汎用監視(Zabbix)とDB性能監視(DPA)併用のススメ
Oracle ACE Proの渡部です。
ITインフラの監視を、Zabbixに代表されるいわゆる「汎用の」監視ツールで行っているケースが多いかと思います。
このような「汎用の」監視ツールは、運用監視の「基礎」として非常に重要な役割を果たします。また、「汎用の」監視ツールには多くの製品がありますが、Zabbixは無償で使用可能ですので、大きなコストをかけられない場合も導入しやすいという、大きな利点があります。
ただ、データベース管理という観点で見ると、若干役不足の感は否めません。特に、性能管理(監視 / 分析 / チューニング)の点ではかなり厳しいです。
これを踏まえ、弊社では、Zabbixをはじめとする「汎用の」監視ツールと、Database Performace Analyzer (DPA) を組み合わせて使用することをご提案しています。
なお、ツール導入による運用負荷軽減は、昨今のトレンドである、DevOps および DX にも合致するアプローチであると考えます。
Database Performance Analyzer (DPA) とは
Database Performance Analyzer (DPA) は、オンプレミス&クラウドに対応するデータベース性能監視/分析ツールです。
DPAの特徴は以下のとおりです。
- 低価格で導入しやすい。課金単位は監視インスタンス単位で、1インスタンス14.7万円/年から導入できます(2023年1月時点)。ボリュームディスカウントもあります!
- 非常に多くのデータベース製品/サービスに対応。
- オンプレミス&クラウドに対応。
- 現在主流である「待機イベント」ベースの監視方式を使用。
- エージェントレス構成(DBサーバにソフトウェア導入が不要)であるため、導入しやすく、バージョンアップも容易。
- 機械学習アルゴリズムに基づく異常検知 (Anomaly Detection)が可能。
ご興味がありましたら是非弊社までお問い合わせくださいませ。
ZabbixとDPAの対応DB比較
Zabbixの対応DB
Zabbixは監視方式の拡張方法が可能です。そして、Zabbixを用いたデータベース監視は、何らかの拡張方法を用いて実施されているケースが多いです。
その一方で、Zabbixが標準で対応しているデータベース監視機能もあります。
Oracleを対象にした文書ですが、監視方式の拡張方法と標準で対応する監視に関しては、以下の文書をご確認ください。
ZabbixのOracle監視方式 全5種類
Zabbixが標準で対応しているデータベース監視機能の一覧を以下示します。これは、
https://git.zabbix.com/projects/ZBX/repos/zabbix/browse/templates/db から作成したもので、現在多くの環境で使用される主要RDBMSについてはコメントをつけています。
- cassandra_jmx
- clickhouse_http
- cockroachdb_http
- gridgain_jmx
- ignite_jmx
- influxdb_http
- mongodb
- mongodb_cluster
- mssql_odbc : MS SQL Server (ODCB経由で監視)
- mysql_agent : MySQL (Agent経由で監視)
- mysql_agent2 : MySQL (Agent 2経由で監視)
- mysql_odbc : MySQL (ODCB経由で監視)
- oracle_agent2 : Oracle Database (Agent 2経由で監視)
- oracle_odbc : Oracle Database (ODCB経由で監視)
- postgresql : PostgreSQL
- postgresql_agent2 : PostgreSQL (Agent 2経由で監視)
- redis
- tidb_http
DPAの対応DB
Database Performance Analyzer (DPA) は、オンプレミス&クラウド上の、非常に多くのデータベース製品/サービスに対応しています。
現在多くの環境で使用される主要RDBMSには対応しています。当然、Zabbix対応している主要RDBMSもカバーしています。
オンプレミス環境および仮想環境、IaaS環境のデータベース製品
- Oracle Database
- MS SQL Server
- Sybase SAP ASE
- IBM Db2
- MySQL
- MariaDB
- PostgreSQL
- Enterprise DB (EDB)
AWSのデータベースサービス
- Amazon RDS for Oracle Database
- Amazon RDS for SQL Server
- Amazon RDS for MySQL
- Amazon RDS for MariaDB
- Amazon RDS for PostgreSQL
- Amazon Aurora for MySQL
- Amazon Aurora for PostgreSQL
Microsoft Azureのデータベースサービス
- Azure SQL for PostgreSQL
- Azure Database for MySQL
- Azure Database for MariaDB
- Azure SQL Managed Instance
- Azure SQL Database
Google Cloudのデータベースサービス
- Google Cloud SQL for MySQL
- Google Cloud SQL for PostgreSQL
- Google Cloud SQL for SQL Server
各製品の対応バージョンや機能制限などの詳細については、DPA Administrator Guide → Database instances DPA can monitor
をご確認ください。
Zabbixによるデータベース監視の難点
Zabbixは無償で使用可能で導入しやすい利点がありますが、データベース監視を得意としているわけではありません。
主要なRDBMS製品はZabbixが標準で対応していますが、カバーする監視項目は、領域の使用率やセッション数などのいわゆる「キャパシティ管理」にとどまります。
データベース管理・監視においては、性能問題への対処が求められるケースが多々ありますが、性能問題に対処するための情報を提供することは一般に困難です。厳密には、Zabbixは監視方式の拡張が可能ですから、拡張を作れば「技術的には可能」と言えますが、現実的には難しいでしょう。
Database Performance Analyzer (DPA)を導入いただくと、以下の機能により、性能問題への対処が容易になります。
- 現在主流の「待機イベント」方式に基づく、負荷状況の時系列分析
- 特定の時間に着目した詳細な分析の実施
- 特定SQL、特定アプリケーションなど、さまざま視点に基づく詳細な分析の実施(ドリルダウン分析)
- 過去一定期間に実行されたSQLの全文検索(Apache Luceneを使用)
- 機械学習アルゴリズムに基づく異常検知 (Anomaly Detection)
ZabbixとDPAの共存
Database Performance Analyzer (DPA)サーバーは、Javaで実装されており、WindowsおよびLinuxで動作可能です。また、監視データの格納先となるリポジトリDBには以下のデータベース製品およびサービスを使用できます(2022年8月時点)。
- Microsoft SQL Server
- Microsoft Azure SQL Database
- MySQL (Amazon RDS, Aurora含む)
- Oracle Database
このため、Zabbixと同一のインフラ(監視サーバ)を使用した「共存構成」をとることが容易なケースが多いのではないかと考えます。
特に、ZabbixサーバーのリポジトリDBにMySQLが使用される場合が多いので、この場合、ZabbixとDPAでリポジトリDBを共有するシステム構成を取れます。
なお、Database Performance Analyzerの導入はとても簡単です。導入手順は、弊社ナレッジとしても公開しています。
なぜコーソルからDatabase Performance Analyzer (DPA)を購入すべきなのか
コーソルはDatabase Performance Analyzer (DPA)の一次代理店で、Database Performance Analyzer (DPA)の製品販売を行います。 SIer様、販社様がDatabase Performance Analyzer (DPA)を販売および導入することも可能です。
コーソルはデータベースの技術力を強みとしています。なかでもOracle Database技術力は日本随一です。MySQL、PostgreSQL、MS SQL Serverの資格や実績を持つエンジニアも多数在籍しております。
独自のDPAナレッジを公開
DPAの導入や監視設定に関する手順をナレッジとして公開しています。評価版をご利用される際の参考にしていただけると幸いです。
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