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Oracle ACEの渡部です。 データベースの高可用性確保のために使用される技術である、HA構成とDR構成について整理しておきます。高可用性では「構成要素の二重化」が重要な鍵ですが、DR構成の方が二重化レベルが高い点を理解してください。
なお、以下の記載では、データベースとして19c以降のOracle Standard Editionを前提にしています。
19c以降のOracle Standard Editionの高可用性を実現するために主に使用されるのは、HA構成とDR構成です。
HA構成が提供する高可用性とは、端的にいうと「ノードレベルの高可用性」です。インスタンスが起動するActiveノードに障害が発生した場合、Stanbyノードに切り替えることでサービスを継続します。
一方、DR構成が提供する高可用性とは、「拠点レベルの障害を含めたすべての障害に耐えうる高可用性」です。後述しますが、DR構成では、HA構成とは異なり、すべての構成要素が二重化されているため、拠点レベルの障害を含めたすべての障害に耐えることができます。
19c以降のOracle Standard EditionではSE-RACを使用できない点に注意してください。
SE-RACの後継ソリューションの最有力はHA構成とDR構成です。詳細は、以下をご確認ください。
Oracle SE-RAC廃止後の後継ソリューション資料公開
障害発生時の切り替え作業のことを、「フェイルオーバー」と呼びます。HA構成とDR構成では、簡単な操作でフェイルオーバーを実行できるため、障害発生時の切り替え作業をトラブルなく、短時間で実行できます。
ただし「フェイルオーバー」は魔法のようなモノではなく、タネも仕掛けもあります。フェイルオーバーの実体は、「二重化された構成要素を対象とした、切り替え処理の自動化」です。構成要素が二重化されていることを前提にしていますので、二重化されていない構成要素に関する障害には対応できません。すなわち、フェイルオーバーで復旧できる障害もあれば、復旧できない障害もあるわけです。
上記の繰り返しとなりますが、HA構成が提供する高可用性は、「ノードレベルの高可用性」に過ぎませんから、フェイルオーバーで復旧できる障害はノード障害のみです。HA構成でノード障害以外の障害が発生した場合、フェイルオーバーでは復旧できません。
一方、DR構成が実現する高可用性は、「拠点レベルの障害を含めたすべての障害に耐えうる高可用性」ですから、フェイルオーバーですべての障害から復旧できます。
例えば、ストレージ破損、データベース破損のいずれの場合でも、DR構成ではフェイルオーバーするだけで復旧が可能です。
この違いの理由は、構成要素ごとの二重化状況にあります。
HA構成で二重化されているのはノード(コンピュート)だけです。 一方、DR構成ではすべての構成要素が二重化されています。これにより極めて高い耐障害性を実現できるわけです。
ただし、Oracle Standard EditionのDR構成には注意すべき点があります。「フェイルオーバーを実行すると更新ロスが発生する」という点です。
フェイルオーバーを実行すると更新ロスが発生する理由は、Oracle Standard EditionのDR構成においてプライマリ→スタンバイへの変更を伝搬する方法が、ファイル単位、いわば「まとめ送り」であるためです。まとめ送りの頻度を増やす(送信間隔を短くする)ことで更新ロスの量を軽減可能ですが、完全に排除することはできません。
なお、通常の運用や、計画切り替え(スイッチオーバー)では更新ロスは発生しません。更新ロスが発生するのは、フェイルオーバー実行のみです。
これまでにご説明したことをまとめると、以下の表のようになります。
以下の点をご理解下さい。
Oracle Standard EditionでDR構成を実現するには、Dbvisit Stanbyを使用します。
Dbvisit Standby は歴史が長く、全世界および日本での導入実績も多数ある製品で、安心してご利用いただけます。 2022年4月時点での国内での最新バージョンはDbvisit 10.1.0 です。
コーソルでは、以下のような点でお困りのお客様にDbvisit Standbyをお勧めしています。
東京フード様の課題はハードウェア障害が起きても業務継続できることでした。他社はHAクラスタを提案する中、弊社ではHAクラスタの弱点であるディスク障害が発生しても業務継続が可能な災害対策用環境、ならびに環境を簡単に構築・運用できるDbvisit Standbyをご提案し、採用いただきました。
「ハードウェア障害が起きても業務継続できる」点を重要視いただき、東京フード株式会社様にDbvisit Standbyを採用いただきました。 これは、構成要素が完全に二重化されているDR構成(Dbvisit Standby)の強みです。
理解のしやすさから、HA構成とDR構成を対比的に捉えて説明しましたが、両者は組み合わせて使用することも可能です。
以下の記事では、Oracle SEHAとDbvisit Standbyを組み合わせたHA構成とDR構成を組み合わせるやり方について説明しています。
DbvisitのOracle SEHA対応 (Oracle SE HA+DR構成)
コーソルはDbvisit Stanbyの一次代理店で、Dbvisit Standbyの製品販売を行います。 加えて、Dbvisitの導入およびサポートを行います。
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