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オンプレミス版Oracle Database 23aiのリリース予定日が2025年に + 19cのPremier Supportが大幅延長

Oracle ACE Proの渡部です。

オンプレミス版Oracle Database 23aiのリリース予定日が再度延期され、2025年になりました。 また、Oracle Database 19cのPremier Supportの終了日が大幅に延長され、2029年12月末になりました…

  • [注意事項] 本記事では、議論をシンプルにするため、オンプレミス環境を前提に記載します。
  • 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
  • オラクル製品のサポートの詳細についてはサポート契約締結先の会社 に確認ください。

サポート期間は随時更新されます。最新の情報が必要な場合はMOS限定公開版の Doc:742060.1 を参照するようにしてください。

オンプレ版Oracle 23aiのリリース予定日が2025年に

オンプレミス版Oracle Database 23aiのリリース予定日が再度延期され、2025年になりました。 なお、公式文書の表記は"CY2025"(カレンダー表記の2025年)です。

つい数カ月前の2024年6月に、 "1H CY2024(カレンダー上の2024年上半期、すなわち2024年1月~6月)"から、 "2H CY2024(カレンダー上の2024年下半期、すなわち2024年7月~12月)"に延期されていたにも関わらず、再度延期された格好です…

オンプレミス版Oracle Database 23aiのリリース予定日が後ろ倒しに

本番システムで使用するOracle Databaseのリリースは、事実上Long Term Support(LTS)のリリースだけとなります。現状、「オンプレミス版」が提供されているLTSリリースは19cだけです。このため、23ai(旧 23c)の「オンプレミス版」の提供開始が待たれていたのですが、オンプレミス版Oracle Database 23aiのリリース予定日が2025年に延期されたことは、システムにおけるOracle Databaseのアップグレード計画に大きな影響を及ぼします。

サポート期間は随時更新されます。最新の情報が必要な場合はMOS限定公開版の Doc:742060.1 を参照するようにしてください。

19c Premier Supportの終了日が2029年12月末に

オンプレミス版Oracle Database 23aiのリリース延期に伴う措置と思われるのですが、現状唯一のLTSリリースである19cのPremier Supportの終了日が大幅に延長され、2029年12月末になりました。

Oracle Database 19cのPremier Supportの終了日は、つい数カ月前の2024年6月に、2024年4月→2026年4月に延長されていたにも関わらず、再び延長された形です。

オンプレミス版Oracle Database 23aiのリリース予定日が後ろ倒しに

これにより、Oracle Database 19cは 2019年4月(リリース開始)から2029年12月という10年間を超える長期間、Premier Supportレベルでサポートされる製品となってしまいました。

なお、延長後の19cのPremier Support終了日 2029年12月末は、23aiのPremier Support終了日 と同じです…。 → 23aiのPremier Support期間が延長され、同じでなくなりました。

サポート期間は随時更新されます。最新の情報が必要な場合はMOS限定公開版の Doc:742060.1 を参照するようにしてください。

オンプレ版Oracle 23aiのリリース延期をどう捉えるべきか?

本番システムで使用するOracle Databaseのリリースは、事実上Long Term Supportリリースだけとなります。このため、「次期LTSリリースであるOracle 23aiがいつ提供されるのか?」は、システムにおけるOracle Databaseのアップグレード計画に大きな影響を及ぼします。

しかし、これまでの経験上、Oracle Databaseのリリース時期がはっきりした形であらかじめ約束されることはありません。ぶっちゃけて言ってしまうと、「Oracle Databaseが実際にリリースされたときが、リリース日を約束できるタイミング」が"現実"と考えています。

このためリリース時期の推測は不可能なのですが、論点の整理とラフな分析をしてみます。 なお、下記は渡部の私見/推測であり、コーソルの見解ではない点にご注意ください。

  • 23aiリリース予定日の"CY2025"をどう捉えるか?
    • 2025年内なので、最悪2025年12月になる可能性もある。
    • さらに言うと、再々延期がある可能性も完全には否定できない…
  • Oracleにおけるオンプレ版Oracle 23aiの重要性は?
    • Oracleが推したいプラットフォームであるマルチクラウドおよびエンジニアドシステムに向けは23aiはリリース済みなので、正直オンプレ版Oracle 23aiの重要性は低い?
    • うがった見方をすると、オンプレ版Oracle 23aiを出さないほうが、Oracle Databaseのマルチクラウドおよびエンジニアドシステムへの移行を後押しできる?
    • さらにうがった見方をすると、オンプレ版Oracle 23aiを出さないほうが、AWS環境でのRDS for Oracleの23ai対応を遅らせることができ、ひいては「Oracle Database@AWS」の使用を推進できる?
  • 延長後の19cのPremier Support終了日 を小刻みに延長するのではなく、大幅に延長したということは、「オンプレ版Oracle 19cを継続利用してもOKですよ」という暗黙のメッセージ?
    • さらに言うと、オンプレ版Oracle 23aiが早期に提供されることは期待薄?
    • 延長後の19cのPremier Support終了日 2029年12月末は、23aiのPremier Support終了日 と同じ かなり長い期間である ということも併せて考えると、最悪オンプレ版Oracle 23aiは出ない可能性も? (なぜ19cのPremier Support終了日と23aiのPremier Support終了日を同じにしたのか??
  • 再度強調しておきますが、上記は渡部の私見/推測であり、コーソルの見解ではありません!

[参考] Oracle Database 23ai/23c関連記事

オンプレミス版Oracle Database 23aiのリリース予定日が後ろ倒しに

Oracle Database 23aiがクラウド限定でリリース。Free版も

OCI Base Database Service限定でOracle 23cが正式リリース

Oracle Database 23c Free – Developer Releaseがリリースされました!

[参考] Oracle Database 19c関連記事

Oracle Database 19c 無償Extended Support期間が1年から2年に延長

Oracle Database 19cとは何か? どういう位置づけのリリースなのか?

VM作成からのOracle 19cインストール手順 前編(Linuxシングル)

VM作成からのOracle Restart 19cインストール手順

Oracle Database 19c では、SE2でRACはサポート対象外

Oracle Database 19c(19.3) オンプレミス版リリース

「Oracle Database 19cの注目ポイント 15」発表資料公開 – JPOUG in 15 minutes #8

Oracle 19cへの移行/アップグレードにSharePlexをお勧めする理由

[補足] リリース関連のキーワード

Long Term Supportリリースとは

  • 長期間のサポートが提供されるリリース(あるバージョンのソフトウェア)です。
  • 本番環境では原則的にLong Term Supportリリースを使用します。

Innovationリリースとは

  • 新機能が導入される一方で、サポート期間が短いリリースです。
  • 本番環境でInnovationリリースを使用することはお勧めできません。

[補足] サポート関連のキーワード

  • 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
  • オラクル製品のサポートの詳細についてはサポート契約締結先の会社 に確認ください。

Premier Supportとは

  • Premier Supportは、製品のリリース(GA)から一定の期間で提供される いわゆる「フルサポート」です。
    • Premier Supportの提供期間は通常5年間です。
  • Premier Supportには、新しくリリースされた他社製品への対応(新しいWindows Serverなど)が含まれます。
    • Extended SupportとPremier Supportの違いは、この「新しくリリースされた他社製品への対応」です。

Extended Supportとは

  • Premier Support終了後に提供される(場合がある)、「フルサポート」に準ずる内容のサポートです。
    • Premier Supportは、製品のリリース(GA)から5年間提供される いわゆる「フルサポート」です。
  • 新しくリリースされた他社製品への対応(新しいWindows Serverなど)は含まれません。
  • すべてのリリースに対してExtended Supportが提供されるわけではありません。いわゆるTerminal Release または Long-Term Releaseに対してのみ提供されます
    • これまで Extended Supportが提供されたリリースの例: 11.2.0.4, 12.1.0.2, 19c

関連記事:Oracle Database 12c R1(12.1.0.2)の無償Extended Support期間が終了

Sustaining Supportとは

  • Premier SupportまたはExtended Supportの終了後に提供される、サポート内容ががかなり限定されたサポートです。
  • 提供期間は無制限です。サポート契約を継続する限り、いつまでもSustaining Supportを受けることができます。
    • この意味で、(大昔を除く)オンプレミス環境のオラクル製品に対して「サポート切れ」をいう言葉を使うのは厳密には正しくありません。 Sustaining Supportでは新しい修正が作成されませんが、技術問合せ対応は受けられます。

OCIのDBサービスのサポート

この記事におけるサポートについての記述はオンプレミス環境を前提にして記載しています。このため、この記事の記載はOCIを含めたクラウド環境には適用されません。

オンプレミス環境とOCIのDBサービスのサポートにはいくつか相違点はありますが、大きなものは以下です。

  • OCIのDBサービスの提供期間≒Premier Supportの期間+Extended Supportの期間(Error Correction、マーケットドリブンサポートなど一部例外あり)となり、実質的にSustaining Supportが提供されないことになる
  • OCIのDBサービスでは、Extended Supportを追加費用なしで使用可能

必要に応じて以下の文書も参照ください。

重要度1(SEV1, Severity 1)とは

提供されるサポート内容は、問題の重要度によって異なる場合があります。特に、重要度1の問題は特別な位置づけにあり、以下が提供されることが明記されています。

  • 24時間体制でのサポート
  • 1時間以内の応答に向けた合理的な努力

重要度1の定義

重要度1とは、「本番環境」でサポートが締結されているプログラムが使用できない場合、大きな影響を受けて業務を合理的に継続出来ない場合をいい、お客様の業務の遂行に全面的に支障がある状態、ビジネス上ミッション・クリティカルであり緊急の状態をいいます。テスト用または開発用の環境では重要度1のリクエストを承れません。また、テクニカル・サポート・ポリシーに指定されている状態のうち、一つ以上を含む場合に重要度1を指定することができます。
(参考)Oracle Software テクニカル・サポート・ポリシーの「重要度の定義」

  • 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
  • オラクル製品のサポートの詳細についてはサポート契約締結先の会社 に確認ください。

プロフィール

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渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

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