データベースは、大量のデータを整理することができる優れたシステムです。しかし、実際にデータベースの運用をするとなると、どうすればいいかわからないという人もいるでしょう。
本記事では、データベースの運用についてや、置く場所、運用にかかるコストなどについても詳しく解説します。
もしデータベースを導入したいと考えているなら、ぜひ参考にしてみてください。また、データベースのバックアップ方法も紹介するので、方法を把握しておくようにしましょう。
目次
データベース運用は何をすればよいのか
データベースの運用には、ログ監視やリソース監視などといったことが必要になります。データベース運用をきちんと行うことで、データベースを最適な状態で適切に運用することができるでしょう。
システムの安定稼働のためにも、データベースの運用は必須といえます。ここでは、データベースの運用について、一つずつ詳しくみていきましょう。
①ログ監視
ログとは、動作履歴・操作履歴などが記録されているものです。具体的には、いつ・どこで・何をしているのか、といった部分が記録されているということです。
そのため、ログ監視を行うことで、不審な操作や動作があった場合にすぐに把握することができます。つまり、原因を一から究明する必要がなく、ログ監視を行うことで、ある程度事前に把握ができているということになります。
もちろん、システムトラブルがあった場合にもすぐわかるため、対処も素早くできる点は重要です。
もしセキュリティに関する事故などが発生したときにも、いち早く知ることができるため、いつまでも放置してしまう、などということがありません。事故やトラブルを防ぐ面でも、ログ監視が必要といえるでしょう。
【関連記事】:システム監視項目の洗い出し方と管理に関する注意点を確認
②リソース監視
リソース監視もまた、データベース運用をする上で重要な点です。リソースとは、ストレージやサーバーのCPU、ネットワークなどのことを指し、各リソースの稼働状況を監視することによってシステムの安定した稼働が可能になります。
たとえば、容量が設定した値に達した場合や使用率が想定以上に多かった場合などはアラートが鳴るようにしておくことができます。
アラートで警告が発されれば、素早く対処することもできるでしょう。放置しておくと、使用率が突然上がってしまったときなどにシステムがダウンしてしまう可能性もあるかもしれません。
気が付いたら容量がパンクしていた、などということにならないためにも、リソース監視は重要な要素といえます。
③データベースの性能分析
データベースの性能分析を行うと、データベースを最適化した状態を維持できるでしょう。なぜなら、データベースを長期的に使用していると、性能の低下を起こすことがあるからです。
データベースの性能低下は、業務効率に大きくかかわります。データベースの性能を最大限発揮できていなければ、業務の遅れが出る可能性もあり、ユーザーに迷惑がかかることも考えられます。
性能の低下とは、具体的にはデータ容量の追加や機能の追加などのパッチをあてられるからであり、利用ユーザーの増減なども性能が低下する一因になります。
初期稼働のときにはなかった追加機能が途中で追加されることはよくあることで、時にはデータベースのバージョンアップも必要となるでしょう。
古いバージョンのままでは使えなくなってしまう場合も考えられます。ただし、データベースの成分分析を定期的に行うことで、性能の低下を予防することができます。
データベースを置く場所は?
データベースを置く場所に関しては、オンプレミスとクラウドの2種類があります。わかりやすく言うと、データベースを自前で準備するか、業者が用意したデータベースを使用するかといった違いです。
どちらにもメリットとデメリットがあり、一概にどっちの方が良い、というわけではありません。どちらが自社に合っているかを知っておくためにも、それぞれどういった特徴があるのかを、詳しくみていきましょう。
オンプレミス
オンプレミス型は、自社内に設備を導入するタイプです。そのため、導入時に設備の設置や運用時の保守費用、システムを稼働させるための電気代などがすべてかかってきます。
そのため、セキュリティ対策がしっかりとできる点がメリットといえるでしょう。また、自社内に設備から設置することになるということは、自社に合わせたシステムをカスタマイズできるということもあります。
予算がそれなりにあり、自社に合わせた柔軟なデータベースを用意したいのであれば、オンプレミス型がおすすめです。
クラウド
クラウド型は、ネットワークを介して業者がデータベースのシステムを提供します。そのため、自社で設備を要しする必要がなく、運用にかかるコストも低く抑えることができます。
ただし、会社に合わせた柔軟な対応はできず、ネットワーク内にシステムが用意されていることからセキュリティには気を付ける必要があります。
データベース運用にかかるコストは?
データベースを運用するには、導入費用や運用費用が掛かります。そのため、導入前には、どの程度の費用が掛かるのかを把握しておく必要があるでしょう。ここでは、データベース運用にかかるイニシャルコストやランニングコストを解説します。
イニシャルコスト
イニシャルコストとは、いわゆる初期費用のことです。オンプレミス型であれば、設備の購入・設置費用などがイニシャルコストに当たります。クラウドサービスの場合は、最初に支払う費用のことです。
ランニングコスト
ランニングコストは、毎月必要となる費用のことです。オンプレミス型の場合は、電気代や保守費用がランニングコストに当たります。クラウド型なら、サービスを提供している業者に支払う月額料金などがランニングコストに当たるでしょう。
データベースのバックアップ方式の種類
データベースのバックアップ方式には、フルバックアップや差分バックアップなどがあります。それぞれどういった方式なのか、詳しく把握しておくことも重要です。ここでは、バックアップ方式の種類について詳しく解説します。
フルバックアップ
フルバックアップは、すべてのデータのバックアップを取る方式です。もしデータがなくなってしまっても、バックアップを取っている時点から全てのデータを復旧させることが可能です。ただし、すべてのデータということになると膨大なデータ量になるため、データの復旧には時間がかかります。
差分バックアップ
差分バックアップは、フルバックアップをとっている時点から新しく追加するバックアップであり、フルバックアップだけでなく差分バックアップも使用することでシステムへの負担を減らすことが可能です。差分バックアップ分であれば、復旧にかかる時間も短くて済みます。
増分バックアップ
増分バックアップは、前回のバックアップを行った以降に変更された分のデータだけをバックアップするやり方です。システムの負担は少なくて済みますが、1つでもファイルが欠けていると使えない方法です。
そのため増分バックアップを行う場合は、必ずファイルがすべてそろっていることを確認してから行う必要があります。もしかけているようなら、増分バックアップはあきらめたほうがよいでしょう。
データベースのデータを移行する方法
データベースのデータを移行するには「ダンプ」と呼ばれる方法をとる必要があります。ダンプを行って出力したデータをファイルにまとめることで「ダンプファイル」が作成され、別のデータベースにダンプファイルをリストアすることでデータの移行ができます。
データベースを新しくしたいときや、別のサーバーにバックアップをしたいときなどに役立つ手法です。
データベースのバージョンアップについて
データベースは、以下の手順でバージョンアップすることが可能です。
- データベースの環境の記録
- データのバックアップを取る
- OSなどのバージョンアップを実行
- 作動テスト、データの確認
まずはデータベースの環境や設定を記録しておき、データのバックアップを取る必要があります。事前にバックアップを取っておくことで、うまくいかなかったりデータが消失してしまっても、元に戻すことができるでしょう。
バージョンアップを行ったら、正常に動くかどうか、データが失われていないかなどをテストします。
テストをして問題なければ、データベースのバージョンアップが成功したということです。バージョンアップする際には、データが失われないように対策をしておく必要があります。
データベースの運用は重要
いかがでしたでしょうか?この記事を読むことで、データベースは、たんに導入するだけでなく運用が重要だということを理解できたのではないでしょうか。
データベースを導入・運用するなら、データベースのプロフェッショナル集団であるコーソルのサービスがおすすめです。
コーソルの「Oracle Database」は、高機能・高性能であり、お客様のニーズに応えることができるので、柔軟な対応を希望しているなら、ぜひ参考にしてみてください。