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オンプレミス版Oracle Database 23aiのリリース予定日が後ろ倒しに

Oracle ACE Proの渡部です。

Oracle Database 19cのPremier Supportの終了日が2年間延長され、2026年4月末になりました… 嫌な予感がしますよね?? そうです、Oracle Database 23aiのオンプレミス版のリリース予定時間が後ろにズレ込みました…

  • 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
  • オラクル製品のサポートの詳細についてはサポート契約締結先の会社 に確認ください。

19c Premier Supportの終了日が2年間延長

数日ほど前に明らかになったことですが、Oracle Database 19cのPremier Supportの終了日が2年間延長され、2026年4月末になりました。

オラクル界隈の方であれば共感いただけると思うのですが、これは23ai提供開始の観点からはあまり良くないニュースです…

19cに続くLong Term Supportリリースは23ai

本番システムで使用するOracle Databaseのリリースは、事実上Long Term Supportのリリースだけとなります。

しかし、現時点(2024年6月時点)で「オンプレミス版」が提供されているLong Term Supportのリリースは19cだけです。このため、23cの「オンプレミス版」が提供開始が待たれていたのですが・・・

23aiオンプレミス版の提供予定時期が2024年後半に

Oracle Databaseの次期Long Term Supportである23ai(旧 23c)は、クラウド版が提供されています。しかし、、いわゆる「オンプレミス版」は提供されていません。提供されているのには "Oracle Database 23ai Free"のみです。

Oracle Database 23aiがクラウド限定でリリース。Free版も

このため、23cの「オンプレミス版」が提供開始が待たれていたのですが、提供開始時期が以前の予定の "1H CY2024(カレンダー上の2024年上半期、すなわち2024年1月~6月)"から、 "2H CY2024(カレンダー上の2024年下半期、すなわち2024年7月~12月)"に変更されてしまいました…(19c Premier Supportの終了日が2年間延長された時点で若干予想されていたことではありますが…)

言わずもがなですが、企業システムのシステム更改においてOracle Databaseのバージョン選択は重要なトピックです。今後長くサポートされるバージョンを適切に選択しないと、システム運用中にOracle Databaseのサポートに関わる問題に直面することになります。

このため、オンプレミス環境の企業システムでは、Oracle Databaseの次期Long Term Support 23ai オンプレミス版の早期提供が待たれています。

[参考] Oracle Database 23ai/23c関連記事

Oracle Database 23aiがクラウド限定でリリース。Free版も
OCI Base Database Service限定でOracle 23cが正式リリース
Oracle Database 23c Free – Developer Releaseがリリースされました!

[参考] Oracle Database 19c関連記事

Oracle Database 19c 無償Extended Support期間が1年から2年に延長

Oracle Database 19cとは何か? どういう位置づけのリリースなのか?

VM作成からのOracle 19cインストール手順 前編(Linuxシングル)

VM作成からのOracle Restart 19cインストール手順

Oracle Database 19c では、SE2でRACはサポート対象外

Oracle Database 19c(19.3) オンプレミス版リリース

「Oracle Database 19cの注目ポイント 15」発表資料公開 – JPOUG in 15 minutes #8

Oracle 19cへの移行/アップグレードにSharePlexをお勧めする理由

[補足] サポート関連のキーワード

  • 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
  • オラクル製品のサポートの詳細についてはサポート契約締結先の会社 に確認ください。

Premier Supportとは

  • Premier Supportは、製品のリリース(GA)から一定の期間で提供される いわゆる「フルサポート」です。
    • Premier Supportの提供期間は通常5年間ですが、今回の措置で19cは例外的に7年間となりました。
  • Premier Supportには、新しくリリースされた他社製品への対応(新しいWindows Serverなど)が含まれます。
    • Extended SupportとPremier Supportの違いは、この「新しくリリースされた他社製品への対応」です。

Extended Supportとは

  • Premier Support終了後に提供される(場合がある)、「フルサポート」に準ずる内容のサポートです。
    • Premier Supportは、製品のリリース(GA)から5年間提供される いわゆる「フルサポート」です。
  • 新しくリリースされた他社製品への対応(新しいWindows Serverなど)は含まれません。
  • すべてのリリースに対してExtended Supportが提供されるわけではありません。いわゆるTerminal Release または Long-Term Releaseに対してのみ提供されます
    • これまで Extended Supportが提供されたリリースの例: 11.2.0.4, 12.1.0.2, 19c

Sustaining Supportとは

  • Premier SupportまたはExtended Supportの終了後に提供される、サポート内容ががかなり限定されたサポートです。
  • 提供期間は無制限です。サポート契約を継続する限り、いつまでもSustaining Supportを受けることができます。
    • この意味で、(大昔を除く)オンプレミス環境のオラクル製品に対して「サポート切れ」をいう言葉を使うのは厳密には正しくありません。 Sustaining Supportでは新しい修正が作成されませんが、技術問合せ対応は受けられます。

OCIのDBサービスのサポート

この記事におけるサポートについての記述はオンプレミス環境を前提にして記載しています。このため、この記事の記載はOCIを含めたクラウド環境には適用されません。

オンプレミス環境とOCIのDBサービスのサポートにはいくつか相違点はありますが、大きなものは以下です。

  • OCIのDBサービスの提供期間≒Premier Supportの期間+Extended Supportの期間(Error Correction、マーケットドリブンサポートなど一部例外あり)となり、実質的にSustaining Supportが提供されないことになる
  • OCIのDBサービスでは、Extended Supportを追加費用なしで使用可能

必要に応じて以下の文書も参照ください。

重要度1(SEV1, Severity 1)とは

提供されるサポート内容は、問題の重要度によって異なる場合があります。特に、重要度1の問題は特別な位置づけにあり、以下が提供されることが明記されています。

  • 24時間体制でのサポート
  • 1時間以内の応答に向けた合理的な努力

重要度1の定義

重要度1とは、「本番環境」でサポートが締結されているプログラムが使用できない場合、大きな影響を受けて業務を合理的に継続出来ない場合をいい、お客様の業務の遂行に全面的に支障がある状態、ビジネス上ミッション・クリティカルであり緊急の状態をいいます。テスト用または開発用の環境では重要度1のリクエストを承れません。また、テクニカル・サポート・ポリシーに指定されている状態のうち、一つ以上を含む場合に重要度1を指定することができます。
(参考)Oracle Software テクニカル・サポート・ポリシーの「重要度の定義」

  • 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
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プロフィール

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渡部 亮太

・Oracle ACE
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g, 12c 他多数

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