Oracle Databaseを無償で使う方法いろいろ
渡部です。ふと思うところあって、Oracle Databaseを無償で使う方法をまとめてみました。
無償でOracle Databaseを使う方法いろいろ
[注意事項]
- 網羅的に書くことを優先しているため、いわゆる通常のオンプレミスソフトウェアの使用形態とは異なる使用方法も含まれます。
- 同様に、網羅的に書くことを優先しているため、パートナー契約など全ての人にあてはまらない状況も含みます。
- ライセンスについては、解釈が難しいこともあり「OKとNGの境界」を明確に書くことができません。ご容赦ください。
a) OTNライセンスの下でOracle Databaseを使う
個人の学習ではOTNライセンスの下でOracle Databaseを無償でつかえます。ただしビジネス用途での使用はNGです。通常のライセンスと全く同じソフトウェアを使用できます。
関連記事:Oracle Database 12c R1(12.1.0.2)の無償Extended Support期間が終了
a-1) OTNサイトからOracle Databaseソフトウェアをダウンロード+インストールして使う
OTNライセンスの下でOracle Databaseを使うやり方で最も一般的なものは、OTNサイトからOracle Databaseソフトウェアをダウンロードし、手元の環境にインストールして使うやり方でしょう。当然ながら、インストールを含めた、全てのタスクを実行できます。
a-2) OTNサイトで公開されているOracle Databaseインストール済みのVirualBoxイメージでOracle Databaseを使う
Oracle Databaseのインストールが面倒な場合は、OTNサイトで公開されているOracle Databaseインストール済みのVirualBoxイメージをダウンロードして、手元のVirtualBox環境にインポートしてでOracle Databaseを使うやり方もあります。
VirualBoxの仮想ネットワークの設定が別途必要なケースがあったことから、個人的にはあまり好きなやり方ではありません。
OTNライセンスの解釈について
オラクルはお客様に、本契約に明示する制限に従って、お客様のアプリケーションの開発、テスト、プロトタイプ作成、及びデモンストレーションのみを目的として(かつ、お客様のアプリケーションが、データ処理、業務、商用又は本番利用を目的として使用されたことがない場合に限られます)、その他のいかなる目的でもなく、本プログラムを内部的に使用するための、非独占的、譲渡不能の限定的なライセンスを許諾します。
- なかなか読み解くのが難しいのですが、OTNライセンスでは自社向け開発目的でのOracle Database利用はOKとされています。
- Oracle Technology Network License Agreementにわかりやすく明記されていないがですが、個人の学習での利用はOKなようです。
- いわゆるビジネス利用での使用はできません。
b) OPN契約の下で使用する
弊社を含めたオラクルパートナーではこの使用形態が一般的かもしれません。OPN(Oracle Partner Network)に加入しているオラクルパートナー企業は、OPN特典としてデモンストレーションライセンス、デベロップメントライセンスが得られます。
c) Oracle Database Express Editionを使用する
Oracle Database Express Editionは商用を含め無償利用可能です。真の意味で、何も考えずに「タダで使えるOracle Database」です。
ただし、機能面と性能面で制限がかけられています。
- Oracle Database Express Edition 21c, Oracle Database Express Edition 18c, Oracle Database Express Edition 11g Release 2があります。
- Oracle Database Enterprise Editionと同じではありません。機能面と性能面で制限がかけられています。
- Oracle Database Express Edition 18c から、機能面の制約が大幅に緩和されました。
- パッチの提供はされません。また、テクニカルサポートは受けられません。
- https://www.oracle.com/jp/database/technologies/appdev/xe.html
Linux用Oracle Database 21c Express Editionがリリースされました
d) Live SQL
SQLを実行したいだけなら、Live SQLが簡単です。Live SQLはOracle DatabaseのSQLを実行できるWebベースのクラウドサービスです。
環境構築が不要なORACLE MASTERのSQL学習方法(Oracle Live SQL)
e) Oracle Cloudの無料トライアルでOracle Database Cloud Service(DBCS)を使う
すこし変化球気味ですが、Oracle Cloudの無料トライアルを申込み、その限度額の中でOracle Database Cloud Service(DBCS)を使うという手もあります。以下に注意が必要です。
- デプロイ可能なOracle Databaseのバージョンには制約があります。
関連記事:Oracle Database 23aiがクラウド限定でリリース。Free版も
f) Oracle CloudのAlways Free枠を使う
本記事執筆後の2019年9月から、新しいOracle Cloudの常時無償サービスとしてOracle Cloud Free Tier が発表されました。
以下の点に注意が必要ですが、特に制約なく、様々な用途に「完全に無償」で使用できます。
- Oracle Cloudとして提供されるデータベースサービスを使用できます。オンプレミスとは異なります。
- データセンターに空きがないと(おそらくAlways Free用の枠があるのでしょう)使用できません。Out of Host Capacityというエラーが発生して拒否される。
- テクニカルサポートは含まれません。
FAQも用意されています。
まとめ
若干議論が乱暴ですが、まとめとして、要望に応じた使い方を以下のように整理しました。
- 個人学習目的で、通常ライセンスのOracle Databaseと同一のOracle Databaseの動作を確認したい → a) OTN ( or b) OPN ?)
- オラクルパートナー企業の社員が(OPNライセンスで許される範囲の)業務で通常ライセンスのOracle Databaseと同一のOracle Databaseの動作を確認したい → b) OPN
- 商用利用したい → c) Express Edition
- 手早くSQLの動作確認をしたい → d) Live SQL