Oracle Cloud Free Tierは、Oracle社が提供するサービスのひとつです。Oracle Cloud Infrastructureの利用を検討している方に適したサービスです。主な特徴は、さまざまな製品を無料で試せることです。ここでは、Oracle Cloud Free Tierの概要、対象サービスを解説するとともに、同サービスを利用する流れなどを紹介しています。以下の情報を参考にすれば、全体像を理解できます。Oracle Cloud Free Tierが気になる方は参考にしてください。
目次
Oracle Cloud Free Tierとは
Oracle Cloud Free Tierは、Oracle Cloud Infrastructureを無料で試せるプログラムです。具体的には、無料トライアルとAlways Freeサービスで構成されます。クラウド移行前にOracle社の製品を試してみたいときやOracle社の製品について理解を深めたいときなどに適しているサービスといえるでしょう。
Oracle Cloud Free Tierの対象となる条件
同サービスの対象になる条件は次のとおりです。
| サービス名 | 対象の条件 |
| 無料トライアル | 1人1回まで |
| Always Freeサービス | アカウントは1人につき1つまで |
複数の無料アカウントを作成したり、作成しようとしたりすることは禁止されています。また、正確かつ有効な連絡先、請求先情報を登録することも求められます。これらを満たさない場合は、アカウントを停止されることや終了されることがあるため注意が必要です。
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Oracle Cloud Free Tierはどのような構造になっている?
Oracle Cloud Free Tierは、無料トライアルとAlways Freeサービスで構成されます。それぞれの概要は次のとおりです。
30日間無料トライアル
Oracle Cloudへサインアップすると300米ドル分の無料クレジットが付与されます。このクレジットを使って、最大30日間にわたりOracle Cloud Infrastructureのサービスを試せます。無料トライアルの対象となる製品の例は以下のとおりです。
【無料トライアルの対象サービス一例】
- AI and Machine Learning Oracle Digital Assistant
- Analytics and BI Analytics Cloud
- Compute Secure Desktops
これらの他にも、さまざまな製品を試せます。
Always Free Cloud Service
Always Freeサービスは、期間を問わず無料で利用できます。リソースの制約はあるものの、無料トライアル終了後も利用を継続できる点がポイントです。Always Freeサービスの対象になる製品の例は以下のとおりです。
【Always Free対象サービスの一例】
- Compute AMD Compute Instance
- Autonomous Database
- Object Strage
無料トライアル、Always Freeサービスとも、希望すれば有償版のPay As You Goへいつでもアップグレードできます。
Oracle Cloud Free Tierで利用できるサービス一覧
2025年8月時点でのOracle Cloud Free Tierで利用できるサービスを改めてご紹介します。
| 分類 | 対象製品 | |
| 無料トライアル | AI and Machine Learning | Oracle Digital Assistant |
| Data Science | ||
| Document Understanding | ||
| Language | ||
| Speech | ||
| Vision | ||
| Analytics and BI | Analytics Cloud | |
| Compute | Compute | |
| Secure Desktops | ||
| Containers and Functions | Functions | |
| Kubernetes | ||
| Developer Services | APEX | |
| Blockchain Platform | ||
| Functions | ||
| Java | ||
| Kubernetes | ||
| Visual Builder | ||
| Visual Builder Studio | ||
| WebLogic Server | ||
| Integration | Integration | |
| SOA | ||
| Networking | FastConnect | |
| Load Balancer | ||
| Observability and Management | Application Performance Monitoring | |
| Logging | ||
| Logging Analytics | ||
| Service Connector Hub | ||
| Open Source Databases | Cache with Redis | |
| Database with PostgreSQL | ||
| Search Service With OpenSearch | ||
| Oracle Databases | Autonomous Data Warehouse | |
| Autonomous JSON Database | ||
| Autonomous Transaction Processing | ||
| Data Safe | ||
| Database Backup | ||
| HeatWave | ||
| NoSQL Database Cloud Service | ||
| Oracle Base Database Service | ||
| Security | Certificates | |
| Identity | ||
| Storage | Storage | |
| Always Freeサービス | Compute | AMD Compute Instance |
| Arm Compute Instance | ||
| Developer Services | APEX | |
| Networking | Flexible Network Load Balancer | |
| Load Balancer | ||
| Outbound Data Transfer | ||
| Service Connector Hub | ||
| Site-to-Site VPN | ||
| VCN Flow Logs | ||
| Virtual Cloud Networks (VCN) | ||
| Observability and Management | Application Performance Monitoring | |
| Email Delivery | ||
| Logging | ||
| Monitoring | ||
| Notification | ||
| Oracle Databases | Autonomous Database | |
| HeatWave | ||
| NoSQL Database | ||
| Others | Console Dashboards | |
| Security | Bastions | |
| Certificates | ||
| Vault | ||
| Storage | Archive Storage | |
| Block Volume Storage | ||
| Object Storage | ||
| Object Storage-Infrequent Access | ||
| Object Storage-Standard | ||
たとえば「AI and Machine Learning Language」は、高度なテキスト分析を行うクラウドベースのAIサービスです。幅広いサービスを利用できることがわかります。
30日間無料トライアルで何ができそうか
無料トライアル(300米ドル、最大30日間)を活用して、さまざまな取り組みを行えます。具体的には、3層構造(AP Linux/DBCS)DBCSや3層構造(AP Windows/DBCS)、3層構造(AP Linux冗長化/DBCS)を起動し続けても、300米ドルを使いきれないことが示されています。計画的に利用すれば、期間と予算に限りがあっても、さまざまな取り組みを行えるでしょう。
出典:Qiita「[Oracle Cloud] OCIの無償トライアルで何がどこまで使えるか?試算してみた」
https://qiita.com/ora-777/items/ca2c51c3c04562fdb84b
無料トライアル期間が終了したらどうなる?
30日間が経過するか、300米ドル分のクレジットを使用すると通知が届きます。Oracle Cloud Infrastructureを引き続き利用したい場合は、有償版のPay As You Goへ切り替えることができます。アカウント切替の猶予期間は30日間です。有償版へ切り替えない場合は、インスタンスとデータが完全に削除されます(Always Freeサービスは、無料トライアル終了後も原則として使用できます)。Oracle Sales担当者が必要性を認める場合は、無料トライアル期間の延長、クレジットの追加発行が行われる点もポイントです。有償版へ切り替えず、無償版で利用したアカウントを削除することもできます。
Oracle Cloud Free Tierを利用するまでの流れは?
Oracle Cloud Free Tierを利用する基本的な流れは以下のとおりです。
【利用の流れ】
- Oracle Cloud Free Tier公式サイトへアクセスし、「無料で始める」をクリックする
- 「国/地域」「氏名」「メールアドレス」を入力して電子メールの検証を行う
- 登録したメールアドレスにメールが届く
- 届いたメールに記載されている「Verify email」をクリックして必要情報を入力する
- 無料トライアルを開始する
- Oracle Cloudへサインインする
- セキュアな検証の有効化をクリックする
- 認証方法を選択し、必要な手続きを進める
登録時に、本人確認を行うためクレジットカード情報が必要です。登録しても、有償版Pay As You Goアップグレードしない限り課金されることはありません。
【関連記事】:Oracle Cloud Infrastructure(OCI)とは?サービス構成や特徴を解説
Oracle Cloud Free TierはOracle Cloud Infrastructureを体験できるサービス
ここでは、Oracle Cloud Free Tierについて解説しました。簡単に説明すると、Oralce Cloud Infrastructure環境を手軽に体験できるサービスといえるでしょう。具体的には、無料トライアルとAlways Freeサービスで構成されます。Always Freeサービスは、一定の制約のもと期間を問わず利用できます。満足できれば、そのまま有償版へ切り替えることも可能です。Oracle Cloud Infrastructureの利用を検討している方は、Oracle Cloud Free Tierを試してみてはいかがでしょうか。


























