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Oracle ACEの渡部です。先日、とうとうオンプレミス環境向けのOracle Database 21cがリリースされました!(ただしLinux版 限定) これを受けて、Oracle Database 21cの位置づけや重要な新機能などについてまとめます。
Oracle Database 21cは、"Innovation Release"に位置づけられるリリースです。すなわち、以下の特徴があります。
年次リリースモデルにおけるリリースとしては、21cのInnovation Releaseのほかに、Long Term Releaseがあります。現在存在するLong Term Releaseは、19cのみです。
両者を比較します。
Long Term Release Innovation Release
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Premier Support 5年間 2年間
Extended Support 3年間 なし
年次リリースモデルについては、以下の資料を参照ください。
2021年8月時点で予定されている21cのサポート期間は以下の通りです。
オラクル製品のサポート期間は無期限です(= "Oracle Lifetime Support")が、いわゆる「フルサポート」の期限が決まっています。
詳細情報および最新情報は以下をご確認ください。
上記の通り、"Innovation Release"に位置付けられる、Oracle Database 21cのフルサポート期間は2年のみです。 このため、原則的にOracle Database 21cを本番系システムに使用してはいけません。
例外は以下のケースです。
大抵のケースで、上記例外は受け入れにくいものと思います。この場合は、Long Term Releaseを使用しましょう。
現在存在するLong Term Releaseは、19cのみですから、19cが本番系システムにおける事実上唯一の選択肢となるはずです。
Oracle Database 19cとは何か? どういう位置づけのリリースなのか?
以前からアナウンスされていましたが、とうとう非CDB構成(non-CDB構成、従来の構成)がサポート対象外となりました。
以下は21cのDBCAの画面ですが、確かに"Create as Container Database"(日本語環境では「コンテナ・データベースとして作成」)のチェックが外せないようになっています。
18cで導入された読取り専用ORACLE_HOMEがデフォルト化されています。 これにより、以下のファイルが配置されるディレクトリパスが変わります(主なファイルを抜粋)。
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spfile(初期化パラメータファイル) ORACLE_HOME/dbs ORACLE_BASE/dbs
パスワードファイル ORACLE_HOME/dbs ORACLE_BASE/dbs
listener.ora, tnsnames.ora, sqlnet.ora ORACLE_HOME/network/admin ORACLE_BASE/homes/<Oracleホーム名>/network/admin
Oracleホーム名は自動的に命名される文字列で、"OraDB21Home1"などの文字列となります。
日本で6名しかいないOracle ACE (Oracle Database分野) の1人である、plusultraさんの記事も参考になります。
EM Express(Oracle Enterprise Manager Database Express)が非推奨になっています。 あくまでも「非推奨」であるため、21cで使用可能ですが、今後のリリースで提供が終了される可能性があります。
GUI画面を使ったデータベースの運用や監視を行う場合の代替策は、Enterprise Manager Cloud Control(EMCC)やSQL Developerが考えられます。
EM Expressが非推奨になった背景には、EM ExpressがFlashを使用して実装されていたことがあると考えています。 一部機能はJETで再実装していましたが、すべての機能を再実行する必要性が薄いと判断されたのではないでしょうか。
Flashサポート終了/廃止にともなうOracle Enterprise ManagerのJET化状況まとめ《随時更新, 2020年12月時点》
なお、21cの廃止機能、非推奨機能については以下の記事を参考にしてください。
Oracle 21cリリース!& 新機能/サポート終了/非推奨機能メモ
オンプレミス版Oracle Databaseとして、2021年8月時点でリリースされているのはLinux版のみです。 Windows版など、Linux以外のプラットフォーム向けにはリリースされていません。
個人的には、"Innovation Release"という位置づけから、Linux以外のプラットフォーム向けのリリースが遅れる、リリースされない可能性もあるのかなぁと思っています。(新機能のプレビューには十分という視点。正直わかりませんが)
HP-UX IA64版とWindows x64版のOracle Database 21cがリリースされています。
すでに記載した「DBCAでのCDB構成必須化」以外、特に大きなものはありません(細かい点では、APEXを除外不可になっているようです)。
しいて言えば"21c"のフォントがオシャレになったことでしょうか ;-P
Windows版のOracle Database 21c がリリースされています。