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Oracle ACEの渡部です。ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本を執筆した経験、および 社内の技術推進活動で得た経験をもとに、お勧めのORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策方法についてまとめます。
ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験の試験番号および正式名称は、 1Z0-082-JPN Oracle Database Administration Iです。
2020年2月から順次導入されたORACLE MASTER新体系における、もっとも基礎的なレベルの試験であるBronzeの次のレベルに位置付けられる試験です。
厳密にいうと、1Z0-082-JPN Oracle Database Administration Iが試験の名称で、 ORACLE MASTER Silver DBA 2019が、この試験に合格することによって得られる資格です。
ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本にしたがって勉強を進めるのが一番の対策方法です。
おかげさまで、2021年7月の時点でALL「★5」という高評価をいただいています!
この本には、「PC操作すらおぼつかない新卒入社者であっても、研修開始後約3か月半でORACLE MASTER Bronzeを取得でき、その後OJT中にSilverを取得できる」、コーソルの教育ノウハウが注ぎこまれています。できるかぎり効率的に試験合格に必要なスキルが得られるように工夫されていますので、ぜひこのノウハウを生かして一発合格してほしいと思います。
具体的な勉強方法についてのアドバイスは、ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本の前書きに書いていますが、この記事でも、若干の補足を交えつつ、あらためて書いておきます。
試験システム上は、実は、Bronze DBA試験に合格しなくても、Silver DBA試験の受験や資格の認定は可能です。しかし、Oracleの基礎知識が不足している人はまずBronze DBA試験を受験し、これに合格してからSilver DBA試験に挑戦するのが良いでしょう。
というのも、Silver DBA試験は、DBA編とSQL編から構成されており、学習すべき範囲が広いです。事実、ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本の総ページ数は888ページです。学習が大変なことが分かるかと思います。
ですが、Silver DBA試験のDBA編の内容は、8割程度Bronze DBA試験と8割ぐらい同様になっています。 このため、Oracleの経験が少ない人はまずBronze DBA試験に挑戦し、DBA分野の知識を得た後で、SQL編の知識を得ながらSilver DBA試験の挑戦するのがお勧めのステップです。
若干余談気味ですが、「すでにOracleの知識を持っている人が、Silver DBA試験の受験前にBronze DBA試験を受ける必要があるか?」というと若干微妙です。 ORACLE MASTER新体系 では、従来あった「Silver認定にはBronzeが必要」という制度上の縛りがなくなっています。個人的には「Oracleの経験がある人は、Bronze DBA試験をスキップしてもよい」気がします。
「試験勉強が得意な人はたいてい知っていること」ですが、試験合格の近道は過去問または模擬問題を繰り返し解いて、理解することです。
ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本には、試験で出題される問題を想定した章末の練習問題と最終章の模擬試験が用意されていますから、これらの問題に正しく回答できることを学習のターゲットにすべきです。
そして、練習問題と模擬試験を時間の許す限り、繰り返し解いて理解を深めてください。私は、試験に臨む自社の若手エンジニアに対して、「これらの問題を最低でも3回は解くこと!」と指導しています。
ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本には、丁寧に書き上げた解説編があり、もちろん有用なものなのですが、解説を一生懸命読んだあげく、練習問題と模擬試験を十分な回数解いていないのでは本末転倒です。くれぐれも、章末の練習問題と最終章の模擬試験に正答できることがターゲットであることを忘れないようにしてください。 「解説編は練習問題と模擬試験を理解するための補足資料」と考えるぐらいがちょうどよいかもしれません。
試験のポイントは練習問題と模擬試験に凝縮されていますが、問題の組立てや使われる用語、文章の表現などが本番の試験とは異なります。また、試験では、高度な内容が選択肢の一つとして含まれている場合もありますし、表現が分かりにくい場合もあります。
このため、当然ではありますが、回答の丸暗記では試験には太刀打ちできませんので、解説編で本質を理解して試験に臨みましょう。
「自分が本質を理解できているかどうか?」をチェックするには、問題のそれぞれの選択肢について、「なぜこの選択肢は正解なのか?」に加えて、「なぜこの選択肢は不正解なのか?」を自分の言葉で説明できるかどうかが使えます。理解があいまいだと、自分の言葉で説明することはできませんから(また、これは後述する「消去法」の実践にも役立ちます)。
ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験は、複数の選択肢から正答を選択するタイプの試験です。 このタイプの試験では、消去法を用いて正答を選択できることが極めて重要です。
なぜならば、本番試験の問題は、当然ながら問題の組立てや使われる用語、文章の表現などが書籍の練習問題や模擬試験とは異なります。また、試験では、試験範囲を超える高度な内容や、細かい内容が選択肢の一つとして含まれている場合もあります。また、表現が分かりにくい場合もあります。
消去法を使えば、このような場合でも「正答の候補」を絞り込めます。
消去法を使って正答を選択できるために重要なのは、「本質」の理解です。
「本質」を理解するためにお勧めしている学習方法は、問題を解くとき、解いた後で、それぞれの選択肢が正解である理由、不正解である理由をきちんと説明できるレベルまで理解するように努めることです。
ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本の執筆では、練習問題および模擬試験の回答解説は丁寧に書かれていますので、それぞれの選択肢が正解である理由、不正解である理由をきちんと理解できます。ぜひ、回答解説をしっかりと読み、理解してください。
なお、ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本の練習問題と模擬試験では、意図的に解説編と異なる表現や不親切な表現を使った問題をいくつか用意しています。このような状況であっても正答を選べるように、「本質」をしっかり理解してください。
経験上、本番試験では「試験範囲を超えているように思われる」問題が出題されます。また、そもそも、試験の合格ラインは65%です(2021年5月時点)
よって、「本番試験については」、満点を目指す必要は「全く」ありません。
しかし、ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本に掲載されている練習問題と模擬試験については、★★絶対に★★満点を取れるまで仕上げてください。強調しますが、満点は「できたらいいな」というような努力目標ではなく、必須条件です。
誤解されるといけないのですが、はっきり言うと、ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本は、 本番試験に出題されるすべての問題を「完全に」カバーすることを目標とはしていません。理由は、「完全に」カバーすることを目標にすると、説明が膨大になって、学習者の負担が増し、さらに、学習時にどこを理解すればよいか?というポイントを掴みにくくなるためです。また、試験を離れた実務の観点から見ても、「細かい部分の暗記を強いるのはいかがなものか」と私が考えているのもあります。
逆に言うと、ORACLE MASTER Silver DBA 2019試験対策本に掲載されている練習問題と模擬試験はポイントを絞ったものになっているのですから、これらについては、満点を取れるまで仕上げてください!
スマホやPC、タブレットから回答可能なWebアプリ版の模擬試験を用意しています。URLなど、Webアプリ版の模擬試験へのアクセスに必要な情報は書籍に記載されています。
移動中などスキマ時間での学習および理解度チェックが可能であり、模擬試験を繰り返し解くために非常に有用ですから、是非活用してください。
SQLに慣れてない場合、実際のSQLを実行して、SQLに対するイメージを掴むのよいでしょう。 SQLを実行できるOracle Databaseを用意できるのがベストですが、できない場合は、Oracle Live SQLを活用できます。
環境構築が不要なORACLE MASTERのSQL学習方法(Oracle Live SQL)
また、上記の記事では、ORACLE MASTER黒本のSQLデータを用意する方法についても説明しています。
上記のように、Oracle Live SQLを使えば、SQLの学習が可能です。このため、Oracle DatabaseおよびLinuxなどのITインフラ一般についての知識および経験が少ない場合、Oracle Databaseをインストールしようと無理に頑張らないほうがよいです。
もちろん、新しいことにチャレンジするのは素晴らしいことなのですが、大抵の場合、職業遂行上で覚えることは「山ほど」あります。 試験合格が目的なのであれば、無理に必要ないことに時間を費やすことは避けるべきです。
なお、何らかの理由でLinuxにOracle Databaseをインストールしたい場合、以下の記事を参考にしてみてください。
VM作成からのOracle 19cインストール手順 前編(Linuxシングル)
VM作成からのOracle 19cインストール手順 後編(Linuxシングル)
2020年から、ORACLE MASTER新体系が導入されています。 ORACLE MASTER新体系の大きな特徴は、試験がOracle Databaseのバージョンに1対1に対応しなくなったことです。
これにより、原則的にOracle Databaseのバージョンに依存しない本質的な内容が問われる形になっています。よって、特に理由がない限り、旧体系(Oracle 12c向け試験)ではなく、新体系の試験を受験することをお勧めします。
ORACLE MASTER 2019新資格体系とは – 18c/19c対応
コーソルでは、以下のORACLE MASTER関連書籍を執筆しています。 これらの書籍には、「PC操作すらおぼつかない新卒入社者であっても、研修開始後約3か月半でORACLE MASTER Bronzeを取得できる」教育ノウハウが注ぎこまれています。
ORACLE MASTER Bronze DBA 2019試験対策本を執筆しました
ORACLE MASTER Silver DBA 2019黒本を執筆しました
黒本著者によるORACLE MASTER Silver SQL 2019学習方法
ORACLE MASTER Gold DBA 2019試験対策本の発売日が決定しました
コーソルは、Oracle Databaseをはじめとするオラクル製品と仮想化製品に特化してプロフェッショナルサービスを提供する企業です。
コーソルは、エンジニアのスキルアップを重視する会社であり、それを十二分に踏まえて、人事制度や資格取得支援制度がつくられています。
制度面を整えるだけではなく、現場レベルで試行錯誤しながらエンジニア育成に奮闘しています。 コーソルは、会社創設3年後の2007年4月から毎年継続して新卒を採用しています。また、近年はおおむね4半期ごとに第二新卒を採用しており、 未経験者の育成には定評があります。
db tech showcase Tokyo 2019 コーソルのエンジニア育成セッション 発表骨子と資料の公開 #dbts2019
ORACLE MASTERの最上位試験であるPlatinumについては、Oracle Databaseについての多くの知識を問う丸2日間の実技試験であることによる有用性を高く評価し、若手エンジニアが成長するなかで取る資格として位置付けています。
その結果、コーソルはORACLE MASTER Platinumについて2016年6月以降 累計 No.1/7年連続単年 No.1を達成しています。
7年連続ORACLE MASTER Platinum取得者数No.1! Oracle Certification Award 2020
ORACLE MASTER Platinum取得に向けての取り組みについては、日本オラクル Oracle University様の人材育成活用事例として取り上げられています。