OCIの無料枠は、初めて利用する方がコストをかけずに機能を試せる仕組みです。
30日間の無料トライアルと、期限なく使えるAlways Free Cloud Servicesの2種類があり、インフラやデータベース、ネットワークなど幅広いサービスを利用できます。
本記事では、無料枠の基本情報から利用可能なサービス内容、そして実際の活用手順まで詳しく解説します。
導入前にOCIの性能や使い勝手を確認したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
OCIの無料枠の基本情報
OCI(Oracle Cloud Infrastructure)には、初めて利用する方がコストをかけずに機能を試せる無料枠が用意されています。
期間限定で幅広いサービスを利用できる「30日間無料トライアル」と、期間の制限なく基本機能を使い続けられる「Always Free Cloud Services」の2種類があります。
どちらもクラウド導入前の検証や性能確認に適しており、インフラからデータベース、ストレージまで実際の環境で試せるのが大きな魅力です。
ここからは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
30日間無料トライアル
30日間無料トライアルでは、申し込み時に300米ドル分の無料クレジットが付与されます。
このクレジットを上限まで使い切るか、30日間が経過すると利用終了の通知が届きます。
期間中はデータベースやアナリティクス、コンピュート、Container Engine for Kubernetesなど幅広いサービスを自由に利用可能です。
また、各サービスで最大8つのインスタンスを作成でき、5TBのストレージも利用できます。
期間終了後は有償版へアップグレードしない限り新規の有償リソースは作成できませんが、アカウント自体は継続して利用できます。
Always Free Cloud Services
「Always Free Cloud Services」は、期間の制限なく無料で利用できるサービスです。
利用できる機能は限定されますが、コンピュートやAutonomous Database、Oracle Application Express(APEX)、ブロックストレージやオブジェクトストレージといったOCIの基本機能を継続して使用可能です。
長期的な検証や小規模な運用、学習目的など、コストをかけずにクラウド環境を活用したいケースにおすすめの選択肢です。
【関連記事】:Oracle Data Guardとは?OCI上での構成手順を解説!
OCIの無料枠では何ができるのか
OCIの無料枠「Always Free Cloud Services」は、時間制限なく利用できるクラウドサービスです。
期間限定の無料トライアルとは異なり、特定のリソースは継続的に無償で使えるため、長期的な学習や検証に向いています。
仮想マシン、ストレージ、ネットワーク機能、そして自動化されたデータベースなど、業務に直結する機能が揃っており、初期コストを抑えつつ導入準備を進められます。
具体的に何ができるのか見ていきましょう。
データベースサービスの活用
Always Free枠の大きな魅力は、Autonomous Transaction Processing(ATP)などのマネージド型データベースを無償で利用できることです。
ATPはトランザクション処理や分析、バッチ処理に最適化されており、SQL Developer Webを用いればデータの取り込み、加工、集計、可視化までをブラウザ上で完結できます。
これにより、社内検証やクライアント向け提案の準備段階でも、実運用に近い環境でテストが可能になります。
業務シナリオを想定した検証
無料枠には、AMDやArmベースのコンピュート、オブジェクトストレージ、ネットワークロードバランサーなども含まれます。
これらを組み合わせることで、単なる動作確認に留まらず、業務フローを再現した負荷テストや構成検証が可能です。
特にSIer業界では、導入前のデモ環境や要件定義段階でのシステム試験として活用でき、提案の説得力を高められます。
【関連記事】:Oracle Cloud Infrastructure(OCI)とは?サービス構成や特徴を解説
OCIの無料枠を活用する手順
OCIの無料枠は、シンプルな登録方法で誰でも利用開始できます。
Always Free枠は期間の制限がなく、登録直後から実際のクラウド環境で検証や開発が可能です。
ここでは、初めてOCIを利用する方向けに、無料枠を活用するための基本的な流れを紹介します。
ステップ①トライアルに申し込む
まず、Oracle Cloud Free Tier公式サイトへアクセスし、「無料で始める」ボタンをクリックします。
氏名やメールアドレス、利用する地域などの必要事項を入力し、メール認証を行います。
登録の過程でクレジットカード情報を入力しますが、契約をアップグレードしない限り請求は発生しません。
この時点で無料トライアルの申込みは完了し、アカウント作成の準備に進めます。
ステップ②アカウントを作成する
メール認証後、案内メールに記載されたURLからアカウント作成ページへ進みます。
ここでパスワードやテナンシ名(OCI上での環境名)を設定します。
住所や連絡先情報も入力し、内容を確認したら登録を完了しましょう。
テナンシ名は後から変更できるため、検証用であればシンプルな名前でも問題ありません。
入力が完了するとアカウントのプロビジョニングが開始されます。
ステップ③アカウントにログイン・認証する
アカウント作成が完了すると、「Get Started now with Oracle Cloud」という件名のメールが届きます。
メール内の「Sign in」リンクをクリックし、登録したユーザー情報でログインします。
初回ログイン後はOCIコンソールが利用可能となり、Always Free枠のサービスをすぐに利用可能です。
この状態になれば、仮想マシンやデータベースの作成、ストレージの設定など、実際のクラウド環境で検証作業を始められます。
OCIの無料枠を活用し導入前の不安を解消
今回は、OCIの無料枠について、種類や利用可能なサービス、活用手順まで解説しました。
30日間の無料トライアルやAlways Free Cloud Servicesを活用すれば、コストをかけずにOCIの機能や性能を十分に検証できます。
実際の環境で試すことで、導入後の運用イメージを明確にし、最適な構成や利用方法を見極められるのがメリット。
まずは無料枠でOCIの利便性を体感し、自社のクラウド活用を具体化してみてください。