技術ブログ
目次
渡部です。日本オラクル様に献本いただきました。ありがとうございます。 「Oracle Cloud Infrastructure エンタープライズ構築実践ガイド」の書評を書かせていただきます。
Chapter 1: Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の基礎
1-1: OCIとは
1-2: OCIのメリット
1-3: OCIの全体像
コラム: OCIアイコン
Chapter 2: OCIコアサービス
2-1:コンピュート
2-2:ネットワーク
2-3:ストレージ
2-4:セキュリティ、ガバナンス、マネジメント
Chapter 3: OCIデータ・サービス
3-1:データ層のサービス群
3-2:データベース・サービス
3-3: Autonomous Database
コラム:変わるDBAの役割
Chapter 4:高可用性設計と移行
4-1:高可用性設計
4-2:移行
コラム: Oracleアーキテクチャ・センター
Chapter 5: OCIのFree Tier
5-1: OCIのFree Tierとは
5-2:無償トライアルへのサインアップ
5-3:初期設定と多要素認証の設定
Chapter 6【:ハンズオン】サンプルシステムの構築(前編)
6-1:実装するテーマ
6-2: OCIへの接続環境を整備する
6-3: Oracle GoldenGate on OCI Marketplaceを実装する
6-4:ネットワーク環境を構築する
Chapter 7【:ハンズオン】サンプルシステムの構築(後編)
7-1:データベース環境を整備する
7-2:ニア・リアルタイムでAutonomous Data Warehouseにデータ集約する
Oracle Databaseを中心にしたエンタープライズシステムをOCIを用いて構築する方にお勧めできます。 以下にお勧めポイントをまとめておきます。
システム構成図が豊富に記載されており、設計の参考になります。例えば、以下のようなシステム構成図が記載されています。
Chapter 3: OCIデータ・サービスにおいて、OCIが提供するOracle Database関連のサービスに関して丁寧に説明されています。取り上げられているサービスは以下の通りです。
また、Chapter 4:高可用性設計と移行においても、多くの紙面を割いてOracle Databaseに関する説明を行っています。特に移行方式に関する説明はオンプレミスからOCIへの移行を検討する方の役に立つのではないでしょうか。
OCIを個人的に学び始めたい人にとって、OCIの無償枠であるFree Tierは重要です。 本書は、豊富な画面を用いて、OCIのFree Tierについて、サインアップ時の注意点、トライアル期間終了時の動作、Always Freeリソースの種類や判別方法、有料アカウントへのアップグレード方法、初期設定、多要素認証の設定について記載しています。
Chapter 6【:ハンズオン】サンプルシステムの構築(前編)、Chapter 7【:ハンズオン】サンプルシステムの構築(後編)では、Oracle GoldenGate on OCI Marketplaceを用いて、Database Cloud Serviceで発生したデータをAutonomous Data Warehouseに集約するシステムを実際に実装する例が記載されています。
OCIにアクセスする環境の準備から始まり、Oracle GoldenGate on OCI Marketplaceのセットアップ、ネットワークの構成、データベースの構成、GoldenGateにおけるデータ集約の設定まで、ステップバイステップで丁寧に手順が説明されているため、とても分かりやすいです。
本書は、私の知る限り日本語で書かれたOracle Cloud Infrastructureの唯一の書籍であることに加え、丁寧な記述でOracle Databaseを中心としたOCI上のシステム構築に役立つ情報が多く記載されており、有益です。
Oracle Databaseを中心としたOCI上のシステム構築に携わる方に本書をお勧めできます。