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INDEX RANGE SCAN – Oracle SQL実行計画

Oracle SQLチューニングの基本は実行計画を理解することです。実行計画はツリー構造で、様々なオペレーションから構成されます。

この記事では、INDEX RANGE SCANオペレーションについて説明します。

INDEX RANGE SCANオペレーションとはどのようなオペレーションか?

索引列の値を検索条件に指定したSQLで、索引にアクセスしたことを示すオペレーションです。索引にアクセスした結果、WHERE句の検索条件にマッチするデータが複数件返される可能性がある場合に使用されます。

オペレーション名から誤解されがちですが、SQLのWHERE句に BETWEEN … AND … を指定するような範囲条件を使用する必要はありません。
INDEX RANGE SCANオペレーションの”RANGE”とは、索引スキャンの結果得られる索引エントリが複数になる可能性があることを示します。よって、SQLのWHERE句に範囲条件以外の等価条件などを指定した場合でも、検索条件にマッチするデータが複数件返される可能性があれば、INDEX RANGE SCANオペレーションが使用されることがあります。

実行計画の例と処理イメージ図

INDEX RANGE SCAN - Oracle SQL実行計画
  • Id=2 INDEX RANGE SCAN : 索引を範囲検索して、検索条件に合致した行のROW IDのリストを得ます。
  • Id=1 TABLE ACCESS BY INDEX ROWID : 索引スキャンの結果得た行のROW IDを元に、行が格納されているブロックにアクセスして、行データを得ます。

INDEX RANGE SCANオペレーションに関するFAQ

INDEX RANGE SCANオペレーションを使う実行計画は望ましくないですか?

一般に、テーブルに格納されたデータの件数が多く、そのテーブルから読み出すデータが大量の場合は、INDEX RANGE SCANオペレーションを使う実行計画は望ましくありません。

TABLE FULL ACCESSオペレーションなどの索引を用いないアクセスを行う実行計画になるように、SQLチューニングを行うと、性能が改善される可能があります。ただし、そもそも、テーブルから読み出すデータが大量である点が問題な場合は、TABLE FULL ACCESSオペレーションでも希望する所要時間までSQLチューニングできない場合もあります。

この場合は、単なる実行計画の変更ではなく、マテリアライズドビューを利用したり、あらかじめ検索結果を別途計算しておくなどの、テーブル設計/オブジェクト設計レベルの対処が必要となるケースもあります。

INDEX RANGE SCANオペレーションを使う実行計画に誘導するヒントは何ですか?

INDEXヒントです。以下にINDEXヒントを指定したSELECT文の例を示します。

-- 特定の索引の使用を指示する場合
SELECT /*+ index(<TABLE_NAME> <INDEX_NAME>) */ FROM ...
-- 指定された複数の索引から最適なコストの索引を使用するよう指示する場合
SELECT /*+ index(<TABLE_NAME> <INDEX_NAME1> <INDEX_NAME2> ... ) */ FROM ...
-- 索引の使用を指示し、どの索引を使用するかは指示しない場合
SELECT /*+ index(<TABLE_NAME>) */ FROM ...

INDEX RANGE SCANオペレーションの実行時、ブロックは1ブロックずつよみだされますか?

はい。索引のブロックは1ブロックずつよみだされます。ただし、対象となる索引のブロックがすでにメモリにキャッシュされている場合は、物理I/Oは発生しません。

検索条件にマッチするデータが常に1件の場合、どのオペレーションが使用されますか?

主キー制約または一意制約を設定した列の値を等価条件に指定したSQLの場合が該当します。この場合、INDEX UNIQUE SCANオペレーションが使用されます。

参考情報

キーワード

索引アクセス INDEX UNIQUE SCAN INDEX RANGE SCAN 索引レンジ・スキャン

この記事の監修者

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舛井 智行 (ますい ともゆき)

営業本部 企画&マーケティング部 次長

《資格》

Oracle Master Gold、Oracle RAC Expert、Linux Expert、LPIC Level1、Dbvisit Standby Certified Associate、基本情報技術者

《略歴》

2004年コーソル入社。2019年まで一貫してOracle Databaseの設計・構築・運用のサービス提供に従事。リモートDBAやリモート監視のサービス化、働き方改革プロジェクトで人事制度改革を手掛ける。2019年からライセンス販売強化のため企画&マーケティング部に異動。DbvisitやToad、DPAの取扱開始、販売促進活動を推し進め、ライセンス販売事業の売上拡大に注力中。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL
Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで
プロとしてのOracle入門
Oracle Database 10g Oracle Enterprise Manager 逆引きクイックリファレンス

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Databaseの技術力において日本有数の知見を有すると自負しています。Oracle Masterの最高峰資格である『Oracle Master Platinum』の取得者数も日本No.1です。Oracle Databaseのことはもちろん、それ以外のDBについてもリモートDBAサービスを始めとした様々なサービス、製品を駆使してお客様のお困りごとを解消いたします。お困りごとがあればコーソルまでご相談ください。

監修者の写真

峯岸 隆一 (みねぎし りゅういち)

インフラソリューション部 市ヶ谷クラウドサービスチーム シニアエキスパート

《資格》

Oracle Master Gold、ORACLE MASTER Platinum、Oracle RAC Expert、
Oracle Database Cloud Service Oracle Infrastructure as a Service Cloud 2017 Implementation Essentials、
Oracle Cloud Infrastructure 2018 Architect Associate、
Oracle Cloud Infrastructure 2019 Architect Professional、
AWS Certified Solutions Architect – Associate、OSS-DB Silver、
MySQL 5.6 Database Administrator、基本情報技術者、テクニカルエンジニア(データベース)

《略歴》

2006年コーソル入社。2021年までOracle Databaseを中心にMySQLやGoldenGateなど、多岐にわたる製品のサポート業務に従事。2021年から企画&マーケティング部に異動し、Nutanix NDBサービス化、Qlik Replicateサービス化、AWS、OCIなど様々な製品のサービス化、クラウド環境上の製品検証、ブログ執筆を手掛ける。2023年からOCI技術に磨きをかけるべくOCI基盤の設計・構築業務を遂行中 。

《主な著書》

オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationⅡ
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL  Oracleの基本 ~データベース入門から設計/運用の初歩まで

《担当者様からの一言》

コーソルはOracle Database製品および周辺製品において特化した技術力を有している会社です。また、育成にも力を入れており、新卒などOracle Databaseの知識がないエンジニアでも数年でOracle Master Platinumを取得するほどのエンジニアに育て上げることに成功しています。クラウド分野(AWS、Oracle Cloud)にも積極的に進出しておりますので、Oracle Databaseに関するサービスをご要望であればプラットフォーム問わず対応できるコーソルにご連絡下さい。