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Oracle DatabaseのOracle ACE Proが選んだ2023年オラクル10大NEWS

Oracle ACE Proの渡部です。 この記事は、 JPOUG Advent Calendar 2023 1日目の記事です。

2023年の振り返りとして、Oracle Database分野のOracle ACE Proから見たオラクル10大NEWSをまとめてみました。

色々あった2023年に想いを馳せていただければ幸いです!

なお、順番に特に意味はありません!

Oracle Database 23c リリース

Oracle Databaseは18cから年次リリースモデルに移行しています。 ですので、2018年以降は毎年 新しいリリースが提供されるはずなのですが、COVID-19の影響などから、リリースはスキップされたり、遅れたりしていたのが実情でした。

よって、2023年についてもスキップや遅れを若干危惧していたのですが、4月にOracle Database 23c Free (Oracle Database 23c Free - Developer Release)が、9月にOracle Database 23cの正式版がOCI Base Database Service限定でリリースされました。

Oracle Database 23c Free – Developer Releaseがリリースされました!

OCI Base Database Service限定でOracle 23cが正式リリース

ただし、2023年12月時点では、いくつかの制限がありますので ご注意くださいませ。制限の詳細は以下に記載されています。

関連URL

23c新機能

OCI Database with PostgreSQL

OCIでPostgreSQLのマネージドサービスが提供される予定であることは、Oracle CloudWorld 2022 で明らかにされていました。これが、2023年11月に正式提供されました。

オラクルは、OCI Database with PostgreSQLの優位点として以下を謳っています。

  • 最大 3 倍の高いパフォーマンス
  • AWS の半額以下のコスト
  • フルマネージドでエンタープライズグレード
  • 信頼性(暗号化、セキュリティアップデート、OCIのセキュリティ機能との統合)

なお、OCI Database with PostgreSQLは、マルチAD or FD構成のデプロイに対応し、高い可用性を持っています。 実現方法については、以下の記事が詳しいです。

ポイントは以下です。

  • 書込み可能なインスタンスは1つのみで、それ以外のインスタンスはすべてREADER
  • 専用(おそらくOCI Database with PostgreSQL専用)の共有ストレージ(DbOS)と共有ファイルシステム(DbFS)を新たに開発
  • DbFSはLSN(ログシーケンス番号。おそらくPostgreSQLのLSNだと思う)を理解でき、指定されたLSNの一貫性のある断面を提供可能。これにより、複数READERを実現
  • いくつかのよく知られるPostgreSQLの弱点も改善(書き込みのatomic化、PostgreSQL 共有バッファとOSページ キャッシュでの二重キャッシュを回避、など)

関連URL

オラクルにおけるMySQLの存在感が"Oracle Database同等"に?

すみません、章のタイトルは少し「煽り気味」なのですが、"Oracle Database同等"かはさておき、オラクルにおけるMySQLの重要度が「以前より増している」のは多くの方に同意いただけるかと思います。

MySQLは、クラウドと親和性が高いWeb領域において多くのユーザーがいますし、MySQL Heatwaveの機能強化はとても盛んです。

AIという切り口でのスライドになりますが、数年前であれば、Oracle DatabaseとMySQLが横並びになっているスライドは「ありえなかった」はずです。

2023年での、MySQL関連の主要なニュースを以下にまとめます。

  • MySQL 8.1の提供開始、および新しいリリースモデルの発表
  • MySQL HeatWave Lakehouseの提供開始
  • MySQL HeatWave on AWS 東京リージョンでの提供開始

Oracle DatabaseのARMサポート

OCIのComputeサービスでは、2021年5月からARMベースのCPU(Ampere A1)をサポートしていましたが、Oracle Databaseの稼働はサポートしていませんでした。

しかし、2023年6月にARMベースのCPUでの、Oracle Databaseのサポートが発表されました。

これは個人的に結構な驚きでした。というのも、サポート対象プラットフォームを増やすということは、オラクルからすると開発および検証コストの増加を意味するわけで、「オラクルはむやみにサポート対象プラットフォームを増やすことはしない」と考えていたためです。

逆に言うと、「オラクルはARMを非常に重要なプラットフォームと捉えている」と言えるのかもしれません。

将来的にはARMベースのExadataがリリースされるかも?

OCI Autonomous Recovery Serviceの導入とFull Stack Disaster Recoveryの強化

Base Databaseサービスはバックアップが自動化されていましたが、それ以上でもそれ以下でもなく、あまり特筆すべき部分はありませんでした。

しかし、2023年2月に提供開始されたOracle Database Autonomous Recovery Serviceは、 高度でインテリジェントなバックアップを実行可能で、かつ、バックアップの検証が自動的に行われる極めて安全な仕組みです。 OCIならではの機能と言えます。

また、2022年10月に導入されたFull Stack Disaster Recoveryも、順次使用可能リージョンが追加+機能強化されており、 OCIを使うべき理由が1つ増えたように感じられます。

なお、Full Stack Disaster Recoveryが使用可能なリージョンについては、以下に記載されています。

また、宣伝ですが、DbvisitはOCI Full Stack Disaster Recoveryに対応しています。これに関するパネルディスカッションをdb tech showcase 2023で実施します。ご興味がある方はぜひご聴講くださいませ。

12/8 #dbts2023 「日本市場におけるディザスタ・リカバリ(DRaaS)ソリューションの実状と将来性(パネルディスカッション)」パネルディスカッション登壇のお知らせ

Microsoftとの協業・提携

オラクルは、2022年頃から「マルチクラウド戦略」を打ち出しています。 オラクルと最も「仲が良い」と見受けられるクラウドベンダはMicrosoftです。

2023年では、以下のMicrosoftとの協業・提携の動きがありました。

なお、2022年では、以下のMicrosoftとの協業・提携の動きがありました。

NVIDIAとの協業・提携

NVIDIA社のGPUはAIサービス実装におけるデファクトスタンダードとなっているため、 現在のIT業界においてNVIDIA社は非常に重要な位置づけにあります。

で、イマイチ理由は分からないのですが…、オラクル社はNVIDIAと良好な関係を築いているようです。 (なにか、裏でバーター的なやり取りがあるのだろうか…)

2023年では、以下のNVIDIA社との協業・提携の動きがありました。

ラリー・エリソンもAIに本気!

2023年のOracle CloudWorldには、日本から2名、コーソルカナダから1名、計3名がコーソルから参加しました。

Oracle CloudWorld 2023 ラスベガスの様子をPostsまとめ+ブログでレポート!

CloudWorldに参加したコーソルのメンバーが驚いたのは、ラリー・エリソンのキーノートの大部分の時間が「AI」に費やされたことでした。

ラリー・エリソンのキーノート動画は https://www.youtube.com/watch?v=63DmgBN1rSI

にアップロードされていますが、たしかに、全長 1:07:49 の大部分である44:07を「ほぼAIについてのみ」語っています。

ラリー・エリソンのキーノートによると、今後以下の領域でAI関連の機能が強化されていくとのことです。

  • OCI: Superclusterなど
  • Oracle Database: JSON機能、Vector機能
  • APEX
  • アプリケーション(SaaS)
  • IoT

RHEL on OCI

OCIでは、リリース当初から長きにわたり、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)がサポートされていませんでした。 ご存じの通り、RHELはエンタープライズ環境において広く使われているため、この点がOCI採用の妨げになるケースが多々あります。

このような状況を受けてだと思うのですが、実は結構前から「近い将来にOCIでRHELがサポートされるようだ」という噂を耳にしていたのですが・・・ なかなか正式発表がなされませんでした。正直、個人的には完全に忘れていたのですが・・・ 2023年2月にサポートが発表されました!(よかった)。

ただ、以下の点がちょっと残念…

  • OSイメージをインポートする必要あり
  • ライセンス込みの使用形態が不可(要BYOL)

RHELのソースコード公開条件変更 → OpenELA

OCIでRHELがサポートされ、今後はオラクルとRed Hatで仲良くやっていくのかな? と思っていたところ… 別の火種が。

事の発端は、Red HatがRHELのソースコード公開を事実上 止めたことです。

それに対して、オラクルは喧嘩腰の反論を行い、

最終的には、OpenELAを設立するに至ります。

個人的には、オラクルとRed Hatで仲良くやって欲しいのですが、やっぱり無理ですかねぇ…

明日の記事

JPOUG Advent Calendar 2023 の明日2日目の記事は、Oracle ACE Associateのasahideさんに執筆いただく予定です。asahideさん、よろしくお願いいたします!

プロフィール

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渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

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