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OCI Base Database Service限定でOracle 23cが正式リリース

Oracle ACE Proの渡部です。 Oracle Database 19cに続くLong Term Support Releaseである Oracle Database 23cが、 OCI Oracle Base Database Service限定で正式リリース(GAリリース)されました。

Oracle Database 23cとはどういう位置づけのリリースか?

Oracle Database 23cの位置づけについて以下に整理します。

長期間サポートとしての23c

23cは、年次リリースモデルにおける"Long Term Support Release / Long Term Release"として位置づけられ、他のリリースよりもPremier Supportの期間が長いです。また、3年間のExtended Supportが提供されます。

2023年9月時点で、存在するLong Term Support Releaseは、23cと19cのみです。

年次リリースモデルについては、日本オラクルさまによる以下の資料を参照ください。

Long Term ReleaseとInnovation Releaseのサポート期間

Long Term Release(23c, 19c)とInnovation Release(21c)のサポート期間を比較します。

                              Premier Support    Extended Support
                              -----------------  ------------------
Long Term Release (23c, 19c)  5年間              3年間
Innovation Release (21c)      2年間              なし

Oracle Database 23cのサポート期間(2023年9月時点)

2023年9月時点で、23cのサポート期間は公開されていません。

  • Premier Support終了: 202?年?月
  • Extended Support終了: 202?年?月
  • Sustaining Support終了: 期限なし(無期限)?

非CDB構成がサポート対象外となる初めての長期間サポートリリース

以前からアナウンスされていましたが、Oracle 21cから、とうとう非CDB構成(non-CDB構成、従来の構成)がサポート対象外となりました。以下は21cのDBCAの画面ですが、確かに"Create as Container Database"(日本語環境では「コンテナ・データベースとして作成」)のチェックが外せないようになっています。

よって、Oracle 23cは非CDB構成がサポート対象外となる初めての長期間サポートリリースとなります。言い換えると、Oracle 23cでは、マルチテナント構成(CDB構成)しか使用できません。

2023年9月時点の注意点

Base Database Serviceのみ導入可能

2023年9月時点で23cがリリースされている導入形態は、OCI Oracle Base Database Serviceのみです。

すなわち、オンプレミス環境やBase Database Service以外のOCIデータベースサービスではまだ使用できません。いずれリリースされると思いますので、もう少し待ちましょう…。

ま、Oracle Database 19cの無償Extended Support期間が1年から2年に延長された時点で、この種の展開は若干予想されていた気もします…。

Oracle Database 19c 無償Extended Support期間が1年から2年に延長

一部機能制限あり (2023/11/14追記)

https://docs.oracle.com/en/cloud/paas/base-database/about/index.html#GUID-36EDEC15-1058-4451-B94D-7DA83A5CAAC7 に記載がありますが、2023年11月時点では以下の機能は使用できません。

  • Oracle Database Standard Edition
  • 複数ノードのRAC DB System
  • Armベース Ampere VM.Standard.A1.Flex シェイプ
  • 旧バージョンから23cへのアップグレード
  • Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Service (ZRCV)へのバックアップ
  • データベース・ソフトウェア・イメージ(いわゆる「ゴールドイメージ」)
  • OCI Vault統合

Oracle Database 23c Freeとの関係

Oracle Database 23c Freeはオンプレミスなどに導入可能ですが、 製品サポートは受けられない、パッチなども提供されない点に注意してください。よって、23c Free は、重要度がある程度高い商用システムに使われることはないはずです。

Oracle Database 23c Free – Developer Releaseがリリースされました!

23cで導入された主な新機能

23cで導入された主な新機能については、日本オラクルさまによる以下のセミナー資料がとても参考になります。

OSS/Web系領域で生まれたテクノロジを貪欲に取り込んでいく方向性が見て取れます。

23cの主な廃止機能

EM Expressが廃止

21cで非推奨になったEM Express(Oracle Enterprise Manager Database Express)が、23cで廃止されました。

GUI画面を使ったデータベースの運用や監視を行う場合の代替策は、Enterprise Manager Cloud Control(EMCC)やSQL Developerが考えられます。

従来型監査機能が廃止

監査を行う場合は、統合監査を使用することになります。

32bit版のOracle Clientが廃止

32bit版のOracle Clientが廃止されます。ほとんどいないとは思いますが、何らかの理由で32bit OSの使用を継続している環境では要注意です。

21c, 19c の廃止機能、注意点

  • SE-RACが使用できない / Standard Edition RACの廃止
  • 読取り専用ORACLE_HOMEのデフォルト化

過去リリースにおける廃止機能、非推奨機能については以下の記事を参考にしてください。

Oracle 21cリリース!& 新機能/サポート終了/非推奨機能メモ

Oracle Database 19cとは何か? どういう位置づけのリリースなのか?

23cへのアップグレード/移行

直接アップグレードに対応するリリース

23cへの直接アップグレードに対応するリリースは以下の通りです。

  • 21c
  • 19c

上記リリースよりも古いリリースを直接アップグレードする場合、そのリリースから、まず19cなどのリリースに一旦アップグレードしてから、さらに23cにアップグレードにする手順を踏む必要があります。

また、ロジカルレプリケーションなど、直接アップグレード以外の方法を使用することも可能です。

プロフィール

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渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

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