RDBMSの中でも広く使われているものとして、SQLServerが挙げられます。シェア率が高いため、導入を検討している方もいるのではないでしょうか。
ただ「CPU 負荷が大きくなってしまうことがあると知り、不安に感じている」という方もいるはずです。そこで、SQLServerの利用を検討している方のため、SQLServerに負荷がかかる原因や解決法を紹介します。
そもそもSQLServerとは何かから解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
SQLServerとは
SQLServerとは、マイクロソフト社によって開発されたRDBMS(データベース管理システム)です。正式名称は「Microsoft SQL Server」であり「MS SQL」と呼ばれることもあります。
Windows OSとの相性が良いことからWindows環境で使用されることが多いです。
本格的に企業で活用しようと考えた場合は有料版を選択することになりますが、無料で利用可能なエディションも用意されています。
データベースを視覚的に操作可能であることから初心者でも利用しやすいこと、独自拡張のための言語が利用できるため拡張性に優れていることなどが魅力です。
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SQLServerに負荷がかかる原因と解決法
SQLServerに負荷がかかってしまった場合、パフォーマンスの低下によって応答が遅くなる恐れがあります。
また、サーバーが不安定になりやすくなるほか、ユーザーがデータベースにアクセスする際に重さを感じるなど、ユーザーの不満につながってしまう可能性も高いです。
そこで、SQLServerに負荷がかかる原因と解決策を7つ紹介します。
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高いCPU使用率を引き起こしていることを確認する
そもそも、本当にSQLServerに負荷がかかっているのか確認することから始める必要があります。タスクマネージャーまたはパフォーマンスとリソースモニターを活用して確認可能です。
タスクマネージャーでは、プロセスタブでSQL Server Windows NT-64ビットのCPU列の値を確認します。ここで100に近い場合はSQLServer が高いCPU使用率を引き起こしている状況です。
CPU使用率に影響するクエリを特定する
CPU使用率が高いことが確認できたら、どういったクエリが影響しているのか特定します。特に可能性が高いのは、ケーブルまたはインデックス スキャンを実行するSQLServerクエリです。
この他にもソート、ハッシュ操作、ループは可能性が高いので、確認する必要があります。
統計を更新する
どのクエリのCPU使用率が高いのかわかったら、各クエリで使用されるテーブルの統計を更新します。
「sp_updatestats」ストアドプロシージャを実行することで確認が可能です。
こちらを行い、まだSQLServerのCPU使用率が高い場合は、以下に進みます。
不足しているインデックスを追加する
不足しているインデックスがある場合はクエリの実行速度に影響することがあります。必要なインデックスを特定し、作成しましょう。
例えば、ページの分割を行った際にインデックスページが分断された場合などもインデックスの断片化が発生し、CPU使用率が高くなりやすくなります。インデックス断片化が起こっていないか確認し、必要に応じて再構築を行うことになります。
パラメーターに依存する問題を調査する
SQLServerのCPU使用率が高くなってしまう原因の一つとして、パラメーターに依存する問題があります。例えば、適切ではない実行プランだった場合は、大量に使用してしまうことがあります。
同じクエリで異なるパラメーターを使用して実行している場合は、それぞれの実行プランを比較しましょう。その結果をもとにクエリヒントを活用して最適な実行プランを強制します。
SARGabilityの問題を調査する
クエリの実行を高速化するためには、SARGableと呼ばれる述語であることが重要です。ただ、SARGabilityを妨げるようなクエリ設計になっている場合は、その問題を調査し、改善することでCPUの使用率改善効果が期待できます。
重いトレースを無効にする
重いトレースがある場合は、それらを無効にしましょう。
トレースとは、SQLServerの内部動作やパフォーマンスに関する情報を文単位で出力する機能のことをいいます。
CPUの使用率が高い時にトレースを収集することで何がCPU使用率に影響しているのか判断可能です。
わからないことがあれば専門家に相談を
いかがだったでしょうか。SQLServerに負荷がかかっている状況について解説しました。
どういったことが問題になっているのか、解消するにはどうすれば良いかなどがご理解いただけたかと思います。CPUの負荷が大きくなると様々なトラブルにつながるため、注意が必要です。
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