株式会社コーソル

コーソルDatabaseエンジニアのブログ

技術ブログ

Oracle Database 12.2.0.1向けの”Limited Error Correction”がアナウンスされました

渡部です。Oracle Database 12.2.0.1向けに、2020年12月から2022年3月の期間、無償の"Limited Error Correction"が提供されることがアナウンスされました。

Oracle Database 12.2.0.1向けの”Limited Error Correction”

ポイントだけ箇条書きでまとめておきます。

  • "Limited Error Correction" は新しいサポートのサービスレベルです。重要度1("SEV1", いわゆる致命的な問題)またはセキュリティの修正のみが提供されます。
  • Oracle Database 12.2.0.1向けの"Limited Error Correction"は無償で提供されます
  • Oracle Database 12.2.0.1の不具合修正は、2020年11月のPremier Support終了までの予定でした。しかし、"Limited Error Correction"の提供により、重要度1またはセキュリティの修正に限定されますが、提供期間が2022年3月まで延長されることになります。
    • 12.2リリースファミリーの次のリリースファミリーの Long-Term Releaseは2020年リリースのOracle Database 22cになる予定です。Limited Error Correctionの提供期間が2022年3月までなのは、22cまでの「繋ぎ」という意味合いもありそうです。
  • Oracle Database 12.2.0.1は 12.2リリースファミリーのTerminal Release または Long-Term Releaseでないため、Extended Supportの提供対象外でした。
    • 12.2リリースファミリーの Long-Term Release は Oracle Database 19cです。
  • "Limited Error Correction" にはいくつかの制限があります。詳細はMOS Note: 161818.1 – Oracle Database (RDBMS) Releases Support Status Summary) を参照ください。
  • 2020/6/3追記 FAQをまとめたMOSドキュメントが公開されています。

[補足] Premier Supportとは / プレミアサポートとは

  • 製品のリリース(GA)から5年間提供され、サポート内容はいわゆる「フルサポート」です。

[補足] Extended Supportとは

  • Premier Support終了後に提供される(場合がある)、「フルサポート」に準ずる内容のサポートです。
    • 新しくリリースされた他社製品への対応(新しいWindows Serverなど)は含まれない。
  • すべてのリリースに対してExtended Supportが提供されるわけではありません。いわゆるTerminal Release または Long-Term Releaseに対してのみ提供されます
    • Extended Supportが提供されたリリースの抜粋: 11.2.0.4, 12.1.0.2,19c
  • Extended Supportは原則有償(通常のサポート費用に加えて、 Extended Support用の追加費用が発生)ですが、期間限定で無償の場合があります。
    • 最近では11.2.0.4, 12.1.0.2で無償Extended Supportが提供されました。
      • 当然ですが、無償Extended Supportの期間が終了した後、Extended Supportを受けるためには、追加費用の支払いが必要です。

[補足] Sustaining Supportとは

  • Premier SupportまたはExtended Supportの終了後に提供される、サポート内容ががかなり限定されたサポートです。
  • 提供期間は無制限です。サポート契約を継続する限り、いつまでもSustaining Supportを受けることができます。
    • この意味で、(最近の)オラクル製品に対して「サポート切れ」をいう言葉を使うのは厳密には正しくありません。 Sustaining Supportでは新しい修正が作成されませんが、サポートは受けられます。

[補足] 重要度1(SEV1, Severity 1)とは

https://www.oracle.com/jp/support/support-services-list/ より

重要度1とは、「本番環境」でサポートが締結されているプログラムが使用できない場合、大きな影響を受けて業務を合理的に継続出来ない場合をいい、お客様の業務の遂行に全面的に支障がある状態、ビジネス上ミッション・クリティカルであり緊急の状態をいいます。テスト用または開発用の環境では重要度1のリクエストを承れません。また、テクニカル・サポート・ポリシーに指定されている状態のうち、一つ以上を含む場合に重要度1を指定することができます。
(参考)Oracle Software テクニカル・サポート・ポリシーの「重要度の定義」

プロフィール

On7tWW6m1Ul4

渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

カテゴリー

アーカイブ