ORACLE MASTER Silver DBA 2019黒本を執筆しました
Oracle ACEの渡部です。私とコーソルの有志で執筆した 試験対策書籍「オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I 」が、翔泳社さんから2021年5月28日に発売されます! この本は、いわゆる「ORACLE MASTER Silver DBA 2019」試験の試験対策書籍です。
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I とは
歴史ある翔泳社さんの資格対策書籍シリーズである、いわゆる「黒本」の新Silver DBA版です。
この書籍は、2020年2月に開始された新しいORACLE MASTER試験である
「Oracle Database Administration I(試験番号1Z0-082)」
の試験対策書籍です(以下、「新Silver DBA黒本」と記載)。新Silver DBA黒本は、2021年4月時点で、1Z0-082試験に対応する唯一の試験対策書籍です。
この試験に合格すると、ORACLE MASTER新体系における資格「ORACLE MASTER Silver DBA」を取得できます。
- 認定資格名: ORACLE MASTER Silver DBA
- 前提条件: なし
- 試験: 1Z0-082 Oracle Database Administration I
- 受験料:
32,340 円(税込) 29,400円(税別)(2021年7月時点) → 37,730 円 (税込) (2022年12月1日より)
- 出題形式: 選択問題
- 試験時間:
150 分 → 120分 (2022年9月1日から変更)
- 出題数:
90 問 72問 (2022年9月1日から変更)
- 合格ライン: 60 % (2021年7月時点)
- 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
- 書籍に関する質問については、書籍記載の「本書内容に関するお問い合わせについて」を参照してください。これで解決しない場合は、翔泳社の問合せページから問い合わせてください。
- オラクル社の試験については、Oracle University に確認ください。
新Silver DBA黒本の各種データ
- 著者: 渡部 亮太、舛井 智行、杉本 篤信、西田 幸平
- 監修: 日本オラクル株式会社 (オラクルユニバーシティ)
- 発売日: 2021年05月28日
- 価格: 本体5,500円(税込)
- 紙書籍 ISBN: 9784798166353
- 紙書籍 仕様: A5サイズ / 888ページ
新Silver DBA黒本のアピールポイント
- 日本オラクルさんが監修!
- 日本で6名しかいないOracle ACE (Oracle Database分野)であり、これまでにOracle Database関連の著書を6冊執筆している渡部が責任持って主担当として執筆
- 各章末に豊富な練習問題、巻末に模擬試験1回分を掲載!
- 書籍巻末に記載された模擬試験を、スマホなどから回答できるWebアプリあり!
- 電子書籍もあります!
模擬試験Webアプリについて
書籍巻末に記載された模擬試験を、スマホなどから回答できるWebアプリです。
- URLは書籍に記載されています。
- 使用には、SHOEISHA iDログイン(登録は無償)が必要です。
- 初回ログイン時に書籍記載のアクセスキーが求められます。
- 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
- 書籍に関する質問については、書籍記載の「本書内容に関するお問い合わせについて」を参照してください。これで解決しない場合は、翔泳社の問合せページから問い合わせてください。
- オラクル社の試験については、Oracle University に確認ください。
本書の章立て
- 第1章 Oracle Databaseアーキテクチャの理解
- 第2章 Oracleデータベースの作成および各種ツールの使用
- 第3章 データベースインスタンスの管理
- 第4章 Oracle Net Serviceの設定
- 第5章 ユーザー、ロールおよび権限の管理
- 第6章 表領域およびデータファイルの管理
- 第7章 データ格納のための記憶域の利用
- 第8章 UNDOの管理
- 第9章 データの移動
- 第10章 SQLの基礎とデータの扱い
- 第11章 データの選択(検索)およびソート
- 第12章 単一行ファンクションを使用した出力のカスタマイズ
- 第13章 変換ファンクションおよび条件式の使用
- 第14章 集計ファンクションを使用したデータの集計
- 第15章 結合を使用した複数の表のデータの表示
- 第16章 副問合せ
- 第17章 集合演算
- 第18章 データの変更とトランザクション
- 第19章 DDLの理解および表の管理
- 第20章 シーケンス、シノニムおよび索引
- 第21章 ビュー
- 第22章 制約と一時表
- 第23章 タイムゾーンと期間
- 模擬試験
当然ながら、以下に記載している新Silver DBAの出題項目を完全に網羅しています。
1Z0-082 Oracle Database Administration I(新Silver DBA)とは
本書が対象とする試験「Oracle Database Administration I(試験番号1Z0-082)」は、
ORACLE MASTER新体系において、Oracle Databaseの基礎を概説的に学べる試験です。
1Z0-082 Oracle Database Administration I(新Silver DBA)の試験範囲について
新ORACLE MASTER Silver DBAの出題項目のイメージを以下にまとめます。
- 出題範囲は「旧Silver DBAの重要かつ基礎的な項目」+「旧12c SQLの項目」+「スキーマオブジェクト」+「タイムゾーン」というイメージです。
- 旧Silver DBAはデータベース管理分野中心でしたが、新Silver DBAではSQL分野が半分程度含まれます。
- 新Bronze DBA試験のみで、新Bronze資格を取得できることへの配慮と思われます。(旧Bronze DBAを取得するには旧Bronze SQLが必須だった)
- 旧Silver DBAから、以下に記載した、比較的高度なデータベース管理分野のトピックが除外されています。正直、旧Silver DBAはトピックが多く、学習が大変でした。
- データの並行性の管理 : ロック・メカニズムとOracleによるデータ並行性の管理方法について説明する / ロック競合を監視および解消する
- Oracle Database監査の実装 : 標準的なデータベース監査と統合監査を有効にする
- バックアップとリカバリの概念 : チェックポイント、REDOログ・ファイルおよびアーカイブ・ログ・ファイルの重要性について説明する
- バックアップとリカバリの設定 : 高速リカバリ領域を設定する / ARCHIVELOGモードを設定する
- データベースのバックアップの実行 : 一貫性のあるデータベースのバックアップを作成する / データベースを停止せずにデータベースをバックアップする / 増分バックアップを作成する / データベースのバックアップを自動化する / バックアップを管理する
- データベースのリカバリの実行 : リカバリを実行する必要があるかどうかを判断する / Recovery Manager(RMAN)とデータ・リカバリ・アドバイザを使用して制御ファイル、REDOログ・ファイルおよびデータ・ファイルのリカバリを実行する
- データベースのメンテナンスの実行 : サーバーが生成したアラートを使用する
- パフォーマンスの管理: SQLチューニング : SQLチューニング・アドバイザを使用する
- Oracle Schedulerの使用によるタスクの自動化 : Oracle Schedulerを使用して管理タスクを簡素化する / ジョブ・チェーンを使用して一連の関連タスクを実行する / リモート・システムでスケジューラ・ジョブを使用する / スケジューラの高度な機能を使用してジョブの優先度を指定する
- Oracle Databaseソフトウェアのアップグレード : データ移行方法について説明する / アップグレード・プロセスについて説明する
- DBAASの概要 : DBaaSインスタンスを理解する / マイ・サービス・ダッシュボードからのナビゲート / ユーザー認証とロール / 接続プロトコルとポート
旧Silver DBAから除外されている項目の多くはGoldで学ぶことになります。
新Silver DBAの出題項目
新ORACLE MASTER Silver DBAの出題項目は以下の通りです。
- Oracle Databaseアーキテクチャの理解 : Oracle Databaseインスタンス構成の理解 / Oracle Databaseのメモリーおよびプロセスの構造の理解 / 論理データベース構造および物理データベース構造の理解 / Oracle Databaseサーバー・アーキテクチャの理解
- Oracleが提供するツールを使用したOracle Databaseへのアクセス : Database Configuration Assistant(DBCA)の使用 / Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの使用 / Oracle Enterprise Manager Database Expressの使用 / SQL Developerの使用 / SQL Plusの使用
- データベース・インスタンスの管理 : Oracle Databaseインスタンスの起動 / データ・ディクショナリ・ビューの使用 / Oracle Databaseインスタンスの停止 / 動的パフォーマンス・ビューの使用 / 自動診断リポジトリ(ADR)の使用 / アラート・ログとトレース・ファイルの使用 / 初期化パラメータ・ファイルの管理
- Oracle Net Servicesの設定 : Oracle Net Services Administration Toolsの使用 / データベース・インスタンス間の通信の設定 / Oracle Net Listenerの設定 / Oracle Databaseインスタンスへの接続 / 専用サーバー構成と共有サーバー構成の比較 / ネーミング・メソッドの管理
- ユーザー、ロールおよび権限の管理 : ユーザーへの割当て制限の割当て / 権限の最小化の原則の適用 / プロファイルの作成および割当て / ユーザー認証方法の管理 / Oracle Databaseのユーザー、権限およびロールの管理
- 表領域およびデータファイルの管理 : 表領域情報の表示 / 表領域の作成、変更および削除 / 表のデータ・ストレージの管理 / Oracle Managed Filesの実装 / オンライン・データ・ファイルの移動および名前変更
- ストレージの管理 : 再開可能領域割当ての管理 / セグメントの縮小 / セグメント作成の遅延 / 領域節約機能の使用 / Oracle Databaseの領域管理機能のデプロイ / 様々なタイプのセグメントの管理 / 表および行の圧縮の使用 / ブロック領域管理の理解
- UNDOの管理 : トランザクションおよびUNDOデータの理解 / UNDO情報の格納 / UNDO保存の設定 / UNDOデータとREDOデータの比較 / 一時UNDOの理解
- データの移動 : 外部表の使用 / Oracle Data Pumpの使用 / SQL*Loaderの使用
- SQLのSELECT文を使用したデータの取得 : 列別名の使用 / DESCRIBEコマンドの使用 / SQLのSELECT文の使用 / 連結演算子、リテラル文字列、代替引用符演算子およびDISTINCTキーワードの使用 / SELECT文での算術式およびNULL値の使用
- データの制限およびソート : 式内の演算子に対する優先順位ルールの適用 / SQL文で返される行の制限 / 置換変数の使用 / DEFINEおよびVERIFYコマンドの使用
- 単一行関数を使用した出力のカスタマイズ : SQLのSELECT句およびWHERE句における文字関数を使用した文字列の操作 / 日付データの算術演算の実行 / ROUND、TRUNCおよびMOD関数を使用した数値の操作 / 日付関数を使用した日付の操作
- 変換関数および条件式の使用 : NVL、NULLIFおよびCOALESCE関数のデータへの適用 / 暗黙的および明示的なデータ型変換の理解 / TO_CHAR、TO_NUMBERおよびTO_DATE変換関数の使用 / 複数の関数のネスト
- グループ関数を使用した集計データのレポート : グループの結果の制限 / データのグループの作成 / グループ関数の使用
- 結合を使用した複数の表のデータの表示 : 自己結合の使用 / 様々なタイプの結合の使用 / 非等価結合の使用 / 外部結合の使用
- 副問合せを使用した問合せの解決 : 単一行の副問合せの使用 / 複数行の副問合せの使用
- SET演算子の使用 : SELECT文の照合 / set演算でのORDER BY句の使用 / INTERSECT演算子の使用 / MINUS演算子の使用 / UNIONおよびUNION ALL演算子の使用
- DML文を使用した表の管理 : データベース・トランザクションの管理 / データ操作言語の使用 / トランザクションの制御
- データ定義言語の理解 : データ定義言語の使用
- シーケンス、シノニムおよび索引の管理 : 索引の管理 / シノニムの管理 / シーケンスの管理
- 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
- 本記事で記載していない事項など、オラクル社の試験については、Oracle University に確認ください。
FAQ
- 旧Silver DBAと新Silver DBAのどちらを受ければよい?
→ 所属している会社のポリシーなど、何らかの理由でORACLE MASTER旧体系の試験/資格を受験する場合を除き、新Silver DBAを受験すればよいと考えます。旧Silver DBA試験よりもより本質的な内容になっている ためです。また、試験問題がバージョンに依存しない内容である点もよいと思います。
また、私の書いた新Silver DBA黒本がとてもわかりやすいのもあります ;-P
- Silver DBA取得にBronze DBAが必須でなくなったようですが、Bronze DBAを受ける意味はありますか?
→ Oracle Database初学者の方には、Bronze DBAの取得をお勧めします。理由は、Bronze DBAは、DBA観点でのOracle Databaseの基礎知識を学習するために手頃な試験であるためです。逆に、すでにDBA観点でのOracle Databaseの基礎知識を持っている方は、Bronze DBAをスキップして、Silver DBAからチャレンジすればよいでしょう。
- 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
- 書籍に関する質問については、書籍記載の「本書内容に関するお問い合わせについて」を参照してください。これで解決しない場合は、翔泳社の問合せページから問い合わせてください。
- オラクル社の試験については、Oracle University に確認ください。
新Silver DBAの学習方法について(参考記事リンク)
全体像
黒本著者によるORACLE MASTER Silver DBA 2019試験学習方法まとめ
SQL学習
環境構築が不要なORACLE MASTERのSQL学習方法(Oracle Live SQL)+黒本サンプルデータ
インストール(環境構築)
VM作成からのOracle 19cインストール手順 前編(Linuxシングル)
VM作成からのOracle 19cインストール手順 後編(Linuxシングル)
ORACLE MASTER新体系とは
新Silver DBA黒本が対象とする試験「Oracle Database Administration I(試験番号1Z0-082)」は、
ORACLE MASTER新体系の試験です。
渡部の考えるORACLE MASTER新体系コンセプト
- バージョン非依存の試験となり、資格のタイトルから製品バージョン表記(19cなど)がなくなりました。
- これにともない、Bronze DBA およびSilver DBAでは、バージョンに依存しない本質的な内容が問われるようになっています。
- Gold DBAでは、18c/19c新機能について問われます。
- Oracle Databaseのリリースが年次ベースとなり、Oracle Databaseのリリースに合わせた試験の準備が現実的に極めて困難になったことが背景にあるものと思われます。
- バージョン非依存の資格については、再認定ポリシーは適用されません。すなわち、認定資格が失効することはありません。ただ「ORACLE MASTER Gold DBA 2019」のように資格名称に英語版の資格がリリースされた年次が入ります。
- DBA向け資格として、Bronze DBA → Silver DBA → Gold DBA → Platinumという階層は変わりませんが、Bronzeを取得しなくてもSilverを取得できるようになりました。
- 試験が対応するOracle Databaseのバージョンにある程度幅を持たせています。今回 リリースされる試験は、12.1, 12.2, 18c, 19cに対応するとのことです。
- 従来の体系のORACLE MASTER(バージョン12cを対象とした資格体系)とは当面併存します。
- この記事内では、便宜上「旧」という表現を使用していますが、従来の体系のORACLE MASTERはしばらく継続されることに注意して下さい。
各資格別のポイント
- 旧Bronze DBAを取得するにはSQL系試験とDBA系試験の2つに合格する必要がありましたが、新体系のBronzeではDBA系の試験に合格すればBronze DBAを取得できます。
- DBA観点でのOracle Databaseの基礎知識を得る目的で、この試験/資格を活用しやすくなった印象を受けています。(SQLの勉強が不要なので)
- Silver DBAの試験内容にDBA系の内容と、SQL系の内容が含まれます。
従来、Silver DBAを所得するにはBronze DBAの取得が前提となっていましたが、新体系では、Bronze DBAなしでSilver DBAから受験することもできます。
- 試験だけでGold DBAを取得できます。旧体系で必要だった、Gold DBAの取得に必須研修(要履修コース)の受講は不要になりました。
- DBA系とは別に、Silver SQLという開発者やデータ・アナリスト向けの資格が新しく作られました。Oracle DatabaseでSQLを使ってデータを扱うスキルを証明する資格です。
ORACLE MASTER新体系の詳細
ORACLE MASTER新体系の詳細は、以下をご覧ください。
ORACLE MASTER 2019新資格体系とは – 18c/19c対応
- 本記事は情報提供を目的にしています。情報には正確を期していますが、これを保証するものではありません。
- 書籍に関する質問については、書籍記載の「本書内容に関するお問い合わせについて」を参照してください。これで解決しない場合は、翔泳社の問合せページから問い合わせてください。
- オラクル社の試験については、Oracle University に確認ください。