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Oracle ACEの渡部です。Dbvisitは、拠点災害対策のため、基本スタンバイ技術を用いてOracle Databaseの待機系データベース(スタンバイデータベース)を作成し、管理できるソフトウェアです。
拠点災害対策のためにスタンバイサイトを構築するときに、懸念事項として挙げられがちな点は、機器およびライセンスに関わるコストです。原則的にプライマリサイトとスタンバイサイトはほぼ同一の構成を取りますから、拠点災害対策を講じない場合に比べると、機器およびライセンスに関わるコストはざっくり2倍になります。
今回、Oracle RAC(Real Application Cluster)を使用する場合に機器およびライセンスのコストを削減するため、RAC構成のプライマリデータベースに対してシングル構成のスタンバイデータベースをDbvisit Standby(以下Dbvisit)を用いて構成するやり方をご紹介します。
Dbvisitを用いると、RAC構成のプライマリデータベースに対してシングル構成のスタンバイデータベースを構成できます。
現在、RAC構成のデータベースでは、データベース構成ファイルの配置にASMを使用するのが一般的です。 その一方で、シングル構成のデータベースでは、ASMを使用せず、通常のファイルシステムを使用するのが一般的です。
ASMに配置されたファイルのパスは以下のように、ASM特有の形式です。
SQL> SELECT file_name from dba_data_files;
FILE_NAME
-------------------------------------------------
+DATA/DVT8C2R/DATAFILE/users.260.1009590043
+DATA/DVT8C2R/DATAFILE/undotbs1.259.1009590039
+DATA/DVT8C2R/DATAFILE/system.257.1009589837
+DATA/DVT8C2R/DATAFILE/sysaux.258.1009589941
+DATA/DVT8C2R/DATAFILE/undotbs2.265.1009590387
RAC構成のプライマリデータベースに対してシングル構成のスタンバイデータベースを構成する際には、ASM特有の形式のファイルパスを通常のファイルシステムにおけるファイルパスの形式に変換する必要があります。
このような状況で使用できるのが、OMF(Oracle Managed File)という技術です。
OMF(Oracle Managed File)とは一言でいうと、「データファイル(正確にはオンラインREDOログファイルなども含まれる)の管理をOracle任せにする」ファイル管理方式です。DB_CREATE_FILE_DESTパラメータというパラメータに適当なディレクトリを指定しておくと、表領域作成時にそのディレクトリ内に自動的にデータファイルが作成されます。データファイルのファイル名も自動的に決定されます。
SQL> alter session set DB_CREATE_FILE_DEST='/u02/app/oracle/oradata';
セッションが変更されました。
SQL> create tablespace ts_omf1 datafile size 20M;
表領域が作成されました。
SQL> SELECT FILE_NAME, BYTES from dba_data_files;
FILE_NAME BYTES
-------------------------------------------------------------------------------- ----------
:
/u02/app/oracle/oradata/C101/datafile/o1_mf_ts_omf1_gh10smqj_.dbf 20971520
なお、データファイルだけではなく、オンラインREDOログファイルの管理もOracle任せにする場合は、 DB_CREATE_ONLINE_LOG_DEST_nパラメータを指定します。
Dbvisitを用いてスタンバイDBを作成するとき、スタンバイDBで使用する初期化パラメータを指定することができます。 ここでOMF関連の初期化パラメータ(DB_CREATE_FILE_DEST, DB_CREATE_ONLINE_LOG_DEST_n)を指定すると、ASM特有の形式のファイルパスを、ファイルシステムで使用される形式のファイルパスに変換することができます。
OMF関連の初期化パラメータを指定してスタンバイDBを作成するときの画面が以下です。
作成されたスタンバイDBと、元となるプライマリDBのデータファイルのファイルパスを比較した図が以下です。
ASM特有の形式のファイルパスが、通常のファイルシステムで使用される形式のファイルパスに変換されていることがわかります。 なお、スタンバイDBのデータファイルのファイルパスははOracleが自動的に決定します。これはOMFの特徴です。
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