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渡部です。 Delphixのアーキクチャと基盤となるテクノロジで説明しましたが、 データベース構成ファイルの実体はDelphix Engine側に存在し、ZFSの管理下にあります。 データベースサーバはNFSを経由して、ZFS管理下のデータベース構成ファイルにアクセスします。 このアーキテクチャにより、ZFSの重複排除のご利益を得られ、ストレージ領域の消費を抑えられます。
ストレージ領域の消費量を抑制する効果は、作成する複製データベースの数が多くなると、非常に有効に機能します。 ZFSの重複排除の特性から、同一のソースデータベースから複数の複製データベースを作成するケースであれば、事実上、複製データベースの数を気にする必要がなくなります。 これは複数の開発者が並行開発する状況において、非常に嬉しい効果です。エンタープライズシステムのデータベースのサイズは一般に大きいため、通常の方法では多数の複製データベースを作成することは極めて困難です。Delphixを導入することで、多数の複製データベースを作成することができ、複数の開発者が並行して開発することを可能にします。
しかし、アプリケーションの機能テストではなく、性能テストを行う場合、このアーキテクチャが制約となります。 複数の複製データベースの構成ファイルが単一のサーバ(Delphix Engineを配置したサーバ)にあり、かつ、NFS経由でアクセスするため、高いI/O性能を得にくいです。この場合、Virtual to Physical機能を用いて複製データベースを作成します。
Virtual to Physicalは、複製データベースの構成ファイルをDelphix Engine内ではなく、複製先DBサーバに作成する複製DBの作成方法です。 通常の複製DBではデータファイルへNFSを経由してアクセスしますが、 Virtual to Physicalで作成した複製DBのデータファイルへは通常のI/Oでアクセスされるため、より実運用に近い特性を持ちます。
なお、ターゲットDBサーバにはデータファイルを配置できるだけのディスク領域が必要なことに注意してください。
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