株式会社コーソル

コーソルDatabaseエンジニアのブログ

技術ブログ

Dbvisit Standby 10 国内向けにリリース! さっそく新機能を紹介

Oracle ACEの渡部です。Oracle SE向けの災害対策ソフトウェア Dbvisit Standbyの新バージョンv10が国内向けにリリースされました! この記事では、Dbvisit Standby 10の新機能についてご紹介します。

Dbvisit Standby 10の新機能

バージョン10の主な新機能は以下の通りです。

  • 有償 Snapshot Optionが標準機能に(追加費用不要)
  • 運用中のPDBの追加・削除に対応(PDB数3まで)
  • ネットワーク処理の改善

Dbvisit Standby Version v10.0 - New Featuresにも記載があります。

なお、2021年5月時点で、サポートOSはLinuxとWindowsのみであることに注意してください。

新機能1: 有償 Snapshot Optionが標準機能に

純粋な意味では「新機能」ではないのですが、従来は有償のオプションだったSnapshot Optionが標準機能に取り込まれ、追加費用不要で利用できるようになりました。 機能名は、「Reporting Replicas and Dev/Test Snapshots」のようですが、本記事では略して単に「Snapshot機能」と書きます。

DbvisitのSnapshot機能とは

DbvisitのSnapshot機能を使うと、以下のことが可能になります。

  • スタンバイDBのコピーを作成し、全く別個のデータベースとして自由に活用できる。
    • スタンバイDBのコピーは「(スタンバイDBの)スナップショット」と呼ばれる。
  • 異なる時刻におけるスタンバイDBのスナップショットを複数作成できる。
  • スナップショットは読取り専用 or 読み書き可能のいずれかのモードでOPENできる。
    • 読取り専用OPENして、特定時点のデータを基にしたレポート生成やデータ抽出が可能
    • 読み書き可能OPENして、アプリケーションの開発/テスト用のデータベースとして使用可能。また、SQLチューニングなど、データベース運用作業に関するテストデータべースに活用可能。

スタンバイDBと、スタンバイDBのスナップショットは独立した別個のデータベースです。 スタンバイDBのスナップショットに対して変更を加えても、スタンバイDBにその変更は波及しません。

また、スタンバイDBのスナップショットの利用中、スタンバイDBは通常のスタンバイ動作を継続します。 すなわち、ログ同期(ログ転送+適用)を継続します。スタンバイDBは、プライマリDBの変更に追従し、プライマリDBの安全なスペアという役割を担い続けます。

Snapshot機能を構成する2つの機能

DbvisitのSnapshot機能には、以下の2つの機能があります。

  • Test/Dev Snapshots (旧: Single Snapshots / シングルスナップショット)
  • Reporting Replicas (旧: Snapshot Group / スナップショットグループ)

メカニズムや考え方がシンプルで理解しやすいのは、Reporting Replicas(シングルスナップショット)です。 スタンバイDBのコピーを1つ作成し、スタンバイDBとは全く別個の独立したデータベースとして、自由に活用する機能です。必要になったら作成し、不要になったら適宜削除します。

Test/Dev Snapshots(スナップショットグループ)は、シングルスナップショットを作成および削除を定期化/自動化した位置づけです。定期的にスナップショットを作成することで、準リアルタイム的にプライマリDBの変更に追従することを狙っています。

Snapshot機能の管理コンソール画面

  • Reporting Replicas
  • Test/Dev Snapshots

の2つの項目が用意されており、対応する機能の制御が可能です。

Reporting Replicasの動作イメージ

Reporting Replicas(シングルスナップショット)の動作イメージは以下の通りです。

上記で説明した、DbvisitのSnapshot機能の特性がそのままあてはまります。

Test/Dev Snapshots の狙い

Snapshotグループは、Active Data Guardのリアルタイム問合せモード(スタンバイDBにREDO適用しつつ、スタンバイDBを読取り専用モードでオープンできる)を意識して作られた機能のようです。

Active Data Guardのリアルタイム問合せモードの狙いは、プライマリDBへの追従とスタンバイDBのOPENを両立することと言えます。

Snapshotグループは、少し異なる仕組みで、この狙いを達成しようとしています。 Dbvisitが基礎とする技術である基本スタンバイでは、REDO適用中のスタンバイDBをOPENすることはできません。このため、若干力業的ですが、一定間隔でREDO適用中のスタンバイDBを複製することで、準リアルタイム的(=一定間隔毎にスタンバイDBが新しくなる)にプライマリDBに追従する動作を実現しています。

Test/Dev Snapshotsの動作イメージ

Test/Dev Snapshots(Snapshotグループ)は、シングルスナップショットを作成および削除を定期化/自動化した位置づけです。定期的にスナップショットを作成することで、準リアルタイム的にプライマリDBの変更に追従することを狙っています。

ただ、単に、1つのスナップショットを作成→削除するだけだと、スナップショットを利用できない時間帯ができてしまいます。よって、Snapshotグループでは、複数のスナップショットをグループ化して、循環的にスナップショットを作成することで、この問題に対処しています。

Snapshotグループ作成時に、グループに含まれるスナップショットの個数を指定します。1~4のスナップショット数を指定できます。

Snapshotグループの動作イメージは以下の通りです。(スナップショット数=2の場合)

  • 一定間隔でスナップショットが自動的に作成されます。
  • グループ作成時に指定したスナップショット数を常に維持するように動作します。
    • (スナップショット数+1)個のスナップショットが存在するタイミングが発生しえます
  • シングルSnapshotsの場合と同様に、スナップショットはスタンバイDBとは独立したデータベースです。
    • スナップショットは更新含め、自由に使用可能です。
  • スナップショットは自動的に削除されます。

Snapshot機能の仕組みイメージ

DbvisitのSnapshot機能はLinux LVMのスナップショットをベースに実装されています。

このため、2021年5月時点でDbvisitのSnapshot機能はLinux限定リリースです。 Windowsでは、DbvisitのSnapshot機能を使用できません。

  • データベース構成ファイルを含むLV(論理ボリューム)のスナップショットボリュームを作成し、このスナップショット上のデータベース構成ファイルからインスタンスを立ち上げる
  • あらかじめLV内にスタンバイDBを配置しておく必要がある。
  • スナップショットが配置されたLVを含むVGに、スナップショット分の空き領域が必要
  • DbvisitのSnapshot機能は内部的にでLVMスナップショット機能を使用するが、LVMの操作は隠ぺいされている(使用者はLVM関係のコマンドを使う必要はない)
  • LVMスナップショットはいわゆるCoW(Copy on Write)なので、変更分のみストレージを消費する

Snapshot機能を適用できる領域

以下の領域にDbvisitのSnapshot機能を活用できると考えています。

  • すでにスタンバイDBを運用しているが、スタンバイDBをより有効活用したい場合
  • データベースの高可用性と開発生産性向上、プライマリDBの負荷軽減/処理の分散の一石二鳥を狙いたい場合

新機能2: 運用中のPDBの追加・削除に対応(PDB数3まで)

以前のバージョンでも、Dbvisit Standbyはマルチテナント環境に対応していましたが、 運用中のPDBの追加・削除に対応していませんでした。

この制約は、当初Oracle Standard Edition 2がシングルテナント構成(PDB数が1のみ)しか サポートしていなかったため、問題になりませんでした。

19c Standard Editionで最大3つのPDBが作成可能に!

しかし、2020年9月に、Oracle SE2(とマルチテナントオプション未購入のEnterprise Edition)で、最大3つのPDBが作成可能になったため、 Oracle SE2であっても、運用中にPDBを追加・削除する状況が想定されるようになりました。 このような状況を踏まえて、Dbvisit Standby v10では運用中のPDBの追加・削除に対応したと考えています。

新機能3: ネットワーク処理の改善

ネットワーク通信における、エラー処理やログ出力が改善されています。

Dbvisit Standbyの概要

Dbvisit Standby は歴史が長く、全世界および日本での導入実績も多数ある製品で、安心してご利用いただけます。 2021年7月時点での国内での最新バージョンはDbvisit 10.0.0 です。

コーソルでは、以下のような点でお困りのお客様にDbvisit Standbyをお勧めしています。

  • Oracle 災害対策環境を低コストで実現したい
  • Oracle Database Standard EditionでData Guard相当の機能を実現したい
  • YDC社 Standby Expressの後継製品を探している
  • カスタムスクリプトで実装した基本スタンバイを止めたい

なぜコーソルからDbvisit Standbyを購入すべきなのか

コーソルはDbvisit Standbyの一次代理店で、Dbvisit Standbyの製品販売を行います。 加えて、Dbvisitの導入およびサポートを行います。

コーソルのDbvisit Standby販売など

SIer様、販社様がDbvisit Standbyを販売および導入することも可能です。

コーソルのOracle DatabaseおよびDbvisit Standbyの技術力は日本随一です。

コーソルからDbvisit Standbyを購入いただけると、認定資格Dbvisit Standby Certified Associate取得者数12名、ORACLE MASTER Platinum 単年取得者数7年連続No.1(2014年度~2020年度)、計9冊のOracle関連書籍執筆という指標に裏付けされた高い技術力により責任もって製品を導入いたします。また、導入後も品質の高い製品サポートをご提供いたします。

総勢12名のエンジニアが認定資格Dbvisit Standby Certified Associateを取得

Dbvisitに関わる総勢12名のエンジニアが認定資格Dbvisit Standby Certified Associateを取得しました!

Dbvisitに関する技術的な知見をセミナーおよび技術ブログで発信

Dbvisit関連ブログ記事を多数公開

Dbvisit関連ブログ記事一覧

計9冊のOracle関連書籍を執筆

ORACLE MASTER Platinum取得者数 No.1

  • 単年度ORACLE MASTER Platinum取得者数7年連続No.1

7年連続ORACLE MASTER Platinum取得者数No.1! Oracle Certification Award 2020

社員のエンジニア教育に尽力

コーソルは、社員のエンジニア教育に多くのリソースを投下しています。主に以下の取り組みを行っています。

  • 資格取得推進(受験料の会社負担など)
  • 社内セミナーの定期的な実施
  • 社内検証環境の整備

db tech showcase Tokyo 2019 コーソルのエンジニア育成セッション 発表骨子と資料の公開 #dbts2019

セキュリティ施策を徹底

  • 専門部署(コンプライアンス推進室)を設定し、セキュリティ施策を徹底
  • プライバシーマーク取得 : 2007年6月
  • ISMS (ISO 27001) 取得 : 2007年10月

Oracle DatabaseのDBAサービスを提供可能

Dbvisit Standbyと併せて使用される、Oracle Databaseについても製品販売、製品サポート、製品の導入を行います。また、リモート回線経由でスポット的なDBA実務を行うリモートDBAサービス、コンサルティングやベンダコントロールを含めたOracle Databaseプロフェッショナルサービスを時間制で提供する時間制DBAサービスも提供しています。

リモートDBAサービス

コーソルのDbvisitサービス

プロフィール

On7tWW6m1Ul4

渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

カテゴリー

アーカイブ