一般的な発生要因と対処

ORA-03136は一般に以下の要因で発生します。

  • 悪意のあるクライアントからデータベースへの接続要求を受け取た場合
  • 認証処理の過程で主にクライアント側の処理に時間がかかった場合
  • データベース・サーバーの負荷が高い場合
  • クライアントとデータベース・サーバー間のネットワーク通信上の問題があった場合
  • パスワードの入力ミス等で認証処理が失敗した状態で、セッションが切断されない状態が続いた場合

 

悪意のあるクライアントからデータベースへの接続要求を受け取た場合

アラートログファイル、サーバーの sqlnet.log ファイル又はディスパッチャのトレースファイルを使用してどのクライアント・アドレスから接続が実施されたか確認できます。

認証処理の過程で主にクライアント側の処理に時間がかかった場合

クライアントの負荷状況を確認し、クライアントの負荷を低減させることを検討します。また、SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT をデフォルトの60秒より大きな値を設定します。

データベース・サーバーの負荷が高い場合

サーバーの負荷状況を確認し、サーバーの負荷を低減させることを検討します。また、SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT をデフォルトの60秒より大きな値を設定します。

クライアントとデータベース・サーバー間のネットワーク通信上の問題があった場合

クライアントとデータベース・サーバー間のネットワーク通信上の問題を解決します。

パスワードの入力ミス等で認証処理が失敗した状態で、セッションが切断されない状態が続いた場合

正しいパスワードの入力を行なうか、セッションを切断します。

03.ORA-03136に関するFAQ

SQLNET.INBOUND_CONNET_TIMEOUT の設定値はどのようにすればいいですか?

Oracle Database 10.1 までは SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT のデフォルト値は 0 (無限)でしたが、Oracle Database 10.2 より 60 (単位 秒)に変更されました。
クライアントからの接続において認証処理がこの値以内に完了しない場合、その接続は終了します。
ORA-03136の発生を抑止するためにSQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUTを変更する場合は、設定値を0 (無限)に設定する、あるいは例えば 120 等、現在より大きい値に設定する方法が考えられます。
しかし、認証処理に60秒以上の時間を要する状況は正常な状態とは考えにくいため、Oracle Databaseサポート窓口への問合せも検討してください。

共有サーバ接続でインバウンド接続がタイムアウトした場合はどのようになりますか?

共有サーバー接続の場合にSQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT によるタイムアウトが発生した場合は、ディスパッチャのトレースにTNS-12535 TNS-12606 が出力されます。

どのクライアントからの接続で発生したかを確認するにはどうしたらいいですか?

専用サーバ接続の場合、アラートログまたはサーバ側のSQLNET.LOGを確認し、エラーの発生したクライアントのアドレスを確認します。

Fri Mar 16 17:09:59 2012
***********************************************************************
Fatal NI connect error 12170.
VERSION INFORMATION:
TNS for Linux: Version 11.2.0.1.0 - Production
Oracle Bequeath NT Protocol Adapter for Linux: Version 11.2.0.1.0 - Production
TCP/IP NT Protocol Adapter for Linux: Version 11.2.0.1.0 - Production
Time: 16-3月 -2012 17:09:59
Tracing not turned on.
Tns error struct:
ns main err code: 12535
TNS-12535: TNS: 操作はタイム・アウトしました。
ns secondary err code: 12606
nt main err code: 0
nt secondary err code: 0
nt OS err code: 0
Client address: (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=192.168.15.40)(PORT=11162))←★
WARNING: inbound connection timed out (ORA-3136)

共有サーバ接続の場合、ディスパッチャプロセスのトレースファイルを確認し、エラーの発生したクライアントのアドレスを確認します。

*** 2012-03-03 03:03:03.000
NS Primary Error: TNS-12535: TNS: 操作はタイム・アウトしました。
NS Secondary Error: TNS-12606: TNS: アプリケーション・タイムアウトが発生しました。
kmduicxd: 0C760020, kmduiflg: 9, circuit: 2C9A7CFC
(circuit) dispatcher process id = (2F07E394, 1), holder = 2C9A7304
parent holder = (2C9A7304)
serial # = 2
connection context = 0C760020
user session = (00000000), flag = (10130), queue = (4)
buffers - status = (0, 0)
Client Address = (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=192.168.15.40)(PORT=11162))←★

04.キーワード

ORA-3136 ORA-03136 ORA-3135 ORA-03135 ORA-3113 ORA-3106 TNS-12535 インバウンド タイムアウト inbound connection timed out INBOUND_CONNECT_TIMEOUT

この記事の監修者

監修者の写真

舛井 智行 (ますい ともゆき)

営業本部 企画&マーケティング部 次長

《資格》

Oracle Master Gold、Oracle RAC Expert、Linux Expert、LPIC Level1、Dbvisit Standby Certified Associate、基本情報技術者

《略歴》

2004年コーソル入社。2019年まで一貫してOracle Databaseの設計・構築・運用のサービス提供に従事。リモートDBAやリモート監視のサービス化、働き方改革プロジェクトで人事制度改革を手掛ける。2019年からライセンス販売強化のため企画&マーケティング部に異動。DbvisitやToad、DPAの取扱開始、販売促進活動を推し進め、ライセンス販売事業の売上拡大に注力中。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL
Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで
プロとしてのOracle入門
Oracle Database 10g Oracle Enterprise Manager 逆引きクイックリファレンス

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Databaseの技術力において日本有数の知見を有すると自負しています。Oracle Masterの最高峰資格である『Oracle Master Platinum』の取得者数も日本No.1です。Oracle Databaseのことはもちろん、それ以外のDBについてもリモートDBAサービスを始めとした様々なサービス、製品を駆使してお客様のお困りごとを解消いたします。お困りごとがあればコーソルまでご相談ください。

監修者の写真

峯岸 隆一 (みねぎし りゅういち)

インフラソリューション部 市ヶ谷クラウドサービスチーム シニアエキスパート

《資格》

Oracle Master Gold、ORACLE MASTER Platinum、Oracle RAC Expert、
Oracle Database Cloud Service Oracle Infrastructure as a Service Cloud 2017 Implementation Essentials、
Oracle Cloud Infrastructure 2018 Architect Associate、
Oracle Cloud Infrastructure 2019 Architect Professional、
AWS Certified Solutions Architect – Associate、OSS-DB Silver、
MySQL 5.6 Database Administrator、基本情報技術者、テクニカルエンジニア(データベース)

《略歴》

2006年コーソル入社。2021年までOracle Databaseを中心にMySQLやGoldenGateなど、多岐にわたる製品のサポート業務に従事。2021年から企画&マーケティング部に異動し、Nutanix NDBサービス化、Qlik Replicateサービス化、AWS、OCIなど様々な製品のサービス化、クラウド環境上の製品検証、ブログ執筆を手掛ける。2023年からOCI技術に磨きをかけるべくOCI基盤の設計・構築業務を遂行中 。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL  Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Database製品および周辺製品において特化した技術力を有している会社です。また、育成にも力を入れており、新卒などOracle Databaseの知識がないエンジニアでも数年でOracle Master Platinumを取得するほどのエンジニアに育て上げることに成功しています。クラウド分野(AWS、Oracle Cloud)にも積極的に進出しておりますので、Oracle Databaseに関するサービスをご要望であればプラットフォーム問わず対応できるコーソルにご連絡下さい。