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環境構築が不要なORACLE MASTERのSQL学習方法(Oracle Live SQL)

Oracle ACEの渡部です。ORACLE MASTERのSQL分野学習のため、Oracle Live SQLを紹介します。

なお、Oracle Live SQLにログインした後、以下の記事を参考にサンプルデータ(表、データ)を準備すると、黒本に掲載されているSQL文(SELECT文など)がOracle Live SQL上で実行できるようになります。

ORACLE MASTER Silver DBA/SQL黒本SQL一式

黒本SQL分野の学習にOracle Live SQLを活用する

ORACLE MASTER Silver DBA、ORACLE MASTER Silver SQLではSQL分野の知識が問われます。 黒本では、SQLに関する解説をかなり丁寧に書いていますが、SQLを全く使ったことがない人の場合、書籍を読むだけではSQLに対する実感がわきにくいかもしれません。

実機を使ってSQLを実行してみるのが一番良いのですが、初心者の場合、Oracle Databaseを実行できる環境を用意するのも一苦労でしょう。このようなとき、Oracle Live SQLがとても役に立ちます。 Oracle Live SQLを使うと、環境を準備する苦労なしにOracleのSQLを実行できます

以下では、ORACLE MASTERのSQL分野を学習することを前提に、Oracle Live SQLの概要と留意点を説明します。

Oracle Live SQLとは

Oracle Live SQLとは、オラクル社が公開しているOracleのSQLを実行できるWebアプリケーションです。無料で使用できます。

Oracle Live SQLの使用手順

  1. https://livesql.oracle.com にアクセス
  2. 右上の「Sign-In」ボタンからOracle.comアカウントでサインイン
  3. 左メニュー→「SQL Worksheet」
  4. 「SQL Worksheet」の編集領域にSQLを入力して、「Run」

実行できるSQLの種類

  • DDL(CREATE TABLE文、CREATE INDEX文など)
  • SELECT文
  • DML

DDLでは以下の制限があります。

  • オブジェクトなどの識別子を二重引用符で囲んで指定することはできません。
  • 外部表は使用できません。

SQLワークシートに入力したSQLの実行方法

SQLワークシートに入力したSQLは、「Run」ボタンを押すと実行できます。 SQLワークシートに複数のSQL文を入力した場合、全てのSQL文が実行されます。

SQLワークシートに入力した複数のSQL文のうち、一部のSQL文のみを実行したい場合、 実行したいSQLを選択した状態で「Run」ボタンを押します。

なお、「Run」ボタンの代わりに、以下のショートカットキーも使用できます。

  • Windows : Ctrl-Enter
  • Mac : Cmd-Enter

黒本SQL分野の学習にOracle Live SQLを使用するときの留意点

ログインセッションが切れると、データは消去される

ログインセッションが切れると、データは消去されます。 このため、使用開始時に毎回 表を作成し、データのINSERTするなど、データを準備するようにして下さい。

なお、黒本で使用しているデータを準備するためのSQL(CREATE TABLE文とINSERT文)は、本記事の後半に記載していますので、これを使ってください。

また、左メニュー→"My Session"→"Previous Session"から過去セッションで実行したSQLの再実行が可能なので、2回目以降はこれを利用してもOKです。

デフォルトの言語設定は英語環境(アメリカ)

デフォルトの言語設定は英語環境(アメリカ)です(NLS_LANGUAGE='American')。 このため、エラーメッセージは英語で、月名、曜日名はアメリカ式です。

日本語環境にしたい場合は

ALTER SESSION SET NLS_LANGUAGE='Japanese';

を実行してください。 なお、一部のエラーメッセージは英語から変更できないことに注意してください。学習用途では大きな影響はないはずです。

ロールバックは実行不可/セーブポイントは使用不可

Live SQLでDMLを実行すると、1回の「Run」毎に、トランザクションが自動的にコミットされます。 この制約のため、「トランザクション実行中に対話的にコマンドを実行すること」は不可となります。 したがって、ロールバックは実行できません。また、セーブポイントは使用できません。

ロールバック/セーブポイントの動作を実機確認したい場合は、別途Oracle環境を用意する必要があります。

この制約は、Oracle Live SQLがWebアプリケーションとして実装されていることに起因するものです。

黒本に掲載されているSQL文を実行するためのサンプルデータ

Oracle Live SQLにログインした後、以下の記事を参考にサンプルデータ(表、データ)を準備すると、黒本に掲載されているSQL文(SELECT文など)がOracle Live SQL上で実行できるようになります。併せてご活用くださいませ。

ORACLE MASTER Silver DBA/SQL黒本SQL一式

参考: ORACLE MASTER関連情報

ORACLE MASTER新体系について

2020年から、ORACLE MASTER新体系が導入されています。 ORACLE MASTER新体系の大きな特徴は、試験がOracle Databaseのバージョンに1対1に対応しなくなったことです。

これにより、原則的にOracle Databaseのバージョンに依存しない本質的な内容が問われる形になっています。よって、特に理由がない限り、旧体系(Oracle 12c向け試験)ではなく、新体系の試験を受験することをお勧めします。

ORACLE MASTER 2019新資格体系とは – 18c/19c対応

コーソル執筆のORACLE MASTER関連書籍

コーソルでは、以下のORACLE MASTER関連書籍を執筆しています。 これらの書籍には、「PC操作すらおぼつかない新卒入社者であっても、研修開始後約3か月半でORACLE MASTER Bronzeを取得できる」教育ノウハウが注ぎこまれています。

ORACLE MASTER Bronze DBA 2019試験対策本を執筆しました

ORACLE MASTER Silver DBA 2019黒本を執筆しました

黒本著者によるORACLE MASTER Silver SQL 2019学習方法

ORACLE MASTER Gold DBA 2019試験対策本の発売日が決定しました

参考: コーソルのエンジニア育成とORACLE MASTER

コーソルは、Oracle Databaseをはじめとするオラクル製品と仮想化製品に特化してプロフェッショナルサービスを提供する企業です。

コーソルは、エンジニアのスキルアップを重視する会社であり、それを十二分に踏まえて、人事制度や資格取得支援制度がつくられています。

制度面を整えるだけではなく、現場レベルで試行錯誤しながらエンジニア育成に奮闘しています。 コーソルは、会社創設3年後の2007年4月から毎年継続して新卒を採用しています。また、近年はおおむね4半期ごとに第二新卒を採用しており、 未経験者の育成には定評があります。

ORACLE MASTERの最上位試験であるPlatinumについては、Oracle Databaseについての多くの知識を問う丸2日間の実技試験であることによる有用性を高く評価し、若手エンジニアが成長するなかで取る資格として位置付けています。

その結果、コーソルはORACLE MASTER Platinumについて2016年6月以降 累計 No.1/7年連続単年 No.1を達成しています。

ORACLE MASTER Platinum取得に向けての取り組みについては、日本オラクル Oracle University様の人材育成活用事例として取り上げられています。

  • 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
  • 書籍に関する質問については、書籍記載の「本書内容に関するお問い合わせについて」を参照してください。これで解決しない場合は、翔泳社の問合せページから問い合わせてください。
  • オラクル社の試験については、Oracle University に確認ください。

プロフィール

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渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

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