OCI(Oracle Cloud Infrastructure)は、高いセキュリティ性能とコスト効率を兼ね備えたクラウドサービスです。
IaaS、PaaS、SaaSといった幅広いサービスを提供し、共同セキュリティモデルや強固なデータ保護機能を備えています。
この記事では、OCIのセキュリティの特徴や他クラウドとの違い、導入時に押さえておきたいポイントを解説します。
OCIについて知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
OCIとは
OCIは、オラクル社が提供するパブリッククラウド基盤であり、IaaS・PaaS・SaaSといった多層的なサービスを統合的に提供しています。
オンプレミス環境で培われた信頼性と、クラウドならではの柔軟性やスケーラビリティを兼ね備えており、企業の基幹システムから最新のアプリケーション開発まで幅広く活用できます。
セキュリティやコストパフォーマンスにも優れ、AWSやAzureなどの他クラウドサービスと比較しても独自の強みをもつのが特徴です。
OCIが提供しているサービスの種類
OCIは、企業が求める多様なITニーズに応えるため、IaaS・PaaS・SaaSという3つのサービスモデルを展開しています。
それぞれの層が役割を分担しつつ連携することで、開発から運用までを効率化し、セキュリティと拡張性を両立しています。
ここでは、それぞれのサービスモデルの概要と特徴を見ていきましょう。
IaaS
IaaS(Infrastructure as a Service)は、サーバー、ストレージ、ネットワークといったITインフラをクラウド上で提供するサービスです。
OCIのIaaSでは、高性能なコンピュートリソースやスケーラブルなストレージをオンデマンドで利用でき、必要に応じたリソース増減を容易に行えます。
初期投資を抑えながら、基幹システムや大規模なワークロードにも対応できる柔軟性が魅力です。
PaaS
PaaS(Platform as a Service)は、アプリケーションの開発や運用に必要なプラットフォームをクラウド上で提供します。
OCIのPaaSでは、データベース、ミドルウェア、分析基盤などが事前に構築され、すぐに利用可能です。
開発者はインフラの準備や環境構築に時間を割く必要がなく、開発スピードの向上と品質改善に専念できます。
Oracle DatabaseやExadata Cloud Serviceなど、エンタープライズ向けの高性能サービスが強みです。
SaaS
SaaS(Software as a Service)は、完成されたアプリケーションをインターネット経由で提供するサービスです。
OCIのSaaSでは、ERP、HCM、CRMといった業務アプリケーションがすぐに利用可能で、導入直後から業務効率化を実現できます。
利用者はシステムの保守やアップデートを意識する必要がなく、常に最新かつ安全な環境で業務を進められます。
また、複数拠点やリモートワーク環境でも同一のアプリケーションを活用できるため、働き方の柔軟性にも貢献します。
OCIを導入するメリット
OCIは、高性能かつ安定したクラウド環境を、適切なコストパフォーマンスで利用できる点が大きな魅力です。
セキュリティ、コスト、運用効率のいずれにおいても優れており、既存のオンプレミス環境や他クラウドサービスからの移行にも適しています。
ここでは、OCIの代表的な導入メリットを詳しく見ていきましょう。
メリット①セキュリティが優れている
OCIは、設計段階からセキュリティを組み込む「セキュリティ・バイ・デザイン」の思想を採用し、リスク低減を徹底しています。
ハイパーバイザーとネットワーク仮想化を専用ハードウェアで分離することで、強力なテナント分離を実現し、不正アクセスや侵害のリスクをできるだけ抑えます。
さらに、セキュリティパッチの自動適用や常時監視といった自動化された運用管理により、脆弱性対策が迅速かつ確実に実施されます。
これらの機能のほとんどは標準で利用でき、追加コストがほとんど発生しない点も魅力です。
誤設定の可能性を減らす設計になっているため、運用時のヒューマンエラー防止にもつながります。
【関連記事】:Oracle Cloud Infrastructure(OCI)とは?サービス構成や特徴を解説
メリット②低コストで導入できる
OCIは、利用料金にサポート費用が含まれた明瞭な価格体系を採用しており、初期導入から運用まで無駄なコストを抑えられます。
特にデータ転送に関しては、インバウンド通信は無料、アウトバンド通信も毎月10TBまでは無料で利用でき、無償枠を超えた場合も単価は非常に安価です。
さらに、オンプレミスとの閉域網接続では接続ポート料金のみで追加課金がなく、大規模なデータ連携にも適しています。
リージョン間での価格差もなく、グローバル展開を行う際にもコスト予測が立てやすいのが特徴です。
加えて、Always Freeプランや無料トライアルが用意されているため、初期検証や小規模環境からの導入にも適しています。
OCIセキュリティの基本的な要素
OCIのセキュリティは、SaaS・IaaS・PaaSすべての領域を網羅し、複数の防御層を組み合わせた堅牢な構造です。
その基盤となるのが、設計段階から組み込まれた「7つの柱」です。
これらは顧客データの保護、アクセス制御、可用性確保といった幅広い観点からセキュリティ体制を構築するための中核を成しています。
特に、顧客同士の環境を完全に分離する仕組みや、保存中・転送中のデータを暗号化する技術は、OCIならではの強みです。
以下の表で、7つの要素と概要をまとめました。
| セキュリティ要素 | 概要 |
| 顧客の分離 | 顧客同士のアプリケーションや情報資産を完全に分離し、環境の安全性を維持します。 |
| データ暗号化 | 保存時と転送時のデータを暗号化し、不正アクセスや漏えいリスクを低減します。 |
| セキュリティ統制 | 高度なセキュリティソリューションにより、インシデント発生を未然に防ぎます。 |
| 可視性 | ログやセキュリティリスクを継続的に監視し、システムの透明性を確保します。 |
| セキュアなハイブリッド・クラウド | 既存のIDやセキュリティポリシーを活用し、柔軟なハイブリッド環境を構築します。 |
| 高可用性 | 複数のデータセンターに情報を分散保存し、事業継続性を担保します。 |
| 検証可能なセキュア・インフラストラクチャ | 厳格なポリシー準拠により、ガバナンスとコンプライアンスを強化します。 |
これらの要素が相互に機能することで、OCIはエンタープライズレベルの強固なセキュリティ環境を実現しています。
システムの安定稼働だけでなく、法的要件や業界規制への適合も容易になり、安心してクラウド活用を進められます。
OCIセキュリティの特徴
OCIは、エンタープライズシステムに求められる高度なセキュリティ対策を、クラウド基盤全体に組み込んでいます。
「セキュリティ・バイ・デザイン」を採用し、データ保護、アクセス制御、運用監視までを多層的にカバーしています。
さらに、ユーザーとOracleが役割を分担する「共同セキュリティ・モデル」により、責任範囲を明確化しながら安全性と効率性を両立できます。
堅牢なセキュリティ
OCIは、顧客環境の完全分離、データ暗号化、多層防御といった強固な対策を標準装備しています。
加えて、セキュリティパッチの自動適用や常時監視機能を備え、脆弱性にも迅速に対応可能です。
こうした仕組みは運用中のヒューマンエラー防止にもつながり、政府や金融業界の厳格な基準にも適合する堅牢性を確保します。
共同セキュリティ・モデル
OCIの共同セキュリティ・モデルは、クラウド基盤とその上で動作するアプリケーションやデータの保護責任を明確に分担する考え方です。
Oracleはデータセンターやネットワークなどのインフラ部分を守り、ユーザーはアプリケーションやアクセス権限の管理を担当します。
このモデルにより、セキュリティ管理の抜け漏れを防ぎ運用負担の最適化が可能です。
アイデンティティおよびアクセス管理
ユーザーは、全てのクラウドアクセス資格情報を厳密に管理し、業務に必要な最小限の権限を付与します。
また、権限の棚卸しやアクセスログの監査を定期的に行えば、不正利用の兆候を早期に発見できます。
Oracleは、これらの運用を支えるIAM(Identity and Access Management)サービスを提供し、多要素認証やきめ細かなロール設定、リアルタイム監査ログといった高度な機能で安全なアクセス制御を実現可能です。
ワークロード・セキュリティ
ユーザーは、コンピュートインスタンス上のOSやアプリケーションに対し、最新パッチの適用、不要ポートの閉鎖、マルウェア対策などを実施し、脅威から保護します。
Oracleは、事前に強化されたOSイメージを提供し、導入直後から安全性を確保できる環境を用意しています。
さらに、オンプレミスと同様のサードパーティ製セキュリティツールをOCI上で活用できるため、既存の運用ポリシーをそのまま適用できます。
データの分類とコンプライアンス
ユーザーは機密度に応じたデータ分類を行い、適切な暗号化やアクセス制限を適用します。
また、業界規制や法的要件に準拠しているかを定期的に監査し、必要に応じて改善します。
Oracleは、データ暗号化、キー管理、監査レポート機能を提供し、コンプライアンス維持を支援します。
これにより、機密情報を含む取引や分析処理でも安心して運用できる環境が整います。
ネットワーク・セキュリティ
ユーザーは、仮想ネットワーク(VCN)の設計やファイアウォール設定、ルーティング構成などを安全に行い、不要な通信経路を排除します。
Oracleは、基盤となるネットワークインフラを堅牢に保護し、全アカウントにL3/L4レベルのDDoS防御を標準提供します。
構成や監視の手間をかけずとも、外部からの大規模攻撃に対して常に防御される環境が整っているのです。
ホスト・インフラストラクチャ・セキュリティ
ユーザーは、仮想マシン、コンテナ、ストレージ構成、データベース設定などを安全な状態で運用します。
脆弱な設定や不要な権限を排除することで、内部からのリスクにも対応可能です。
Oracleは、ハイパーバイザーやアクセス権限のセキュリティを維持し、プラットフォーム全体が安全な状態で提供されるよう管理します。
クライアントおよびエンドポイントの保護
ユーザーは、クラウドにアクセスする端末やブラウザ、モバイル機器のセキュリティを確保します。
ウイルス対策や端末管理の徹底することで、外部からの不正侵入経路を遮断します。
Oracleは、これらの運用を補完するセキュリティ機能を提供し、ゼロトラストモデルにも対応可能なアクセス制御を実現します。
物理セキュリティ
Oracleは、世界中のデータセンターで厳格な物理的保護を行っています。
入退室管理、監視カメラ、バイオメトリクス認証、災害対策システムなどを組み合わせ、24時間365日の監視体制を維持しています。
自然災害や物理的侵入からもクラウド基盤を守ります。
OCIとほかのクラウドサービスのセキュリティの相違点
OCIは、追加コストをかけずに利用できる高度なセキュリティ機能や、独自のインフラ設計による堅牢な環境構築が大きな特徴です。
ここでは、他社クラウドと比べセキュリティ面の相違点を解説します。
多くのセキュリティ機能を無償提供
OCIでは、リスクのある設定を自動検知する「Cloud Guard」、ユーザー権限の分析・再設定機能、セキュリティポリシーの自動適用機能など、他社では有償となることが多い機能を標準または無償で提供しています。
運用中の設定ミスや権限の過剰付与といった人的エラーを事前に防ぎ、安全性を高められます。
強力なテナント分離と専用ハードウェアの活用
OCIは、ネットワーク仮想化を物理的に分離された専用ハードウェアで実行します。
この構成によって、他テナントからのアクセスやマルウェア感染のリスクを極力抑えられます。
物理的レベルでの分離は、金融や公共機関など高いセキュリティ基準が求められる分野において大きな安心材料となるでしょう。
すべてのデータと通信を強制的に暗号化
OCIでは、保存データだけでなくネットワーク通信も含め、全ての情報を強制的に暗号化します。
暗号化はOracleがフルマネージドで実施するため、ユーザー側での追加設定や運用負担がありません。
そのため、意図しないデータ漏えいや盗聴のリスクを効果的に防止できます。
柔軟かつ安全な階層型権限管理
OCIは、組織や部署単位で権限を細かく設定できる階層型の権限制御を採用しています。
プロジェクトごとに異なるアクセス要件にも対応でき、複数部門や大規模組織でも効率的な運用が可能です。
また、コンパートメントごとの利用制限(Quota設定)を活用すれば、予期せぬリソースの消費も防げます。
【関連記事】:Oracle Data Guardとは?OCI上での構成手順を解説!
OCIが提供するセキュリティ
OCIは、IaaS・PaaS・SaaSのすべてをカバーする包括的なクラウドサービスであり、企業の情報資産を保護するための多層的なセキュリティ機能を標準搭載しています。
ハードウェア開発からデータベース運用まで幅広い分野で培ったオラクル社の知見を活かし、堅牢かつ柔軟なセキュリティ体制を実現しているのが特徴です。
ここでは、OCIが提供する代表的なセキュリティ領域について紹介します。
クラウド・インフラストラクチャ・セキュリティ
OCIは、エンタープライズ向けに設計されたIaaS型クラウド基盤であり、性能とセキュリティを高いレベルで両立しています。
ユーザー認証やアクセス制御、脆弱性スキャン、ログ監視など、運用に不可欠なセキュリティ機能を標準で備えています。
さらに、仮想化されたプライベートネットワークや完全なテナント分離を採用し、他の利用者環境からの影響を受けない安全な運用が可能です。
また、オラクル社はサーバーやストレージといったハードウェア開発のノウハウを活用し、オンプレミスとクラウドで同一アーキテクチャを採用しています。
そのため、既存システム運用の知見をそのままクラウド環境に適用でき、移行後も安定した運用を維持できます。
初期投資を抑えながら、基幹システムや大規模ワークロードにも対応できる柔軟性が魅力です。
データベース・セキュリティ
OCIには、世界的に高い評価を受ける「Oracle Database」が搭載されており、クラウド上で安全かつ効率的にデータベースを運用できます。
機密情報や業務データを守るために、ユーザー認証、アクセス権限管理、データ暗号化、ネットワークセキュリティといった多層防御を実装しているためです。
さらに、機械学習を活用して自動運用する「Oracle Autonomous Database」も提供されています。
この自立型データベースは、脆弱性パッチの適用やセキュリティポリシーの更新、バックアップ作業を自動化し、人的ミスや運用負荷を大幅に削減します。
従来型データベースでは難しかったリアルタイムでの脅威検知や、スピーディなリスク対応を可能にし、企業の重要な情報資産を強固に保護してくれるのです。
クラウドとオンプレミスのセキュリティの違い
オンプレミス環境では、物理的な設備やネットワーク、アクセス権限のすべてを自社で管理します。
一方、クラウドではインフラの大部分を事業者が運用し、ユーザーはその上でアプリケーションやデータを安全に管理する必要があります。
そのため、アクセス制御やネットワーク公開範囲の最適化といった「論理的なセキュリティ管理」が特に重要です。
OCIでは、この管理を支える仕組みとしてIAMとVCNが用意されており、ゼロトラストの考え方に基づく安全な環境構築を可能にしています。
クラウドセキュリティの基本
クラウドにおけるセキュリティの基本は、「最小限の権限」と「最小限の公開」です。
OCIは初期設定から余計な権限や公開範囲を与えず、必要な範囲だけをユーザーが追加していく方式を採用しています。
これにより、人的ミスや過剰な権限設定によるリスクを大幅に低減でき、その中心となるIAMとVCNについて解説します。
IAM
IAM(Identity and Access Management)は、誰がどのリソースにアクセスできるか管理する仕組みです。
OCIでは、ユーザーごとに権限を設定するのではなく、役割や職務内容ごとにグループを作成し、そのグループ単位で必要最小限の権限を付与します。
そのため、管理がシンプルになり、誤って過剰な権限を与えるリスクを防げるのがメリットです。
また、リソースをコンパートメントという単位で分けることで、プロジェクトや環境ごとにアクセス範囲を厳密に制御できます。
VCN
VCN(Virtual Cloud Network)は、OCI上で構築する仮想ネットワークであり、リソースの公開範囲を制御します。
重要なデータベースやアプリケーションサーバーはプライベートサブネットに配置し、外部から直接アクセスできないようにする一方、必要なWebサーバーなどはパブリックサブネットに配置します。
さらに、セキュリティリストやネットワークセキュリティグループを活用して通信を細かく制限し、本当に必要な経路だけを許可します。
加えて、インターネットゲートウェイやサービスゲートウェイを使い分けることで、安全性を保ちながら必要な通信を確保できます。
OCIの安全な利用に関する項目
OCIを安全に運用するには、アクセス管理やネットワーク制御だけでなく、監査・監視・コスト管理まで含めた包括的な対策が求められます。
ここでは、安全な利用を実現するための4つの主要項目について解説します。
認証
OCIでは、ユーザーの本人確認とアクセス権限の管理を担う仕組みとして、「OCI Identity and Access Management(IAM)」と「Oracle Identity Cloud Service(IDCS)」の2種類が提供されています。
IAMはOCI専用の認証・ID管理を行うサービスで、シンプルな構成に向いています。
一方、IDCSはOCIを含むOracle Cloud全体で利用できる総合的な認証基盤で、外部サービスとの連携や高度な機能が必要な場合に適しています。
利用規模や管理負荷に応じて、どちらを採用するかを選定するのが重要です。
また、1ユーザー1アカウントの原則やアカウントライフサイクル管理を徹底し、不正アクセスの防止につなげます。
許可
権限付与は、OCIの「コンパートメント」を理解することからスタートです。
コンパートメントはリソースを論理的に分ける単位で、アクセス許可はこの単位ごとに設定します。
ポリシーは許可ベースで設計され、グループ単位で付与するため、まずはユーザーを役割ごとにグループ化し、そのグループに必要最小限の権限を与えます。
必要な操作と対象リソースの組み合わせごとにグループを作成し、最小権限の原則に従った設計を行うことで、不要なアクセスや操作ミスの防止が可能です。
ガバナンス
OCIでは、監査と監視のために「Audit Log」と「Events Service」が提供されています。
Audit LogはAPIコールの履歴を自動収集し、最大365日まで保持可能です。
Events Serviceは、リソースの状態変化を検知して事前設定したアクションを自動実行できるため、異常や設定変更を即座に把握できます。
コスト管理面では、BudgetsやCost Analysis、Usage Reportsを活用し、予算の設定や利用状況の可視化が可能です。
不要なリソースを停止・縮小する運用ルールを併用すれば、コストの最適化にもつながります。
ネットワーク
ネットワークの安全性は、OCIのVCN(Virtual Cloud Network)設計に大きく依存します。
サブネットをパブリックとプライベートに分け、機密性の高いリソースは外部から直接アクセスできない構成にします。
セキュリティリストやネットワークセキュリティグループを活用して通信を細かく制御し、不要な経路は閉じることが基本となります。
オンプレミスとの接続は、専用線やVPNを利用して閉域網を構築すると安全性が高まります。
また、OS層へのアクセス制御も忘れてはならず、SSHやRDPを使用する場合は、IAMポリシー外でのアクセスになるため、追加のセキュリティ対策を講じなければなりません。
高セキュリティのOCIを導入するにあたって覚えておきたいこと
OCIは設計段階から高度なセキュリティ機能を備えていますが、それだけで安全性が永続的に保証されるわけではありません。
セキュリティは一度設定して終わりではなく、運用の中で定期的に見直し、新たな脅威に対応できる体制が求められます。
権限の棚卸しやネットワーク設定の再確認を習慣化し、不要な権限や一時的に開放したポートは速やかに閉じましょう。
また、OCIに搭載されているAuditサービスやEvents Service、Cloud Guardなどの監査・検知機能を積極的に活用し、不審な動きやリスクのある設定を早期に把握できる体制を整えておくことが重要です。
さらに、インシデント発生時に備えて対応手順を事前に定め、設定変更の記録や脆弱性診断を定期的に実施すれば、潜在的な弱点を解消できます。
高セキュリティな基盤であっても、日々の監視と改善を怠らない姿勢が安全運用の鍵となります。
OCIセキュリティ活用のポイントと運用の心得
本記事では、OCIのセキュリティ特徴から他クラウドとの違い、安全な利用のための具体策までを解説しました。
OCIは強固なセキュリティを前提に設計されていますが、効果を最大限発揮させるには、定期的な権限や設定の見直し、監査機能の活用、インシデント対応体制の整備が欠かせません。
高い基盤性能に頼るだけでなく、継続的な監視と改善を通じて、安心して利用できるクラウド運用を実現していきましょう。




























